問いを立てるワークショップ |山口高校・野田学園高校
こんにちは、合同会社ギンエンの東です。
今回、キャリア教育の一環で山口県山口市の山口高校、野田学園高校の二校でワークショップ形式の講演を実施しました。
講義テーマ「問いのある人生を歩んでみる」
学生起業と文系修士(観光学)在籍という立場から、何が話せるかなと考えた結果、普段、どのような思考をしているのかについて体感してもらえるといいのではないかということで、本テーマになりました。
今回は、自己紹介・会社紹介はそこそこに、ワークショップ形式で話を進めました。
では、講義の体験として、皆さんにも少し資料を共有できればと思います。この質問をされたら、皆さんはどう答えますか?
高校生から出た答えは「いい取り組みだと思う(賛成)」という意見でした。少し意地悪な聞き方をしてしまったように思いますが、このような問いが出たときに、設問を再考するということもできるのではないでしょうか。
まず、設問の単語について切り分けて考えてみるという方法です。例えば、「観光客」と聞いてどんな観光客を思い浮かべますか?
「(山口)県外の人、外国人」などの意見が出ました。
では、もう少し対話を進めます。その人たちは「健康な人」でしょうか?もしかすると、何か特別なサポートを必要としている人かもしれません。こうして視点を少し変えてみるだけでも見落としていた観光客像が広がります。
前提をあやふやにしたままだと、AさんとBさんで対話をしても思わぬ方向に進んでしまう可能性があります。また、こうして少し立ち止まって前提を考えることは、自分たちのバイアス(偏見)に気付くきっかけになります。
特に、観光や移住の文脈で、よく発生している事象ではないでしょうか。自分や自分の周りの人の経験だけに頼ってしまい、見落とされている、周縁化されている人たちの存在に気付かず議論を進めてしまう。
このように、観光客というキーワードに立ち止まっただけでも、ぐっと問うべきものの解像度が上がった気がしませんか。
これは講義の一部ですが、これだけでも、少し出張授業のイメージを掴んでもらえたのではないでしょうか。
これは、自分で振り返ってみても、ギンエンの事業も自身の研究も同じことをしているなと感じます。
問いが違えば、導かれる答えが変わります。お客さんが抱えている悩みをそのまま受け取るのではなく、「この人はこれを課題だと思っているけれど、実は違うところに痛みがあるのではないか」と考えられることは、どんな仕事でも使える方法だと思います。
学生の間は「将来どうしたいの?」とよく聞かれますが、相手にとっての「将来」「どうする」ってどういうことなのかということを考えてみる、対話してみるだけで、実は求めている答えが違ったなんでこともあるかもしれません。
将来を数年先のこと or 数十年先のことと違う期間で考えているだけでも差異が生じています。そして、どうするってどうすることなのでしょうか?このあるある質問のポイントは、相手もその問いによって何を求めているのか、実ははっきりしていないこともあるということです。
でも、他人に投げかけられた「将来どうするの?」が頭の中にこびりついてしまって、なんとなく不安だということもよく起こります。そんな時は、ワークショップで実践してみた、言葉を切り分けて考えてみるが使えそうです。
将来って自分にとってなんなんだろう。どうするって何の意図を含んでいるのだろうか。
研究、もしくは卒業論文なんかでも、最初の興味関心は、すでに誰かが研究していることが多い。それでも自分が知りたいこと、このキーワードを選んだ理由ってなんだろうと考えてみる。言葉を分解して考えるという方法は、あくまでもひとつの手法ですが、とてもいい指針になってくれています。
授業後の感想(一部)
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