お絵かきから始めるデザイン講習会、の案
デザイン組織のプロトタイピングをするぞ、的なことにこないだの記事で触れたのですが、その1stステップとしてはミニサイズのワークショップ的な勉強会をするのが良いかなと思っています。
非デザイナー向けの勉強会を、週1か隔週くらいのペースで、1回1時間くらいのボリュームで行うイメージです。
アプリのUIを実装するエンジニアとか、広報資料を作る総務の人とか、顧客と直に接する営業メンバーとか、比較的ユーザに近い位置にいるメンバーを5〜6人くらい集めて行うくらいのサイズ感ですね。
【大目的】
社内にデザイン組織を構築するための下地作りをする。
【中目的】
- デザイナーマインドを社内に浸透させ、デザイナーが働きやすい環境を醸成する。
- 勉強会の成果を社外に発信し、世のデザイナーの耳目を集めてデザイナー採用につなげる。
上記のように、勉強会の目的を定めます。
直接的に業務に役立てるのだけなく、組織の長期的なデザイン能力向上に向けての下地つくりを目的としています。
そして、勉強会で何をするのかを考えます。
【小目的(勉強会1回1回の目的)】
アイデアをビジュアライズして他者に伝えるトレーニングをする。
やりたいことは無数にあって、デザイン系書籍読書会とかUIデザインツール講座とか... 色々あるのですがどこから手をつけても内容がヘビーすぎて頓挫しそうなので、「頭に思ったことをラフな絵で表現しよう」くらいのライトなところから始めるのが良さそう、と考えました。
上手い絵を描けるようになることは目的とせず、「物事を伝える時の手段の一つとして、絵を描くことを有効に使えるようになろう」という程度の意識です。
具体的な内容
今までに経験した勉強会とかワークショップの体験を踏まえて、非デザイナー向けの超ライトなデザインワークショップを設計してみます。
■■ タイムテーブル ■■
・テーマ選定とテーマの俯瞰(10分くらい)
・アイデア出し + シェア(20分くらい)
・アイデアをラフにビジュアライズ(15分くらい)
・ベストアイデアの詳細化(15分くらい)
ざっくりこんな感じ。黙々とアイデア出してワイワイとお絵かきするイメージです。
■■ ワーク内容 ■■
■テーマ選定(0〜3分)
扱うテーマを決めます。事前に用意しといても良いし、その場でメンバーの興味ありそうなテーマをピックアップするも良し。
テーマは何でも良いです。なるべくアイデアの広がり、かつ具体的にイメージしやすそうなネタが良いですね。
仮に、「名刺」をテーマにしたとします。
■連想ワード出し(3分)
テーマから連想される言葉を付箋に書き出します。
書き出す個数に縛りはありませんが、3分で20〜30個程度が目安です。
まずはアイスブレイク的に、ひたすら「名刺」から連想する言葉を書き出します。
■連想ワードのシェア・分類(3〜5分)
連想ワードを似た物同士で括る、ジャンル分けするなどしつつ、内容をシェアする。
メンバー各々がテーマに対してどんなイメージを持っているかを共有。
各々がテーマのどの部分に着目しているかが漠然と見えるくらいでOKです。名刺がテーマなら、「みんなサイズについて意識してんな」とか「ファイリングにこだわってる人がいるな」とか。
■アイディエーション - 変則クレイジーエイト①(4分)
テーマにまつわる体験を向上するアイデアを、4分間で4つ出します。
この時、アイデアは付箋に文字で書いてください。
■アイデアをシェア①(2〜4分)
付箋を見せ合う形でアイデアをシェアします。この時、付箋に書いた文字を読み上げるだけで説明はしません。
■アイディエーション - 変則クレイジーエイト②(4分)
同じテーマで、もう一度アイデアを4つ出します。
一度出したアイデアにひねりを加えたものでもいいですし、他者のアイデアから着想を得たものでも構いません。
■アイデアをシェア②(2〜4分)
再びアイデアをシェアします。ここでも説明は無しです。
アイデア出しとシェアをします。
一般的には、アイディエーションの際にはなるべくイラストを添えるべきなのですが、ここでは「付箋に文字で書く」という形をとります。
ここまでで30分くらい経っている見込みです。
慣れれば20分くらいでいけるかも。
■イラスト描きのコツをレクチャ(5分)
ファシリテータ(デザイナー)が、絵でアイデアを伝える際のコツを簡単に話します。(特にネタがなかったらWebでそれらしい情報見つけて披露すればOK)
■アイデアにイラストを添える(8分)
アイディエーションで出した8つのアイデアに対して、そのアイデアをイメージさせる絵をA5サイズの紙に書きます。
■アイデアイラストをシェア(3〜6分)
それぞれの書いたイラストを机に並べて、シェアします。
同時に、類似するアイデアを隣に並べるなど、分類と統合をします。
付箋に文字で書いていたアイデアを、絵として描き起こし、改めてシェアします。
抽象的なイメージをビジュアライズする難しさと、ビジュアライズすることでどれだけ伝わりやすくなるかを体感してもらうことが狙いです。
■投票(2〜4分)
全員の全アイデアに対して、人気投票をします。
人気トップだったアイデアを、「今回のベストアイデア」とします。
■ベストアイデアを、より詳細にビジュアライズ(残りの時間)
選ばれたベストアイデアの利用シーンやプロダクト、UIなどのイメージをA4紙上に描きます。
一つのアイデアを選び出し、残りの時間で各々詳細化します。
ここで参加者とファシリテーターの間で「こういうのはどう描いたら伝わる?」的なやりとりが発生したら好ましいですね。
これにて超スモールワークショップ終了です。
終わったら
後日、アイデアやイラストをファシリテータが整理してnoteあたりに公開します。反応があるようなら、会社のオフィシャルブログにも掲載するなど、デザイナー採用に向けての広報に役立てます。
反応なかったら... まあ検討します。
反応なくても参加者が楽しめたなら続ける意義アリかと。
おそらく、上述の内容をそのままで繰り返すということはなく、参加者や外部からの反応を見て内容をアレンジしつつ続けることになるでしょう。
現時点での思惑
アイデアを出してイラスト添えるだけではあまりにも初歩的なので、上記の内容を効率上げて30分程度で済むようにし、残りの30分でもう少し応用的なことを出来るようアレンジしていきたいです。
60分に収めることにこだわる理由もないので、基礎編40分・応用編50分の計90分とかにしていくかもしれません。
応用編としてやりたいことメモ
ゆくゆくは、以下のようなこともやっていきたいと思っています。
・UIデザインツール(XDとかFigmaとか)使い方講座
・模写会(Webサイトとかアプリとかスライドとか)
・データ読み取ってインフォグラフ作る会
・AfterEffectsでマイクロインタラクション作る会
・色選定のコツと色系便利ツールを知る会
・デザイン小話持ち寄り会
・デザイン書籍読書会
・自社プロダクトがApple HIGに反してる箇所を探す会
・Apple HIGとマテリアルデザインガイドラインの和訳・図解
うわぁ... 盛りだくさん。でも全部やりたい。いつか。
■■■ おまけ ■■■
非デザイナーがデザイナーマインドに触れるにはSUZURIの利用がオススメ... という内容もこの記事内に書いていたのですが、勉強会にあんまり関係ないこととSUZURIの回し者っぽい文面になってしまったことから別記事にしました。
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