7インチ盤専門店雑記709「リチャード・マークスの7インチ盤は…」
デビューが1987年頃だと、アナログレコードで聴くことが難しいアーティストということになります。88年デビューなら諦めもつくかもしれません。87年なら初期の音源はアナログレコードがあるはずですからね。リチャード・マークスもちょうどアナログレコードの末期に出てきましたから、普通以上に頑張らないとアナログでは聴けません。
如何せんデビュー・シングル、「ドント・ミー・ナッシング」がいきなりビルボードのヒット・チャートの3位です。大ヒットだけにこの曲のシングル盤は手に入るかと思うと、そこがやはり甘いということになるわけで、なかなかのレア盤です。私も見本盤しか目にしたことがありません。
続く「シュドヴ・ノウン・ベター」も3位、「エンドレス・サマー・ナイツ」は2位、88年に入って、「ホールド・オン・トゥ・ザ・ナイツ」で1位になってしまいました。もの凄いスタートダッシュでしたね。MVも無難でちょいと記憶に刷り込まれるか疑問ではありますが、よく耳にはしました。ちなみに2ndと3rdシングルは通常盤です。何度も書いていることですが、この時期、ヘタすると通常盤の方が出回っている枚数が少ないように思います。個人的な印象では相当な貴重盤です。
89年のセカンド・アルバムも大ヒット、ナンバーワン・シングルが続きますが、さすがに通常盤は見たこともありません。見本盤はものによって手に入りました。結構昔に入手したものです。今なら凄いお値段になっていると思いますが、お安く入手しておきました。マンハッタンの9マスのロゴやレーベル・デザインがシンプルで何だか好きなんです。
ところが「ライト・ヒア・ウェイティング」はEMI USAのシンプルなデザインでの白レーベルで、ちょいと残念だったりします。
面白い盤が一枚あります。来日記念でプレゼント企画でもあったのでしょう、見本盤ではないけれど非売品ということが書いてあります。…ただでさえ、アナログの時代が終わろうとしているタイミングで、スペシャル・プレゼントになりますかねぇ?ただ記憶では、この時期ライヴ音源を収録した7インチ盤のプレゼント企画って多かったように思うんです。
しかも、コレ、「シュドヴ・ノウン・ベター」と「ドント・ミーン・ナッシング」の豪華カップリングですからねぇ…。どのタイミングでの企画かは分かりませんが、普通どちらかですよね。大ヒット曲どうしのカップリングは太っ腹ですね。
…面白いのはそこではなくて、収録時間なんです。「シュドヴ・ノウン・ベター」の5分8秒はまだしも、「ドント・ミーン・ナッシング」は8分36秒もあるんです。念の為申し上げますが、45回転です。入るものなんですね。…しかも大ヒット曲のライヴをこんなにフルフルで。気前よすぎですよね。ジャパン・マネーのなせる業なんですかね。
実はギター中心に聴く私は、それほど好んで聴いたアーティストではないのですが、イーグルスの面々がバックアップしていたり、結構クレジット・オタクにはたまらないアーティストだったりします。今さらですが、アナログで聴きたいと思わせる音源です。