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日本屈指の山岳ステージ(野麦、楢峠、有峰)をゆく325キロ、+7001メートル(241012-14)

日本屈指の山岳ステージ(野麦、楢峠、有峰)をゆく325キロ、+7001メートル


ライドログ

僕の愛用リュック、トランスアルパインの名にふさわしい、日本屈指の山岳ステージを駆け抜けた

Day1、峠付近の長野県史跡「旧野麦街道」の案内に魅せられバイク&ハイク。チャリを押し歩きながら登る。ま、登山道。野麦と呼ばれた熊笹が生い茂る。これ10月だから気分の良いハイキングルートだが、やっぱ積雪期は無理ゲー、無謀だよね。当時はどうだったんだろう。命を賭して厳冬期の峠を越える必要ある?素直に疑問に思った

この笹のことを野麦っていうんだって

Day2

開かずの国道酷道471楢峠に9時すぎ取り付きのダブルおにぎりで記念撮影。アスファルトが風化しグラベル化している悪路を淡々と高度を稼ぐ

楢峠名物ダブルおにぎりごちそうさまでした


途中、4人組でドライブしている女性たちにすごい!頑張ってくださいねなんて珍しく黄色い声援を受けたり、すれ違うモーターサイクリストがガンバ!なんて応援してくれたりいつもより出力10パーマシで気分サイコー!

ただしい峠の風景でした

峠付近振り返ると飛騨の街と遠く御嶽山が見える。これがあるべき峠の眺望のお手本だ。富山、岐阜間で領土問題があったため県境は峠では無く大きく富山側にはみ出しているのが印象的だ。県境には勝ち誇ったように岐阜県飛騨市の看板が設置されているが、富山市側はそんなの認めんとばかりに無視、なにもなし。こんな山奥どっちでもいいじゃないと思うが、普通に見れば、岐阜が領土侵犯してるな

イタイイタイ病資料館に立ち寄る。富山には七つの大河があるが、たまたま神通川流域のみ上流の神岡鉱山の鉱毒の被害に遭われたと。息するだけでも針千本飲まされるように痛みがはしるという、さぞかしおつらい病気だったろう。健康被害に加え、病気がうつるだの周囲の人から差別を受けるという二重の苦しみを受けたと。三井金属鉱山との裁判には勝訴したが、いくらお金をもらっても失った人生は帰ってこないよな

Day3

夜明け前の北アルプスの稜線に魅入る。7〜10月のわずか4ヶ月しか通行できない有峰林道小口川線取り付きから6時間で頂上の飛越トンネル(標高1506)へ登り切った。小川口線の3時間では車1台と、バイク2台しかこなかった。アタリ。駒止めが続く峠道の険しさは、落ちたら死ぬで有名な温見峠は今考えると入門編だ。ガチでヤバイのは死ぬのは当たり前で死体すら出てこないし、不明になったことすら分からないこのような山深い渓谷だ

平衡感覚が狂う暗黒のトンネル

神岡の町直前でなんと熊に遭遇。吠えまくったら逃げてった

神岡から猪谷までの国道41号は渓谷沿いのスノーシェッドやトンネルが多数続くいわゆるデスゾーンだ。行っちゃあかんヤツ。たまたま下流方向なのでまあなんとか助かった

Day1 野麦峠 94.8キロ +2304
Day2 楢峠 111.3キロ +1636
Day3 有峰林道 119.8キロ +3061
合計     325.9キロ +7001

富山ではスパ・アルプス、北陸のサウナの聖地に宿泊した。サイクリング旅と相性がいいことを知った。大きなお風呂に全身伸ばせてだらだらできる安楽椅子。清潔で充分な大きさのドミトリー。どうせ朝早いしこれで十分幸せだと気づいた。ただ洗濯、乾燥機がなかった。せっかく聖地だからと入ってみたサウナは僕にとっては普通だった。ド素人すぎて良し悪しがわからん。ロッカーにサインをいれるのが流行っているようだ。いろんな世界があるんだね。今年はいろいろ止まってみた。健康ランド>ネットカフェ>大浴場付きビジホ>風呂なし素泊まりのドミトリ。僕にとって必要な宿の機能は、清潔なベッド(痒くならないやつ)、できれば温泉、入浴施設、あればベターな洗濯、乾燥機。そしてダラダラできるソファ

野麦峠と神岡鉱山、富山・岐阜の領土紛争の歴史を勉強しよう。訪問してみて疑問に思ったことを勉強するというのは旅の楽しみの一つだよね

服装


11~25℃の寒暖差が激しい時期なにを持って行くか悩んだ。きちっとメモっとこう
①蛍光イエローのウィンドブレーカー(ポリ100%)最強の保温性。登り返すと湿度がこもる
②NBのジャージ上着。ポリ100%。着心地良いがスースー寒い
③Dikiesのワークシャツ、35%の麺ポリ混紡。着心地いいけど吸湿して重くなった。最後のレイアリングと街着に使おう
④トレーニングTシャツ(ポリ100%)ヒルクライムアタック時はこれのみ
⑤ボトムスはナイキの速乾性スポーツハーフパンツ。足はあまり寒くないね
⑥MTBシューズ。ハイキングも可能。Nikeのショートソックス

レイヤリングは上りは④のみ、くだりは①②④をベースに調整、ホテルや輪行時は③と綿のTシャツ

特殊装備

①熊鈴、トーヨーセフティーのNo22ホイッスル。カバンに入れっぱなし。自分で吠えたほうが手軽かつ効果があることが今回実証された。ホイッスルは遭難時に役に立つかもなので今後持っていこう
②双眼鏡。今回も使ったシーンなし

ドライルブ

輪行用に塗布したAZのドライルブは200キロ程度だな。3日目は足りない感じ

アイテナリー

今回はアイテナリーを印刷して持参した。ポケットに突っ込んでおいて参照する。スマホを取り出す回数が劇的に減った、また書き込んだりぶっちゃけ便利だ。今回は設定できなかった敗退ルート情報も記入しておけばカンペキ

ルート概要
距離、標高、日の出、日の入り時間、天気予報、
ルートセグメント
区間距離、獲得標高、ポイントの標高
電車情報(終電が重要)トッキュ、ドンコそれぞれ

越中・飛騨ツーリングアイテナリー

weather
10/12 野麦峠 晴れ時々曇り 24/10 20%
10/13 楢峠 晴れ時々曇り 17/06 30%
10/14 有峰ダム 晴れ時々曇り 18/07 20%

D1 野麦峠  93km +2342 -2643 0555-1720
D2 楢峠  111km +1460 -2066 0557-1721 
D3 有峰林道  118km +3368 -3178 0557-1716 
Total 322km +7170 -7887

D1 藪原駅
~境峠 14.5 +625 -57
~野麦峠 17.4 +700 -529
~美女街道展望台 45.1 +1277 -2209
~ホテル 20.8 +383 -497

D2 ルートイングランティア飛騨高山 0577-32-0100
~すき家 6.0 +50 -114
~楢峠 34.8 +1127 -458
~二ツ屋峠 2.7 +86 -53
~越中八尾観光会館 37.5 +242 -1391
~イタイイタイ病資料館 11.1 +36 -120
~富岩運河公園 10.1 +36 -60
~スパ・アルプス 5.2 +31 -18

D2 スパ・アルプス 076-491-5510
~林道料金所 23.4 +480 -69
~有峰湖展望台  13.3 +1170 -497
~飛越トンネル 20.4 +918 -557
~りょうし食堂 13.0 +101 -661
~カミオカラボ 18.7 +500 -943

ルートガイド

今回準備したルートはこれ

・楢峠は岐阜側からのアプローチがベター
 ロードバイクは耐パンク性の高いタイヤが必要
・有峰の岐阜側はオススメしない。
 神岡~猪谷までの41号がデスロード
 小川口線で上り、小見線でさっと降りてくる富山発着ルートが現実的かな。ただ地元のサイクリストはゼロだった。もっと良いコースあるかもね

旅のアルバム


奈川からの野麦峠アプローチ。しずかなブナ林を淡々と登る
ホントはここからは見えないが飛騨を望む政井みねさんの像
資料館にあった写真はずごい美人だ。


野麦峠冬季シェルター


この装備で厳冬期の野麦峠越えは無理じゃね。当時の感覚ではどうなんだろう


お助け小屋


ノスタルジックな校舎


富山の街は観光客がおらず落ち着いた住みやすそうなところだった
豪雪地帯御用達、有峰林道の駒止め。ほんとヤバイとこでは怖くて撮影ができない


有峰ダム、堰堤が林道の一部になっている
どど~んと薬師岳
6時間登ってたどり着いた

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