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7インチ盤専門店雑記704「ホセ・ジェイムズの12インチ」

今から20年ほど前、2000年代のある時期まで、自分はジャイルズ・ピーターソンの発する情報は隈なくチェックしておりましたし、関連音源をディグすることが楽しくて、それなりに時間を割いておりました。2006年に彼がBrownswood Recordingsを立ち上げた頃はもう盲目的に関連する音源は全て聴いておりました。そんなわけで、今をときめくホセ・ジェイムズも、ブルーノート入りする前から夢中になって聴いておりました。Brownswoodからメジャー・デビューとなる2008年の「The Dreamer」と、次作09年の「Blackmagic」のことですね。2012年にブルーノートから「No Beginning No End」が出た頃は、自分が既に病人だったため、音楽を聴く時間はタップリあったものの、以前ほどの熱量を持ち合わせておらず、客観的に観察するような聴き方になっておりました。聴き方そのものが変わってしまったようです。

そんな時期の名残りのような12インチ盤が出てきました。12インチ・シングルは背がLPほど幅がないので、LPと一緒にレコード・ラックに並べて保管すると、見失ってしまうことがよくあるのです。

見つけた12インチ盤は3枚、ヘッダー写真の2枚に加えて、 ↑ これです。1stから「Park Bench People」、SideBは「Visions Of Violet」というFlyIng Lotus とのコラボです。このファースト「The Dreamer」渋いホセ・ジェイムズのヴォーカルもいいのですが、ピアノが日本人ジャズ・ピアニストNori Ochiaiさんとジュニア・マンスの2人がクレジットされているんです。もうこれだけでも興味津々、どういう人選なのかも考えながら楽しめます。「Park Bench People」は、Freestyle Fellowshipというヒップホップ・グループのカヴァーですが、一応歌詞の内容も分かるようにヴィデオクリップの方もリンクを載せておきます。

さて、セカンドからの2枚、「Blackmagic」と「Warrior」、カップリングは同曲のリミックスですが、こういう12インチ・シングルがこの当時、簡単に手に入らず、結局Amazonで購入したものです。オリジナル・アルバムの方はとうとう手に入らずじまいです。この時期アナログレコードはまだ完全復活とは言えませんでしたから、12インチ・シングルは貴重でした。

ところで、ホセ・ジェイムズ氏、2018年頃にRainbow Blondeというご自身のレーベルを立ち上げ、何をしたかというと、Brownswood時代の音源の権利を買戻したんですね。そしてファーストなどの10thアニヴァーサリー・エディションをリリースしたりしているんですと。Brownswoodの流通力にご不満でしたかね。10thはAmazonでも買えますが、オリジナル・リリースはいまだに手に入りません。無理なんですかね。まあそうなると、この12インチも結構貴重な盤ということになりますが、オークションでは結構お安く流通しております。理由はよくわかりません。日本ではいまでも結構な人気なのですが、ブルーノートから離れたあたりで、少し陰が見え始めましたかね…。


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