漂着者 ストーリー考察
金曜ナイトドラマ『漂着者』最終回終了後に「ストーリーがよくわからなかったので考察してください」という声を多くいただきました。
最終回後にストーリーを考察したことはないのですが、リクエストをいただいたことが嬉しくnoteにまとめることにしました。かなり内容が複雑なので、考察を含めたストーリーの整理をしたいと思います。
このドラマは柴田さんも言っていた通り「今流行りの伏線回収しない」ドラマなので↓
一部は想像になりますが、よかったら読んでみてください。よろしくお願いします。(※ストーリーに関係のある部分のみの考察整理となります、わからない部分については「お前何やったんや?」ランキングでイジります)
このドラマは大きく分けて2つの事件が交差しています。
①『しあわせの鐘の家』が目的を果たすために犯した犯罪
②シリアルキラー深海住職が私欲のために犯した犯罪
この2つまとめて考えてしまうのがストーリーを混乱させる原因と思っているので、時系列順に表にまとめてみました。(どの事件を誰がやったか?について○をつけています)
最初に『しあわせの鐘の家』について考察していきたいと思います。
①『しあわせの鐘の家』が目的を果たすために犯した犯罪
まずヘミングウェイは何者なのか?からですが、結論から言うとヘミングウェイは第6感の遺伝子(予知能力)を持つものだけが暮らす島で最も予知能力がある人物、国が滅びそうになった時に島一番の能力を持つものが崖から海へ飛び降り本土を目指す言い伝えがあり、1400年ぶりに新潟県の浦野海岸に流れ着き、来る途中に記憶を失くしてしまった。つまり未来を予知する能力は本物。
そして、1400年の長い間ヘミングウェイを待ち続けたのが『しあわせの鐘の家』の代表であるローゼン岸本。目的は海を渡った預言者を迎えて、14人の使途(子供たち)と「始まりの鐘」を鳴らすこと。
預言者様をお迎えして「始まりの鐘」を鳴らす、だけを聞くと何も問題なさそうだけど、この目的のためには手段を選ばない側面があり、数々の犯罪を犯すこととなった。
また、目的を達成する前にヘミングウェイの正体(最も第6感を持つ預言者)がバレることも恐れており、真相に近づいた者に次々と手をかけた。
ローゼンのセリフで「預言者様にお仕えする者たちには役割がある」と言っていました↓
そして最終回で、実はサクラ(しあわせの鐘の音側の人間)であることがわかった人物がいます。
・女子高生3人組の1人ペリ
浦野海岸で発見されるところからSNSで拡散するところまでが使命だったと考察しています。
それを裏付けるセリフとして、ヘミングウェイ本人も偶然ではない発言をしています。
・2回誘拐された松園遥香ちゃん親子
・ヘミングウェイの動画を見て黒板に頭を打ちつけた先生
これら全て、ヘミングウェイの能力を世間に知らしめるためのサクラを使ったヤラセだと思います。
以前ツイートもしたのですが、ヘミングウェイが最初に予知能力で行方不明だった松園遥香ちゃんを発見した時、まだ偶然の可能性もあるのに不思議な能力を持ってる系の書き込みが多くありました。
そのどれもアカウント名が似ていて捨て垢のように感じられたので、女子高生のペリがSNSで情報を拡散して、それを広める使命の者たちがいたのではと思っています。
最終回でサクラと分かった人達以外にも、ローゼンは目的のために会社や実家や友人関係も動かしているという発言もありました。
あらゆるところに『しあわせの鐘の家』側の人間が潜んでおり、目的のためにそれぞれの役割を果たしたんだと思います。
以下、『しあわせの鐘の家』が起こした犯罪を箇条書きで考察していきます。
・松園遥ちゃん誘拐(1回目)
⇒ヘミングウェイはただの事故だった発言をしていたが、最終回でこの親子がサクラだったのでヘミングウェイの能力を確かめる(又はその能力をSNSで拡散させる)演出だった可能性あります
・後宮教授
⇒遺伝子工学を研究していた教授のためヘミングウェイの正体を知っていた。ヘミングウェイが本土に着いた=世界の終わりという認識から自殺
・国原先生
⇒ヘミングウェイが病室に書いた遺伝子の図式により、後宮教授が研究していた第6感の遺伝子からヘミングウェイの正体に近づいたため殺害される
・古郡准教授
⇒国原先生と同じように後宮教授が研究していた第6感の遺伝子の図式が完成したことを知ってしまい、ヘミングウェイの正体に近づきつつあったため殺害される
・新谷詠美
⇒古郡准教授から第6感の遺伝子の研究結果が入ったUSBを受け取り、それが世間に公表される前に襲撃された
・幼稚園バス13人
⇒始まりの鐘を鳴らす準備をする(特殊な能力を持つ13人の足型を取る)ために誘拐
・山田耕作
⇒13人を乗せたバスの運転手、役割を果たし自殺
・野崎慎太郎
⇒屋上から飛び降りた青年「ヘミングウェイの動画を見て空を飛べる」と言ったことから、これもヤラセである確率が高く、自殺は役割と捉えている可能性があります
ここまでが『しあわせの鐘の家』が起こした犯罪です。
動機にブレが一切なく、あくまで「預言者様を迎える準備」として統一されています。
②シリアルキラー深海住職が私欲のために犯した犯罪
そしてもう一つが、深見住職が起こした犯罪です。
女児5人連続殺人事件の犯人は深見住職。
関川親子を巧みに操り、アリバイを確保しながら完全犯罪を行っていた。
私欲のために起こす女児連続殺人とは別に、自分の犯罪を過剰に世間へアピールしたり、警察を挑発して捕まるか捕まらないかの瀬戸際に優越感を感じるシリアルキラーな一面も持っている。
以下、深見住職が起こした犯罪を箇条書きで考察していきます。
・女児5人連続殺人
⇒物語が始まる前から起こっていた事件、関川親子を巧みに操り深見住職はアリバイを確保しながら実行したと思われる。
・市川妙子
⇒嘴屋にいた女の子が妙子ちゃんのことを知っていたことから、これも同じように深見住職が関川親子を操って犯行に及んだ。
・松園遥香(2回目)
⇒この事件こそが深見住職のシリアルキラーとしての本性が出ている部分で、同じ女の子が短期間で2回誘拐される話題性アピールと、警察への信頼を失墜させる目的
・佐々木一恵
⇒こちらも同じように、捜査一課長の娘を誘拐することによる話題性、そして警察への異常な挑発を楽しんでいる
さらに眠っている柴田刑事に自供するという部分も、異常っぷり。
以上、大きく2つに分かれていた事件を整理してみました。
ヘミングウェイの超能力、ストーリーが混乱する原因と思われる『しあわせの鐘の家』と深見住職の犯罪をなるべく分けて表現したので、これを見て少しでもスッキリしてくれる人がいれば嬉しいです。
最後に、この「漂着者」を見て思ったのは、SNSに踊らされすぎな現代の怖さでした。事実よりもSNSでバズった方が真実になり、言い換えればそれを利用されると人は簡単に騙さ信じてします。そんな集団心理の怖さを感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
いよいよ10月から「真犯人フラグ」が始まりますね!
このドラマもあな番のようにガチガチのゴリゴリに考察していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
銀田一 中年 @aaNIahSeXD9TJHR