アニメの話 AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-
私はお色気というものがあまり好きではありません。男なので時には求めることもありますが、普段の生活とは少し離れたところでそうすることが多いです。
理由はいくつかありますが、一番は純粋な気持ちで物事を見たいから、でしょうか。お色気が不純だとか言うつもりはなく、私にとってはそうだという話なので間違いなく。
特にアニメにはその気持ちが強いです。所謂サービスシーンを見ても、今はそんな場合じゃないと、多少イラッとくることもあります。
最初からそういうつもりで見ているなら、そんなこともないんですけどね。千恋万花とか。
前置きはここまでに、本題に入りましょう。
今さっき見終わったアニメには、お色気要素がかなり強かったと思います。
しかし、普段より気になることは少なく、むしろ肯定的に取り込んでいました。この違いは設定の巧みさ(後述)が関係していると思います。
そんなアニメの名前は。
○AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-
放送は2016年。全13話。秋葉原を舞台にした、ボーイミーツガール物でした。
ボーイミーツガール物は割と好きで、ガンダムもXが一番好きです。
主人公はヒロインたちと結成した自警団として活動し、オタクあるあるを交えながらバグリモノと呼ばれるゾンビみたいにされた人たちを退治していく。
と、数行で説明できるあらすじを書けてしまうのは流石プロの物語ですね。素人が物語を綴ってもこうはいかない。
オタクあるあるというのは、この作品には本当に豊富で、それもギャグとして昇華されていて居心地が良い。
カードゲーム回では、カードプレイヤーたちの熱量と、カードを知らない観客の熱量のギャップが表され、一人で爆笑してしまいました。本人たちはノリノリで戦っているのに、外から見たら丁寧に確認を繰り返す地味な絵面だったり。
こういった要素は所謂オタク文化が浸透した現代ではまま見るようになりました。が、そもそもがオタクたちの話というだけあって、話題の入り方がずば抜けて自然です。
話の要素としては、バグリモノを倒すバトル物、主人公とヒロインのラブコメ、秋葉原での生活? の3つが主になっています。
1話完結でヴィランを倒していく、スーパー戦隊みたいな。このヴィランが中々悪人で、今現在も問題になっている事柄に結びついた悪事を働いています。転売とか。そうした現実との延長線に敵を感じられるのは、自分と近い世界を題材にしたアニメならではですね。
ヴィランとのバトルのルールも珍しいものでした。バグリモノの特性に関係しているのですが、衣服を脱がせることが勝利条件及び敗北条件になっています。
主人公チームは脱がせられるというより、ダメージを受けて衣服が破れていくことがほとんどでしたが、これがわかりやすかった。
受けたダメージが衣服に直接反映されているのですから、視覚的にピンチがわかる。衣服がHPゲージのような役割を果たしているわけですね。多少邪な気持ちもありましたが、そうやって設定に落とし込まれると、納得の方が大きかった。何より言い訳の余地がある。
まだまだ魅力は盛り沢山ですが、その中から1つ、私が特に熱を上げた点を知ってもらいたいと思います。
○ヒロインがめちゃめちゃかわいい
まず先ほどのビジュアルを見て貰えばわかると思うのですが、このヒロイン、ばーりかわいいです。
バットを持っていて見た目だけなら物騒ですが、パステルレッドの髪も併せて、アクの強い二次元キャラクターの中に埋もれづらい格好は目立って良い。服装はおしゃれなタイプではありませんが、ファッションに疎い私にはむしろ効果的。
特筆すべきは性格、というかキャラクター性ですね。秋葉原を好きでいながら、ゲームだなんだというサブカルチャーにはあまり興味がない。しかし理解は示しているために、ゲームなどの話題には独特の距離感で接していました。思うに、限りなく理想に近い一般人目線ではないかと感じました。露骨じゃない露骨さが好きなのです。オタクに優しいギャルってこんな感じなんだろうか?
色恋に関する性格は見た目に反して乙女であり、このシンプルなギャップ萌えが強い。
デレデレだけど普段は平常心で、ふとした瞬間に頬を染めるところなんか、とても好きですね。そもそも赤面が性癖なんですけど。そのシーンも露骨過ぎなくてちょうどよかった。
表情自体が多彩だったのもグッド。表情はかわいいの始まりですからね。
少しキツ目の言葉を投げかけることがあるのも、張り合いがある。
毎回、パトロールに出ようと主人公誘うシーンがあるのも印象的です。いいですよね、当然のように誘って貰えるというのは。恐らくこれも隠しきれないデレの一つだと思います。私も、どんなにつまらない用事でも、誘ってくれたら嬉しい。もし彼女みたいにデレが滲み出ている誘い方を毎日されたら、どこまで傾倒してしまうのでしょうか……。
身体が柔らかそうなのも良い。もっと抱きしめられたシーンを見たかったな。肌の感触が見えるというか……これを表す言葉が出てこない。
正直、彼女のお色気シーンには目を惹かれました。
○明るさを保ってくれる
他に良いと思ったところですが、アニメ全体の雰囲気作りに成功していると感じました。ヒロインと同棲するといったありきたりな展開はさっさと流したり、危険な目に遭っても明るさを保ったり。
終盤はお約束で、落ち込むエピソードがあるのですが、それも1話で済ませ、明るい雰囲気を保とうと力を尽くしていると感じ取れました。
秋葉原の賑やかさそのものを魅力としてぶつけてきた厳かさ。秋葉原にほとんど行ったことのない私でも好きになってしまいそうな、静かな情動を垣間見ました。
敵役には転売やブラックバイト、サークラといったどう転んでもマイナスな題材から繰り出されるヴィランも多かったのですが、ぶっ倒したらパッと明るい日常に戻っていく割り切りの良さがありました。このアニメの面白さには、そういう見やすさが正体の一因なのかもしれませんね。
だからと言って終わった話を蔑ろにすることはなく、以前の話での要素がまた出てくるなど、世界の地続きを感じられるようになっています。
この細かい積み重ねがAKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-世界をより好きにさせてくれます。
事実私があの世界を好きになったことに間違いはありません。久々に終わってしまうのが惜しいアニメでしたから。
○見よう
私は評論家でも考察家でもないので、アニメを見てあれこれ考えることはあっても、深い話はできません。
しかし、面白いと感じたアニメは是非色んな人に見て欲しい。その考えはあります。
みんなも見よう! ヒロインがかわいいぞ!