名もなき文士の独り言 (要約:暇人の雑談) Ⅶ
もう随分と寒くなってきましたね。みなさん体調のほうはどうでしょうか?私は咳と鼻水がノンストップです。苦しいの何の。
そういうわけで今回も書いていきたいと思います。
ついでに、普段から小説とかいろいろ書いてるので、興味があれば是非。
①新人文学賞に応募したハナシ
私はつい先日、とある新人文学賞に応募を済ませてきました。今回はその話でもしようかと。
私が今まで応募してきた文学賞は全部で三つ。うち一つはすでに落選しています。まぁもっとも、今読み返せば「なんでこんなので応募しようと思ったんだ?」と疑問が湧くような駄作だったのですが。また、もう一つの賞に関してはどれに応募したのか忘れた始末です。入選するわけないだろうと思って調べないまま日々を過ごしています。
そして今回は、初めて郵便応募にしました。
今まではすべてインターネット応募で、原稿のPDFをフォームに貼り付けていたのですが、今回はそういきませんでした。私が応募した文学賞のインターネット応募は郵便応募よりも締め切りが早く、怠惰で自堕落な生活を送る私はしっかりと間に合わなかったのです。そういうわけで郵便応募に挑戦したのですね。
そして郵便応募を経験して一言。
「お金がかかり過ぎる!」
ざっと今回の費用を書くとこのような感じです。
・封筒代(10枚入りくらい)→約300円
・印刷代(だいたい70枚)→約1200円
・郵便代→約600円
合計は約2000円。高校生の寂しいお財布には、少し厳しい費用です。
印刷代にはいくらか覚悟があったのですが、一番驚いたのは郵便代。大きい封筒の郵便は高校の願書を出したとき以来で、そのときも5、600円かかっていたのを覚えていました。しかし願書の入った郵便よりもサイズが小さいこともあって、「高くても500円あれば十分でしょ」などと高を括っていました。しかし実際は500円をゆうに超え、大事に取ってあった千円札を手渡す羽目になったのでした。
インターネット応募があるのならば、なんとかして間に合わせようと思うのでした。
②最近見た映画のハナシ
前回の投稿からかれこれ1年くらい経つので、その間に色々映画を観てきました。流石に全部話すのは酷なので、いくつか掻い摘んでお話しします。
・七人の侍
私は普段邦画を見ないのですが、「世界の黒澤」を知らずに映画を語るのはいかがなものかということで観てみました。
黒澤監督の凄さを実感する作品で、素人目で見てもその技量を感じました。
私が感動させられたのは、カットの構図。まるで絵画のように、それぞれのキャラクターが効果的に見えるよう配置されているのです。一つの映画に幾つも格好良いカットがあり、とても印象に残っています。カットの美しさで感動したのは、今のところスタンリー・キューブリック監督と黒澤明監督の二人です。
白黒映画は今までチャップリン以外触れてこなかったため少し抵抗があったのですが、そんな杞憂も忘れ去るほど良い映画でした。話もとてもよく考えられており、武士と農民との考え方の違いや生活の差を感じさせられるようなセリフも多く、歴史の授業でしか習わなかった「武士と平民の格差」をよく知ることができました。そして菊千代がいい役をしています。彼が武士と平民とを繋ぐいい存在で、両者の関係をより強める素晴らしい人物です。
世界の黒澤、と呼ばれる所以を知る良い映画でした。まだ「椿三十郎」や「羅生門」、「隠し砦の三悪人」を観ていないので楽しみです。
・レナードの朝
とても感動的で、よく考えさせられる良い映画。これがノンフィクションであるという点にも驚かされましたね。
「嗜眠性脳炎」という起きているのに眠っているという病気を抱えた患者たちと、とある医者のお話です。この嗜眠性脳炎というのは第一次世界大戦時に流行した病で、今は滅多に見られないものです。この病気を抱えた患者と向き合い、ひたむきに回復を目指して奮闘するセイヤー医師とのお話がとても素晴らしい。
しかしその病気の回復で幸せになる人々の話がある一方で、投与される薬の効きが悪くなり少しずつ嗜眠性脳炎が姿を表すようになる話の展開もあります。個人的にここの下りでダニエル・キイス先生の「アルジャーノンに花束を」を想起させられましたね。
回復不可と考えられていた病気やその患者と一生懸命に向き合う医師、回復に感動する患者とその家族、病気が奪った何十年という人生の時間の重み、少しずつ戻ってくる病魔。感動する映画である一方、病気の恐ろしさや人々のことについて深く考えさせられる良い映画でした。
・ジョーカー:フォリ ア ドゥ
この間から公開された新作映画で、Jokerの続編にあたる映画です。
この作品については撮影が始まるくらいから幾らかの情報を目にしていたので、ミュージカル映画っぽくなるということは知っていました。おそらくこの点が今作の評価をあやふやにさせている要因かと。
私の父親はその情報を知らず、今作もJokerが恐ろしいことをして暴れ回るものだとばかり思って観に行ったようです。そのためか私と父親とでは感想が全く違いましたね。
前作から打って変わってJokerとアーサーの関係性や、しでかした罪とその後悔、社会の軋轢などを主に扱った本作。なぜJokerは生まれたのか、アーサーはどう狂ったのか、その理由は何なのか、そういった点を前作よりも深掘りしていた印象です。
今作で特に強調されるのはJokerとアーサーの存在についてです。彼らは一人の人物なのか、あるいは二人の別人格なのか。世間はアーサーを見ているのか、それともJokerを見ているのか。
そして先ほどから書いているミュージカル要素は、アーサーの心理的描写の役割を担っています。アーサーのもつ妄想疾患が視覚的に表現され、彼にとって現実がどう見えているのかを理解できたような気がします。前回の妄想が現実に酷似して見分けがつかなかったのに対し、今回はあからさまに妄想であることが分かるようになっているのも一つの点です。
しかしミュージカル映画である一方で、このシーンが良かった!と思えなかったのが一つ気がかりです。監督がどのような映画を求めていたかが重要だと思われます。あくまでアーサーの心理描写の一手法としてミュージカル要素を取り入れたのであれば、このような感想が出るのにも理解ができます。
総合してみると、今作は前作に比べ社会のあり方やJokerという存在がなんであるかを深掘りしており、かつアーサーという人物についても追求された作品であるということです。
まだこの作品を観ていない方は、本作がミュージカルチックであるという点を踏まえてご覧ください。
マトメ
カッと暑くて死んでしまいそうだった夏がようやく終わったと思えば、ここ数週間で一気に気温が下がってたまりませんね。ついこの間まで上着が必要でなかったのに、今では羽織っていないと薄寒いくらいです。私は夏以外の季節が大好きなので忌まわしい夏が過ぎ去ったのは嬉しい限りなのですが、こうにまで急に気温が変わっては身体が追いつきません。どれもこれも夏が伸びてるからですね。十月まで出しゃばってくるな、夏!
そういうわけでどんどん冬になっていく毎日ですが、みなさま体調にはくれぐれお気をつけて。
それでは、また次回。