【#3】いまのわたしを探す記録
「同棲しよう」
え・・・?
「どうしてそう思ったんですか?」
「いまのままじゃ、家事もままならないだろ。」
「そうですね。正直のところ、すこし甘えたい気持ちがあります。」
「そうしよう。」
でも、わたし、住む家には、
こだわりたい。
理由はある。
母が訪ねやすい家だと、
子離れできない状態で、
追いかけまわされるから。
彼には、奨学金の話もしなきゃ。
いままでの、家族の話もしておきたい。
世帯が一緒になるって、
先に話しておきたい事が、たくさん。
でも、彼は、約束の時間にこなかった。
次に会えた時は、
「実家の母が体調くずしちゃってさ・・・。」
といって、
いそいそと帰っていった。
わたしの伝えたい気持ち。
置き去りになった、抱えきれない気持ち。
当時、付き合っていた彼。
上手に、わたしから距離を置いて行った。
難しい話になると、上手く逃げた。
そっか。
わたし、あなたが思うような、「彼女」じゃなかったんだね。
健康じゃないと、「彼女」じゃないんだね。
わたしは、ややこしい女で、めんどくさいのか。
そうか、そうか。
それは、それは。
わたしから、お別れを言ってくれないと、
うつ病の彼女を置き去りにした、
酷い人になりますもんね。
お別れしましょう。
そうしましょう。
次の彼女には、軽々しく「同棲しよう」なんて、
言っちゃだめだよ。
わたしが初めての彼女で、よかったね。笑
もう、いい大人。結婚も視野に入れてたし、
職場のみんなにオープンにしていた彼。
それがいまは、ややこしい女で、めんどくさい人。
あんなに、「大丈夫だろ。」ってすかしてたのに、
わたしが「お別れ考えてます」と言ったら、
素直に、「病気が原因か?」と聞いてきた。
そんな訳ないだろう。
これは、男女の脳の作りが違うのだろうか。
なにか、お互いにすれ違ったかな、っていう話合いとか、
まだ付き合いたいとか、
わたしの内面を好きでいてくれた訳ではなかったんだ。
結果、
「わたしが、うつ病だから、治療に専念したい為に、彼を振った」
という確実なヒヤリングをされた。
なんという、賢さよ。
世渡り、というのは、こういう事を言うのかしら。
虚しさなんて、感じないのかしら。
3か月経って、わたしがどうしても
人でが必要になった時、
HELPを出した。
快く来てくれた。
でも、何かな。何だかな。
別れた後も、仲良しですよの関係。
きっと、わたしの腹の奥底では、
黒い物が渦巻いている。
「ひとの気持ちを置き去りに、
破局の原因は、ひとのせい。
自分は、それでも友人として支えている良い人」
あっそう。
すばらしい人生だこと。
すばらしい肩書だこと。
わたし、なにもの?
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