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【2024年7月1日】「思い残し」はあったほうがいい

 この週末に行こう、と思っていた場所があった。

 僕は生まれてからずっと北海道内に住んでるので、今迄に北海道内の色んなところに行った。遊びに行ったり、仕事で行ったり、特に目的なく遠出したり、自動車でドライブしたり、JRに乗ったり、自転車で一人旅したり、色んなところに行った。
 入院中にそんなことを漠然と思い出している中で、まだ行ったことがなくていつか行きたいと思うところがまだ残っていた。

 この週末に、遂にそこに行こうと思っていた。

 でも、不意にある気持ちが湧いてきた。

 行きたいところに全て行き終わったら、僕は死んでしまうんじゃないか。

 一度そう思ってしまったら、なんだか急に怖くなってきた。
 まさか本当に死にはしないだろうと思う。でも、そう思ってしまったらその気持ちが消えなくなってしまった。怖い。行くのが怖い。
 行きたいところに全て行き終わって思い残すことが何も無くなったら、僕は死ぬことに躊躇なくなってしまうかも知れない。いやまさかね。そんなことないだろう。でもまさかね。
 具体的な根拠や理由はない。でも怖い。もうどうしようもない。

 だから、この週末にそこに行くのは辞めた。そこに行く為に色んなことを調べて色んな準備をしていたけど、だけど辞めた。

 僕はまだそこへは行かない。
 ちょっとした「思い残し」はあったほうがいいかもしれない。

 そこへ行くことが僕の「生きる理由」にはならない。そこまで凄い場所ではない。そこまで重大なことではない。ただ、ちょっとした楽しみにはなっている。
 大きな楽しみではなくても、「思い残し」が今後のちょっとした楽しみになれば、それが「動く理由」にはなる。「生きる理由」にはならなくても「動く理由」にはなる。動き続けていれば、生きていられる。

 いつかこの「思い残し」が関係ないくらい大きな「生きる理由」が出来た時に、その場所へ必ず行こう。その日を楽しみにしよう。

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