保育園留学 in 南魚沼市
保育園留学というプログラムで、1月の真冬の時期に、南魚沼市に2週間滞在することになりました。子どもを現地の保育園に通わせながら親は仕事ができるというワーケーションのプログラムで、その地域に滞在することで地方創生にもつながるプログラムです。子どもをのびのびと育てたい、と思って首都圏から福岡市に引越してきてまだ1年経たないけれど、一度引越ししたことでフットワークが軽くなり、友人にこのプログラムを教えてもらってすぐ「行きたい!」と思って申し込むことにしました。
雪景色をほとんど見たことのない子どもたちと雪国の暮らしを体験してみたい、と思って南魚沼へのプログラムに応募。毎日の外遊びが雪遊びと聞いたので子どものスノーウェアなど持っていないものは一式購入する必要があったり、天気予報を見ながら雪国での運転を心配したりと準備はいろいろと必要だったけれど、来てみて毎日とても楽しく過ごしています。
保育園留学、基本的には日曜チェックインの土曜チェックアウトなので現地入りして翌日の月曜日から登園開始、となるのですが、私たちはめいっぱい遊びたかったので土曜日に到着し、次の月曜もたまたま祝日だったので留学開始前に3日間の連休がありました。というわけで最初の数日は留学前のただの旅行日記ですが、忘れないうちに旅の記録を。
Day 1 新潟空港からレンタカーで出発
私たちは新潟空港経由で行くことにしました。空港を出てすぐ、雪が積もらないように縦向きになっている信号機が新鮮で新鮮で。旅の醍醐味は「これが名物だよ」と教えてもらって嗜むその土地ならではのものはもとより、予期していなかった新発見、自分の当たり前が覆される瞬間みたいなところにあると思っていて(私がこの話をするときにいつも出すエピソードは、「オーストラリアで一番感動したのは南十字星を見たことではなくてオリオン座が上下逆に見えたこと」で、その時の感動がずっと忘れられない)、初日からそんな体験をしてとてもワクワクしました!
冬季は白鳥の渡来時期なので白鳥が見たいなと思いいくつかスポットを調べたけれど、見頃は早朝か夕方ということでうまい具合に時間帯が合わず断念。初日は新潟南にあるモーテルで一泊する予定だったのでそのままモーテルへ行きました。
Day 2 新潟の名産、下調べ
モーテルで朝ごはんを食べて、道の駅「新潟ふるさと村」へ。中学校のときの先輩が新潟に住んでいるので連絡してみたら会えることになり、久しぶりに再会して、笹だんご、ぽっぽ焼き、柿の種、ル・レクチェなどご当地のものをいろいろと教えてもらいました。新潟の保育園ではおやつに亀田製菓のサラダホープが出るんだよ、等の現地ならでは情報なども。そういえば後に訪れた自然食品の店では乾燥させた笹の葉っぱも売っていました。道の駅なんかで乾物をよく買うけれど笹の葉っぱは見たことがないので、ここでは家庭でも笹団子を作るのかな?
ぽっぽ焼きはもっちりした熱々の蒸しパンみたいなもので、黒糖の味が美味しい素朴なおやつ。10本単位で売っていて、お祭りのときに新潟の人は30本とかたくさん買ってみんなパクパク食べるんだと先輩が教えてくれました。旅先での食体験って、大人は珍味を味わいたくて子どもにとってはポカーンなことも多いけど、ぽっぽ焼きは子どもも大喜びでした。あのとき食べたあのおやつ、ってどこかで思い出してくれたら嬉しいなと思います。
その後北陸道から関越道に入って、いよいよ南魚沼方面へ。南下するにつれてどんどん雪深くなり、新潟市内とは全く違った景色になっていきました。夫の希望で越後妻有里山現代美術館、キナーレに立ち寄りました。本当は越後妻有アートトリエンナーレの時期に来たかったらしいけれどタイミングが合わなかったので、滞在期間中にいくつか常設の展示を見に行けたらなあと思います。
この日宿泊施設にチェックインすると、保育園留学参加にあたって自治体からサプライズとのことで地元のお米、お酒、餅、野菜や椎茸などが冷蔵庫に用意されていました。前日がモーテル泊だったので食べそびれた七草粥を作りゆっくり休みました。
Day 3 清津峡渓谷と上越市の農場を訪れる旅
前日に引き続き夫の希望で「大地の芸術祭」の作品である清津峡渓谷トンネルの「Tunnel of Light」へ。トリエンナーレが終わり、冬の企画「SNOWART」が始まる前の時期だったのがちょうどよかったのか、現地はとても空いていてゆっくり見ることができました。
その後上越市まで2時間ほどドライブしました。今回の旅のもう一つの目的はここ7, 8年くらいお米を購入させていただいている秋山農場の秋山さんに会いにいくことでした。義理の母がこちらでお米をいただいているご縁でずっとお米やお餅、青豆などをいただいていて、二人の娘が初めて口にしたのもこちらのお米、分づき米についてや冬のお餅のおすすめの食べ方など、いつもいつも相談に乗っていただいていました。
もともと道の駅でその土地ならではの珍しい野菜を見つけて食べるのが好きだし、子どもが生まれてからは子どもに安心安全なものを食べさせたいと思うようになって、食を通じて生産者の方や地域とつながりたい、という思いがありました。お米と一緒に届けてくださるお便りや田んぼの風景などの写真を眺めながら、自分がいただいているものがこんなところで作られているんだ、いつか訪れてみたい、と思っていたのでついに念願が叶った!という思いでした。
農場といっても看板があるわけではないので、本当に厚かましくもお宅にお邪魔してお茶をいただきながらおしゃべりをして、いただいているお米でおにぎりまで握っていただいて‥と感無量でした。子どもたちも、最初は大人の会話に「なにはなしてるの?わかんない」などと言っていたのですが最後は秋山さんと一緒に地図を眺めておしゃべりをしていて、何か用意された娯楽がなくてもこんなふうにそこでの出会いを楽しんでくれるのは嬉しいことだなあ、と八女の旅を思い出しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?