見出し画像

Muirwoods29でちょい乗りから100マイルのロングライドまで

2021年8月。8年間、28,000キロ連れ添ってきたCannondale Trail7の老朽化がひどくなり調整してもフォークのジャダリングが解消せず、安心、安全なサイクリングに自身が持てなくなってきたこと、スペアパーツの入手性とコストを考えて次世代機の選定を開始した。割とヤマへ行っていたので機材への負荷が大きい乗り方をしていたのでいろいろガタくるよね


なぜクロスバイクなのか?

MTBは登山、トレランブームもあり貴重なダートトレイルでもなんかのんびり出来ず走る場所が限られてきたし気を使う、専用ゲレンデはアプローチでトランポ必須でなんだかなぁ。また原則トレイル情報は公開されないので知っている場所しか行けないし飽きも来る。要はマウンテンバイクを気軽に楽しめる場所がない。俺はMTB卒業を決めた

じゃ、ロード?うーむ。ロードの良さはあるんだけど、高価に見られて駐輪には気を使うし室内保管?ちょい乗りには敷居が高い気がする。取り回しが悪そうなんだよね

それなら、英語ではハイブリットと呼ばれているクロスバイクがいいんじゃね?次世代機選定のためMTB寄りのクロスバイクの候補を並べジオメトリ、コンポなどスペックを見比べニアニアしていた

次世代機選定要件

1) 外置き保管 → 盗難が怖いので6~7万円のエントリーグレード
2) 走る場所 → 生活の足+週末のお楽しみ コンビニとか近所のスーパーへの買い出し。朝や週末のお楽しみライドに、基本舗装路、河川敷とかあぜ道とかの砂利道や未舗装林道も行きたいよね。シングルトレイルは景色や状態のいいところをたまには行きたい程度。テクや速さよりも景色や季節を感じてのんびり風を切りたい。サイコンはもういらないや。運用範囲は0~100マイル
3) 輪行したい → QR必須、ブレーキは機械式でもいいと思ってたけどやっぱ油圧は楽だわ。スタンドはあったら便利だけど月1回行くか行かないかだけど輪行時は邪魔だよね
4) グループセット → 信者のためシマノ成分多めが嬉しい。信頼性重視。ギアは1x8が理想だ。フロントシングルがいいね。チェーンの信頼性とメンテナンスのシビアさを考えると10速以上はいらないなぁ。使ってたけど
5) フォーク → 重さとメンテを考えるとリジッドでもいいかな?でリジッドに乗ってみたら安モノサスでも効いていたんだなと言うことが分かった。リジッドは抜重がダルい

並べてみたもののなかなか実車にたどりつけず、入手性の良さもありGiantのGravierに心が傾きかけていたところ、MarinのMuirwood29(2018)を21/08/22中古にて入手した。中古って一期一会の運だねと思った

Muirwood29(2018)

バイクの状態を見ると前オーナーはスポーツバイクとしての興味はなさそうでギアなどの摩耗が少ないというかあまり乗っていない。2018年モデルは安心のシマノM315油圧ブレーキが装備されていて初期装備が結構うまくまとまられていて手を加えるところは少ない

カスタマイズ

グリップをエルゴンGP2へ、ペダルをシマノPD-A530片面SPDペダル。フラペで行こうかと思ったがやっぱりヒルクライムやロングライドだとSPDペダルのほうが良いね。パワーがキチンと伝わるって感じがする。でもフラペの気楽さもまた捨てがたい。ちょい乗りから本格ライドまで守備範囲が広い。これはアタリだ

あとは近代化改修としてフロントシングル化。フロントディレイラーを取り外し中華激安チェーンリングに換装。中華?ぷっ。とか思っていたがチェーン落ちはなく、耐久性もあり中華恐るべしの認識に変わった。フロントシングル化に伴いシングルチェーンリング50gに対し、もともとついていたチェーンリング3枚、420g。シフターとケーブル140g。フロントディレイラー195gで約700gの削減ができた

タイヤは初期装備のシュワルベシチズンが手に入らないのでマラソンへ。チェーンリングは32tの乙女仕様に変更し、基本的には低速山岳向けのチューンナップ。クロスバイクでスピード番長張っても仕方なしかつ、のんびりライド楽しみたいし、なによりスピードが出せないのは安全面でもいいよね。若干もっさり感のあるフィットネスバイクに仕上がったよ。これで山岳ステージや100マイルのロングライドまで一台で幅広く楽しめる汎用性がいい

ワインのように自転車は発売年度によって当たり外れがある。たいていパーツのグレードやメーカーが悪くなっていく。たまたま僕がゲットした2018年産はアタリだ。後々のパーツ交換やアップグレードのため初期スペックを保存しておくことは非常に重要

近代化改修と激安チェーンリング

今の価値観からすると2018年モデルのフロント3枚は見た目が野暮ったい。本来コストとギアレンジの広さで最も優れたコンポなんだけどフロントシングルのシンプルさ(見た目、操作、メンテ)のほうが勝ってるね。もうフロント3枚に戻そうとは思わない

アマゾンでポチッといた中華チェーンリングが到着。中国郵政のサイトで貨物追跡したら深セン→上海港→船便→川崎港→名古屋と長旅を経て我が手に。秋の夜長、ストロングゼロを飲みながら、早速開封して愛でる

t=4mmの7075合金のアルミ板をCNC切削加工、アルマイト処理してスクリーン印刷で仕上げ競合品の3~10分の1の激安価格でビビってたけど外観観察した感じなかなか悪くないぞ。美しいアルマイト仕上げに、でんでん虫のロゴの印刷が意外とクール。のんびり行こうぜ

今回の近代化改修にあたりフロントシングル化部材の選定候補は以下の通り、我がシマノは規格が合わず取り付け不可能

・SHIMANO(シマノ) SM-CRM70 チェーンリング ISMCRM70A ¥3342

 (ただしPCDが96で取り付け不可能)

人気かつ無難なところでいうとアメリカの2社
・Wolfteeth(米)104 BCD Chainrings ¥8400
・Raceface(米)1x Chainring 104 BCD  $45

今までの価値観からするととりあえずRacefaceをポチッておく、ただ今回俺様の中古自転車のクランクXCR-6 9Sの規格が不明でギアは溶接だから交換できませんと複数のサイトに書いてあるが現物見ると交換できそう。わざわざこれを手間ひまかけて溶接する?でも実際ばらしてみないとわからん。ただ確認のためにバラすのはめんどい。使えるかどうかわからないものに5000円以上するものを買うのはこのご時世正直不安だ

アマゾンをさまよいレビューを読みつつ、通常ならプッっと見向きもしない中華パーツをポチってみた

そして11日かけて遠路はるばる中国から届いた。ニュースで世界的に物流が滞っていると聞いていたけど普通の日数でついた感じだね

現物を見て理解したよ。フロントシングルに高価なチェーンリングは不要だ。なぜなら変速性能というのが必要なく、チェーン落ちしなければよいというのが求められる機能だ。チェーンの規格は決まっているから寸法さえだせてしまえばそんな難しい技術は必要ないローテク部品。もちろん最初に思いついたアイデアには敬意を払う必要があるが

そしてCNC切削加工って要はデジタル制御、機械にアルミの板をセットしてスタートボタンを押せばあとはプログラム通りに機械が自動的に削ってくれる。金型職人の技とかメンドクサイアナログ的なものは必要ない。誰が作っても同じものができる、それをアルマイト処理してスクリーン印刷で外見を仕上げるだけのシンプルな工程

素材の7075アルミ板がバッタ物の可能性あるが、資金力が必要な装置産業である圧延メーカーが今の時代わざわざ粗悪な薄利な安物を生産するよりキチンとしたものを利益をとって製造したほうがもうかるよね。つうことでまがい物の可能性は少ないと信じる

現物確認結果、製造工程は以下の通りと想定

①世界シェア5割を超える中国のスメルターでアルミインゴット製造
②圧延メーカーで味付けして添加物を加え7075合金のアルミ板をこしらえる
③商社を何社か経て村の金物屋さんの店頭在庫に並ぶ
④BtoBの薄利多売で儲けの出ない青色吐息の金属加工業者が副業でBtoCのアルミ加工製品を始める
⑤村のプレス屋さんに発注してアルミ板を円盤状にくりぬいてもらう。専門用語ではサークルという
⑥村の工場のCNC切削加工機にサークル(専門用語ではワークという)をセットしてあとはお茶でも飲みながら加工が終わるのを待つ。数分で終わるレベルなのであっちっち
⑦アルマイト処理してあとはスクリーン印刷し、紙でできたパッケージに封入して一丁上がり。パッケージの裏の英語のウリ文句もしくは説明文が支離滅裂で何いいたいのかよくわからん
⑧工場出荷価格200~300円

こうして俺の手元に届いたチェーンリング、木曜日に届くということは週末使ってねという神の啓示。早速夜なべして組付け作業に入る。7年前に一回だけ使って道具箱の肥やしになっていたコッタレス抜きをとりだし右クランクを外す。チェーンリングボルトを回してみると普通のやつで溶接していない。やったー!

ボルトを8つ緩めるだけの簡単なお仕事で3枚チェーンリングの取り外しに成功。ポチったシングルチェーンリングをクランクに合わせてみる。アウター側にはぴったりフィットするのだが、ミドル側には内径が干渉して取り付け不可能。レビューを見ているとやっぱり同じ症状の人がいてクランクを削って取り付けたとのフィードバックが数件あった。悩んだけど僕はリングの方を削ろう

いろいろなめるように観察結果、ヤスリでリングを約1mm削ることとした。グラインダーがあれば3分で終わるのに100番の紙やすりを大量に消費して脱獄犯のように根気よく削っていき約3時間かけてなんとか取り付けることに成功。チェーンリングボルトはもともとついていた鉄製のL=7mmのものアルミボルトを買おうか悩んだが破断が怖いのでやっぱ鉄にした。軽音楽を流しながらこみこみ5時間位かけてようやく完成。お試しで乗ってみたがなかなか良い

フロントシングル化に伴いシングルチェーンリング50gに対し、もともとついていたチェーンリング3枚、420g。シフターとケーブル140g。フロントディレイラー195gで約700gの削減ができた。なんかいいなぁ

翌朝、平和公園へ試し乗りへ。シンプルで良し。ロー最大だとチェーンがちょっとカリカリ感残るが、これはしゃーないかな。走っているうちに馴染むかも?そして週末TOJいなべコースを含むいきなり約100キロのフィールドテストを実施。カリカリ感も馴染んできたかな?ほぼ違和感ないね。チェーンをカットせずにそのままの長さにしておいたけどトップ側でもチェーン脱落の雰囲気がまったくない。チェーンを詰めすぎてパツンパツンにしすぎるのも怖いしロー側でのカリカリ感が出そうなのでとりあえずそのままにしておこう

シングル化でのギア比計算

ギア比はちょっと乙女側に寄せて34tx12/36tの山岳仕様のフロントシングル化の結果、体感的にギアがロー側に2枚、トップ側に1枚ほど足りない感じはするけどまぁいいや。1x12くらいがちょうど良さそうだというのが理解できたよ

ギア比を計算した。この34tが現在の構成(ギア比0.94-2.83)

これがオリジナルの3枚ギアの構成(0.72-4.00)
ギア比だけでいうとトップ側に3枚、ロー側に2枚なくなったということ。クロモリクロスバイクだしあまりスピード出すことがないから今のままでいいかな?

ぼくのかんがえたさいきょうのじてんしゃ

結局バニラからの以下の変更・追加を行い近代化改修は一旦終了。
・Ergon GP2グリップ(旧機材からの使いまわし2018年7月購入)

・シマノPD-A530片面SPDペダル(メルカリでゲット)
・Mutte 34tフロントシングル化
・GENTOS(ジェントス) 閃 355 【明るさ100ルーメン/実用点灯10時間】 SG-355B(旧機材からの使いまわし)

とにかくこれで10年戦えるバイクの近代化改修に成功だ。後は油圧ブレーキを左前に変更すれば僕の考えた最強のバイクは完成だけどメンドクサイので今度にしよう

自転車ブランド、マリンバイクについて調べてみた

マリンバイクって正直聞いたことあるようなないような微妙なブランド。ちょっと調べてみた

Marin Mountain Bikes, Inc.社はマウンテンバイク発祥の地カリフォルニア州マリン郡で1986年に創業。ダン&ブラッドストリートレポートによると、従業員20名、売上高828万ドル(約9億円)の企業だ。意外と小っさ

まぁ35年間大手傘下に吸収されることもなく独立独歩でやってこれたのは大したものだ

本社の位置はゴールデンゲートブリッジ北側のマリン郡からすぐ北のペタルーマ村だ。マリンバイクの製品名はマウンテンバイクの聖地タマルパイス山を中心にマリン郡の村々の名前から取られている。多分当時の自転車仲間の出身地とか住んでいたとかいい加減なノリなんだろう。テキトーでも格好いいんだが。見つけた地名にピンを刺しておいたよ

会社ってどんな感じかグーグル先生で覗いてみた。貸事務所兼倉庫に入居している感じだね。ま、20人の会社だから小さな事務所に後は在庫保管用の倉庫ってな感じかな?当然自転車を量産する感じではないのでどうやっているんだろと興味が深まっていく

そういえば自転車にMade in Indonesiaというステッカーが張ってあった。これを手がかりにOEM生産会社を発見した

インドネシアのインセラ社だ。従業員1000人、年間75万台を生産するなかなかの規模。マリンバイクだけでなくコナ、スコットへも供給しているようだ

ちょっと調べてみると自転車ビジネスへの参入は意外と簡単。ギュッと濃縮してしまえばブランド・製品企画・デザインと色・ウリを考えて、1000万円ほど資金かき集めて下請けに発注するだけの簡単なお仕事。コネがなければまずは台湾国際自転車見本市へ飛ぶべし

ベトナム旅行でママチャリに感銘を受けて会社辞めて自分で売り出したマンハッタン・バイクのお話が興味深い

この話もおもしろい、英語なのが若干だるいがコピペしてグーグル翻訳でななめ読みでも参考になる

これなんか、自分の考えた自転車ブランドを売り出したいと現金握って台湾に行ったというお話。

なので自転車業界は、大手を除くと作り手と売り手の分業体制になっているようだ。如何に売れる自転車を考えて品質管理とカスタマーサポートに力を入れて販路を広げていくかというのが勝負どころのようだ

調べこんでいくと大阪のファンファンシーという卸問屋と住所が同じ。多分ここが代理店やっていた経緯から、日本法人をここに登記したんだろうね。株式会社MARIN BIKES JAPANは2018年10月15日に登記。従業員数や売上は全くわからん。ネットで調べると2019年1月9日に登記されたMARIN MOUNTAIN BIKES UK LTDの売上高は124万ドル従業員5人だから似たりよったりだろう。そうすっと販売台数は年間3~4千台ってところなのかなぁ

今まではキャノンデール信者でレフティとかヘッドショックとかを世に問うてきたトンガッた高性能な技術メーカーとして惚れていた。そういう時代もあったが時がたつにつれライドの指向性はリクリエーション&フィットネスと変わってきた

そんなアンニュイな今日このごろ、日本ではファッションバイクとして売り込んでいてルイガノ的にガチ勢からはプッとなりそうな危険な香りもしないことないが、もうトライアスロンとかレースとか出るわけでもないしサイクルコンピューターも外して数字に追われずのんびり走りたい。そんなスロー&イージー勢も取り込めるニッチな商品ラインナップができるメーカーだ。リーズナブルなエントリーレベルの価格帯中心で値段の割にパーツのグレード頑張っていてツウな商品企画で今後もぜひ頑張ってほしい

マリンバイクの販売店&オーナーズマニュアル見っけ!

販売店マニュアルみっけた。公式ホームページにも載せておいていただきたいくらい楽しい読み物だね

194-195ページが我がミュアウッズが掲載されている。まさに街乗りMTBという売り方。おすすめの使い方はカレッジへの通学。コンクリートジャングルで、スーパーに買い物や授業に行くために、縁石飛び越えたり公園横切ったりできるぜ。店員の通勤にもどうぞ、普段乗りのスリックタイヤ履かせたMTBだ!

僕はスーパーヤマナカへ特売のお酒を買いに行ったり、ゼイゼイ言いながら三国山をヒルクライムとか、大都会ナゴヤを格好良く疾走するのだ!

144-145にはチョー気になるニカシオが掲載。全天候型長距離通勤可能なアドベンチャーロード&オフロード。どんな路面でもモーマンタイ。650Bx47mmと700Cx30-40mmのホイール対応したクリモリフレームが渋いぜ

しれっと700Cも履けるという大事な情報載っているぞ!

うーん、なんか閲覧禁止になっている。なぜだろ?

Marin Bikes Dealer Book で検索してみてね。タイミング良ければ閲覧できるかも?

オーナーズマニュアル直リン

定番のお約束しか乗っていない退屈なマニュアルだが、重要な情報は体重制限。アメリカメーカーらしく安心の136kgまでオーケー!

いいなと思ったら応援しよう!