困った癖を愛そう。
誰にだってちょっとした困った癖ってある。
私のノートの右のページの文字はいつだって右斜めに上がっている。
真っ直ぐに線が引けへんから真っ直ぐに文字を書くもの苦手。
罫線のない紙に書くときは、人に見られた時のことを考えて真っ直ぐ書かなくてはと少し緊張する。
大人になって文字を書く機会って「ほぼ日手帳」くらいしかないんやけど手帳サイズで厚みとかあると、右手が安定しなくて文字がグラグラで「な」のバランスとか最悪。
でもノートに斜めに書く方が楽っていうのは、クラスでもきっと8人くらいいる割とポピュラーな少数派たち。
ポピュラーな小数派の一番の醍醐味は「わかるー!!!」ってなった瞬間ちょっと安心して幸せな気持ちになっちゃうところだったりする。
大人同士の友人未満の人たちともっとこういう話をしてみたいなぁと思う。
文具を見ていたらついに一人でも友達みたいに共感しあえるノートを見つけました。
最初はどういうこと???斜めに書く人をまっすぐ書かせるために矯正させるノートなん?
と思ったら、違いましたよ。
罫線が斜め45度にバーン!!!って引いてある。これでもか!!てくらい斜めにね。
私にはこのノートを開発してくれた企画者の方の
「きみの斜めに書く癖は一人じゃないんやで。ノートくらい自由に書きたいやんなぁ」
って声がリアルに聞こえてきた。
だれかにぎゅーって抱きしめてもらうみたいに暖かい気持ちにしてくれた。
ほんまにありがとー!!!!!
ってこんな所でいってもきっと伝わらないと思うから後でお客様センターへメールしようっと。
私は後半年で三十路になる。
子供じゃないけどたった一冊のノートと出会っただけで、こんなに幸せでワクワクした気持ちになった。
困った癖そのものはなーんにも悪くないのに私の場合はこんな言葉たちの積み重ねが「私なんて」を作っていく。
「もうみんな出来てるよ?なんでそんなこともできひんの?」
「マリちゃんのツとシの違い全然わからへん。なんでみんなみたいにカタカナも上手に書けないの?」
コピー用紙の積み重ねみたいに「周りの人みたいにちゃんとやらなあかん」って気持ちばかりが空回りして、結局何が原因か分からないままに
「自信がない人」になっていく。
自分の自身の問題やのに、いつだって姿のみえない基準になる人と比べては苦しんでいる。
重なったコピー用紙を一枚づつもう一度めくってみて、
「これって実は私のおもしろいところちゃう?」
「こんな風に生かしたらおもしろいかも?ワクワクするかも!!」ってひたすらに自分に問いかけて見つめ直すしか姿のみえない人との比較大戦争はおわらない。
でもこんなことって気持ちが元気な時にしかなかなか出来ない。
いつだってハッピーなわけじゃないし、どうしようもなく自信がなくなる時だってある。
友達に励ましてもらうのだって申し訳ない気持ちの時だってある。
そんなときは私はこれから少数派のための商品を探そうと思う。
きっとその商品は誰かが困った癖と戦って、考えまくって、人に認めてもらってようやく商品として並んでいる愛の塊だと思うから。
そんな風にもがいて作られた商品から私もまたがんばろうって勇気をもらうのだ。
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