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地方の個人店とローカルメディアの付き合い方

こんにちは、合同会社ギンエンの東です。

今回は、「地方の個人店とメディア」という切り口で、半分覚書のような形で、記事を書いていきたいと思います。

この記事では、一方的に取材されるためのノウハウではなくて、メディアとお店、お互いに納得感のある長期的な関係性を作るための意識がとても大切であることを前提とさせてください。

背景として、和歌山県紀の川市で、51年続いた地元の喫茶店「雅園」を承継したことを、2022年8月オープンから約半年で、WEB媒体、地方新聞、地方テレビ局などいい具合に取り上げていただきました。(月に1件くらいのペース)ようやく、なんとかお店として再始動できてきたなという状況です。

ギンエンとしての関わり方は、特に、PRや企画、デザイン、SNSでの発信を担当しています。半年、実践してみて、当たり前のようですが、案外、地道な発信は大切だなと感じています。

元々、Googleマップにすらなかったような地元の喫茶店が、徐々に、また、地域の方、遠方からの観光客の方に利用いただけるような場所になってきました。

この記事は、
・これから地方でお店をやっていきたいなと思っている方
・地方のお店のメディアコミュニケーションに悩んでいる方
・これから移住を考えている方

の参考になるかと思います。

私自身、地方におけるメディアコミュニケーションやPRのノウハウを探してみたのですが、都内スタートアップなどの事例が多く、あまり個人店に特化した分かりやすい記事がなかったので、今回、共有してみようと思いました。

ローカルメディアとの関係づくりのプロセス

1.個人ブロガーさんへのDM

事例:喫茶のすたるじあ(個人ブログ)

元々、私が、喫茶店好きだったこともあり、のすたるじあさんは、個人的に好きで見ていました。シンプルに運営している方に会ってみたいなという気持ちがあり、まずは、ご挨拶としてお店のアカウントからInstagramのDMを送りました。

はじめまして。突然のメッセージ失礼いたします。

和歌山県で、喫茶雅園というお店を運営しております。広報を担当しております東と申します。

(中略)

長くなってしまいましたが、喫茶店ブログ、楽しく拝見いたしまして、興味を持ちました。もし、ご縁があれば、ぜひお越しください。

案外、難しいことはしておらず、ただのコミュニケーションですね。個人ブログとは、侮るなかれ、喫茶のすたるじあ運営のコトリスさんの文章力のおかげで、たまたま、ほとせなニュースさんでも記事を書いていただき、Yahooニュースに掲載されました。

POINT まずは、熱量高く、お店を好きになってくれそうなライターさんやブロガーさんに自らアプローチをする。もちろん、ライターさんにもメリットがあるような状態を提示する。

2.地方新聞

これは、記者さんが、雅園のInstagramを見つけてくださり、ご連絡をくださりました。取材のきっかけになったInstagramでは、お店の背景まで、ひと目で分かるようなプロフィール作りを心がけています。

記者の方が取材したくなるようなテーマをしっかり見えるところに書いておくことは、効果的だったのかなと思います。

POINT  SNSから発見してくれることも増えているので、プロフィールを充実させておくことは大切。

3.ローカルWEBメディア

この記事では、こちらが撮影した写真を提供、掲載してもらっています。なぜなら、ライターさんは、文章のプロではあるけれど、写真のプロではないのでというシンプルな理由です。

ここが、都会のメディアとは違うのですが、地方のWEBメディアでは、だいたい、ライターさんが写真も撮影してくれます。もちろん、お客様の視点での写真があると、より、訪れた時のリアルな感じが伝わります。一方で、ある程度ブランディングを意識するうえで、商品写真はプロに撮ってもらったものをこちらから提供する方が、イメージにブレがなくアピールができると思います。

事例:ロカルわかやま

POINT  商品写真など、お店の目玉になるものは、こちらから提供することを相談してもOK。事前にプロに撮影を頼んでおくといいかも。

4.ローカルテレビ

制作側には関与できないので、コントロール外ではありますが、視聴者の対象が、だいたい50-60代であることを意識した話題の切り出しが必要だと思います。色々伝えたいことがある中で、このテレビを観る視聴者の方は、どんな話が聞きたいんだろうと考えて、あらゆるエピソードの中から、制作陣の方々にお話をお伝えします。

そこから、いい感じに、番組に合うように編集してくださったり、この話をもう少し深掘りして聞いてもいいですかと提案してくださったりという感じになることが多いです。

事例:NHK和歌山

POINT  SNSやWEBメディアとは違う視聴者層を意識した、エピソードの提供を心がける。


全体的に意識していること

メディア側にとって「コミュニケーションが取りやすい」と感じてもらうことは、雅園が、広報担当を置いている強みなのではないかなと感じます。

店舗のオーナーさんは、想いはたくさんあっても、うまく言語化できなかったり、なんとなくありきたりな言葉で話してしまうけど、本当は、もっと伝えたいことがあったりします。(うちの父がそうです……笑)

あと、メールやクラウドでの写真のやりとりがスムーズにできるとかも、WEBサービスを当たり前に使っている世代なら普通にできることも、実は、苦手な人が結構います。あとは、普通に、時間がないから電話で済ませたいとか。(ここらへんに、高校生、大学生インターンを受け入れるだけでも、かなり効率化されそう……)

さらに、記者の方とは、個別に報告の連絡としてLINEをするなども。地方メディアあるあるかもしれないですが、結構、県外から出航されている方も多く、あまり和歌山のことを知らない場合もあるので、何か、自分のお店以外にも情報があればお送りしています。もらってばかりではなく、たまにお裾分けするのは大事ですね。

以上、どうでしたか?

結構、ただただ普通のことを当たり前に地道にやっているだけで、結構、運よく取材をしてもらえて、お客さんとのコミュニケーションもとれて、いいことばかりなので、おすすめです。

逆に、まだまだ知らない、他の地域での「地方のメディアと個人のお店の付き合い方」や逆に「東京のいい感じのメディアで取り上げてもらって、和歌山にお客さんが来てくれるきっかけづくりをするには」のような視点は持ち合わせていないので、ぜひ教えてくださると嬉しいです。

◆その他|使えるものリスト

『ローカルメディアのつくりかた 人と地域をつなぐ編集・デザイン・流通 影山祐樹』

こちらは、手法というより、考え方が参考になった一冊です。ローカルのメディア(媒体)というのは、一方的に受け身で参加してもらうのではなく、一緒に作り上げていくのがいいという話。まさに、雅園も一種のメディアで、一緒にお客さんやメディアの方と作り上げて行く場所になれたらいいなと思いました。

王道のプレスリリース配信サイト「PR times」

都内ベンチャーで働いていた時は、当たり前に利用していたサービスですが、和歌山で身近に使っている人はほぼ皆無です。そもそも、プレスリリースという仕組み自体を知らない人も多数。

地域のことを内部に発信するというよりも、県外に発信していく時に重宝するなという感覚。

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