7インチ盤専門店雑記717「疲れたときに聴く曲」
疲れたときに聴く曲ってありませんか?私の場合はコーギスの「永遠の想い Everybody's Got To Learn Sometime」が筆頭候補です。もちろん肉体的に疲れたときは寝るに限りますが、精神的に疲れたとき、曲でも聴きながらいろいろ考え事でもしたいようなときに使える曲があるのはいいことです。
ヘッダー写真は7インチ盤の日英ですが、それ以外にスリーヴレスの盤がもう一枚、これが妙にいい音で鳴ります。リアルタイムでLPは購入しておりましたが、7インチ盤に関してはこれを最初に手に入れたので、恐らく聴き馴染んだ音なんだと思います。
アルバムのジャケットが何年経っても好きになれないのですが、シングルの方のスリーヴは、何とも言えずヘンではありますが、好きですね。レーベルもなかなかに可愛くデザインされております。何だか愛おしい盤といったところです。
この曲は随分多くのカヴァーを生んでおります。どれもいいなとは思いますが、とりわけいいなと思うのが、ベックのカヴァーです。2004年の映画「エターナル・サンシャイン Eternal Sunshine of The Spotless Mind」に提供された曲ということですが、ヴィデオも曲に合っていていい感じです。
もう一つ、おフランスのポンプラムースも歌っておりますね。この人たち、何気に好きで以前に紹介する記事も書いたと思いますが、アルバム等を出さない人たちなので、YouTubeで楽しむしかありません。この曲のカヴァーはまあまあですかね。オリジナルやベック・ヴァージョンがちょいとよ過ぎですね。
疲れたときにこの曲を聴きたくなるというのはどういう精神構造かと思わなくもないのですが、まあたった一回の人生である程度の年齢になり、開き直りも出てきておりますから、これでいいんだという感覚だと思いますけどね。唯我独尊、吾唯足知…。
ここのところ、MやLipps Inc.といったシンセ・ポップについて書いておりますが、さすがに古びたというか、あの時代だからこそといったものを感じて、40年後にどう思われようが知ったこっちゃないなと思い始めたわけです。コーギスも同時代的なシンセ・ポップ・バンドですが、この人たちの音はあまり古びてこない気がしております。贔屓目かも知れませんがね。音数を極限まで削ぎ落した結果、不変性が出てきたのかとも思います。疲れたなら疲れたなりに楽しいことを見つけて、そこに集中するのが時間を無駄にしなくて済む最善策かと思うわけです。