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探偵ミケネコ 京都不倫旅行編①
※ 探偵の時のエピソードは個人を特定されないよう、話の本筋に影響しない情報は変更して書いております。ご理解下さい
ある休日の晴れた昼下がり
近所のコンビニでレッドブルを飲んでみた。美味しいけど、あの時のレッドブルの味とは程遠い。
レッドブルを一気に飲み干す
大して好きでもないレッドブルをわざわざ購入したのには理由がある。
理由を話すためには少し昔話をしたい。
今日はミケネコの探偵時代を話してみる。
京都の不倫旅行についてだ。
その時勤めていた探偵会社が倒産の危機にあり、調査員が自分とリーダーだけを残して全員解雇という結論にいたり、しかも辞める調査員の給料が払えないかもしれないという事態に陥った。
探偵業界はお金になる依頼とそうでない依頼の差がでかい。1番金になるのは不倫案件だ。離婚の慰謝料を想定した予算の組み方ができるからである。しかし、そういうでかい案件はなかなか会社には入ってこず経営難に陥っていた。
そんな時に久しぶりに入った不倫確定の案件だった。朝5時から調査スタート。前日から現場に行き、調査対象(依頼者の旦那さん)が家を出るタイミングを逃さないようカメラを仕掛けておく。
辞める調査員の給料がかかっている。失敗は許されない。
朝6時 対象が徒歩で家を出る
車の移動を後輩に任せ、自分が徒歩で尾行を開始。対象は電車を使い、目的と思われる駅へ到着する。
新幹線を使うようだ、後輩に連絡し2人で対象を追いかけ共に新幹線に無事乗車。これで一息つける。
社長からお金になる案件だし、みんなの給料がかかってるから失敗しないように気をつけてとの注意喚起がくる。もちろん、承知している。
必ず証拠を撮ってみせると気合を入れなおす
しばらくして対象が荷物をもち立ち上がる。
降りるのだな、そう思いこちらも立ち上がる。
ドアが開き降りる間際、対象が出口付近の喫煙室へ入る。
喫煙室近くで待機する選択肢もあったが、これからの長い調査に向けてまだ対象に姿は見られたくない。
仕方なく僕達は新幹線を降りて対象が降りるのを観ていた。
新幹線のベルが鳴りドアが閉まる。
あれ?
対象が降りてこない
新幹線を降りなかったのか?
いや、荷物を持っていたし降りるつもりだったはず。あわてて向かいの同じ方向の新幹線に乗り込み念の為対象を全車両探すがいない
まずい、降りなかったのか、
完全に見失ってしまった、、
やばい、、体中の血液が冷えるのを感じる、、
徹夜の眠気を消えていた
社長にまず連絡する。
とりあえず同じ進行方向の新幹線に乗りながら冷静になる。もう一度見つけるしかない。
幸いこちらは快速で、あちらは各駅
そして1度降りようとした事を考えると降りるのではなく、乗り換えだったと思われる。
乗り換え案内を調べると、各駅と快速が重なる駅は次は京都である。
京都へ向かう。
社長から助け船が出される、なんと対象の部屋に旅行の予定メモが置いてあったらしく、その画像が送られてきた。
この時は有り難いと思ったが、冷静に考えるとアホな対象である。残すかねそんなもの。
そんなもの探偵からすると未来日記である。
未来日記なんてなんだか純愛小説みたいな響きだがこいつのは不倫である。
きちゃない
京都 平等院鳳凰堂 二条城などの京都の名所が書きなぐってある。間違いない。京都だ。
先回りして京都駅にて対象を待つことにした。
この日は4月には珍しい炎天下の日差しが眩しかったのを覚えている。
②へ続く
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