ハシゴから降りたと思ってたらハシゴを登りきっていた
精神科の月1通院だった。
前回通院時には「物件が決まらないストレスが凄い」というお話がピークを迎えていた時だったので
物件が見つかり、その近くで障害伏せて働こうかなーなんてうっすらとでも考えている現時点のことを考えると
1ヶ月で物凄い進捗を見せていた。
私「…と言うわけでやっと物件が固まりまして…まあまだ更地なので引っ越せるのは一年近く先なのですが。」
主治医「とりあえずこれで落ち着けたわね。仕事はどう?」
私「んー…やってること自体は凄く楽しいんです。学生と話すのも、策を練るのも、大学に営業かけるのも。ただ…
私だけ空回りしてるかのような感じになるんです。別に空回りでなくて、ただ当たり前に危機感を感じながら仕事をしているだけなのに。障害者採用は前代未聞の売り手市場ですし。
私は…確かにやりたいことをやりたくて転職しました。でも…
"健常者の下で働く"ことがやっぱりしっくりこないんです。
引っ越したら勤務先からも遠くなるので、結婚を機に
障害伏せてフルタイムパートでも良いのかなあなんて思い始めてます。
時間はまだ一年たっぷりあるし。ただ…
障害伏せてフルタイムパートって、8年前に逆戻りするってことなんですよね。
あれだけキャリアだのやりたいことだの言ってたのに、なんかこう一気に冷めちゃったと言うか…」
かなり長いこと話した私に主治医はこう言った。
主治医「ぎんさんがそう言うステップまで上がってきたってことでしょ、それは。」
ん?
私は「キャリア」に掛けたハシゴから降りようとしているのではないのか?
上がってきた?どういうこと?
私「私はステップダウンするような気がするのですが…」
主治医「違うわよ。8年前は"やっぱり障害伏せて働くのは無理!"って言って、障害者枠で転職したんでしょう。
それが、"もう障害者枠じゃなくても大丈夫"って言う自信がついたから障害伏せて働くことが選択肢に入ってきたんでしょ?
ぎんさんはもう障害者枠じゃなくても大丈夫よ、そう言う段階に来てるもの。
パートでも"このパートのおばちゃんがいないと回らない!"みたいな優秀な人はたくさんいるから(笑)、家庭と両立して行くには一番良い働き方かもね。
ぎんさんは本気で仕事にのめり込むと具合悪くなっても、家庭をないがしろにしても頑張っちゃうから(笑)」
目からウロコだった。
ハシゴを降りたつもりが、登り切って次のステップに進もうとしてたなんて。
確かに、最近の私は「精神障害者の割に仕事が出来る」と言う現状にイライラしていた。
そんなの嬉しくも何ともない!健常者と対等に戦ってもきっと勝てる!
腹の中ではそう思っていた。
ただ悲しいかな、特例子会社ではそもそも、「出来る障害者」は敬遠される。
重宝されるのは「健常者の言うことに疑問を抱かず、黙って従う障害者」だ。
私はそんなの嫌だ。
自分で考えて、行動して、意見を出して、成果を出して、勝負したい。
もちろん通院と残業の配慮は必要だから、正社員でってのは難しいだろうけども。
ああ
遠くまで来たんだなあ