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CIID Winter School Tokyo 2日めの報告

2日めの報告行きまーす。

1日めよりも記事の文字数はぐっと軽くなるはず。
内容が薄かったわけでなく、言語化できない体験が多かったためです。
写真でお伝えしたいところですが、なんというか、写真とってる余裕なんてないよ、という感じ。

若干の座学から始まりました。

座学① - 今日のワークで何をするのか、何がわかるのか

乖離している意識を重ねる
使う側と作る側の意識には乖離が起きがちです。
今日はその乖離度合いを体験し、改善を繰り返して意識を重ねていくことを行います。

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Low Fidelityで行こう
体験をプロトタイプするには、Low Fidelity(再現性が低い、と通訳さんは訳してらっしゃった)のプロトタイプを作ってすぐ試すのが効果的。
付箋等を使った紙細工でUI作ってガンガン進めていきましょう。

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検証の被験者数は少なくて大丈夫です。5人にテストすれば85%の問題点を検出できる、といった科学的根拠を意識していきます。

つまり、今日は「紙とペンで荒くプロトタイピングしてとにかく人に触ってもらって意見聞いて改善していくぞ Day」ってことです。

座学② - 良いフィードバックを得るための8つの心構え

Start by listening 被験者の声をよく聞くこと。妨げたり情報与えすぎたりしないこと。
Funnel a conversation 検証項目は増やしすぎないこと。観点を3つくらいに絞って質問項目を作りましょう。
But never LEAD the conversation 対話をコントロールしないこと。誘導尋問にならないよう。
Ask Why 何故を繰り返し問うこと
Ask for more info 会話を広げて、より深い、またはより広い意見を集めること。
Use silence 沈黙を恐れないこと。被験者が黙ってしまったからといって即座にヒントを与えたりせず、沈黙もまた観測対象であることに気をつけること。
Test with the right user groups 対象に合った被験者を選ぶこと。
Set the right tone 被験者に焦りや「責められてる」感をもたせないように注意すること。被験者が操作を間違えた時には、間違えてくれたことは好ましいことなのだと言うことを言葉や態度で示すこと。

8つのルール、全部とても大事なのはわかるのだけど、これらを意識しながら行動するのは訓練要りますね... 振り返ってみるに全然できてなかった。

座学③ - プロトタイプ検証の手順

- HYPOTHESIS(仮説をたてる)
- QUESTION(質問を用意する)
- OBSERVATION(観察する)
- INSITE(分析する)
- IMPROVE(改善する)

これも、振り返ってみると筋道立ててできてたのは序盤のHYPOTHESISとQUESTIONだけだったなぁ。いざ被験者に使ってもらって観察が始まると、何かもういっぱいいっぱいでした。3回検証したけど2回め以降は「とにかくなんとか良くしよう」しか頭になかった。バタバタしすぎ。

本日の座学はここまで。

一旦、アイデア練り直し

1日目に考えたアイデアについて、もう一度根本から見直します。
「意義はあるのか?」「伝わるのか?」「望まれているのか?」...これらを見直して、改善方向を見定めてから(場合によっては全く違うものに変えることも視野に入れて)本日のプロトタイピングを始めよう... と思ったのですが、結局「意義はあるのか」とか、考えてもわからない。

わからないから、それらを検証するためのプロトタイピング(&インタビュー)をしよう、ということにしました。

アイデアとしては昨日考えた「日本のビジネスマナーをガイドしてくれるバッジ(今回は名刺交換にフォーカス)」のままで、操作シナリオの整理と、必要なペーパーモックの作成を行いました。

バッジ型デバイスとスマホ操作画面という構成で考えたので、それらを体験してもらうためのラフなモックを作ります。

[ちょっとずつFidelityの上がるバッジ型デバイスプロトタイプ]

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[スマホ操作画面ペーパーモック]

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検証 → 改善 3ターン

昼前から16:00までで3人の方にプロトタイプを体験してもらいました。
1人に体験してもらうごとに改善を行っています。

3人の被験者は、最初は「1人目はクラス内の別チームメンバーを捕まえてやってみましょう。2人目以降は自分たちでなんとかして」的なニュアンスで始まったのでどうしたもんかと思ったけど、結局ボランティアさんが人を手配してくれました。すごく助かったけど、自分たちでターゲット像にマッチする人探しにいくならそれはそれで楽しかったろうな。(絶対時間内に収まらないけど)

- ランチ前に1人目を対象に検証
- ランチ後に改善会議するも割と「どうすりゃいいんだ?」状態
- 段取りを少し整理した程度で2人目実施
- 2人の共通意見から改善点がはっきりしてきたので改善
- 3人目GO

こんな感じでした。

ちなみに検証の時の役割分担は「ファシリテーター」「インタビュワー」「書記」「撮影」という具合。

検証風景をカメラに収めたかったのですがそんな余裕はなく...。
代わりに改善されまくったペーパープロト(スマホ側操作画面)をご覧ください。

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振り返り

16:00を過ぎて2日目も終わりに近づいてきたので、クラス内での振り返りに入ります。
以下のように整理するよう指示されました。

① どんな人に体験してもらった?
② 大きな学びを3つ挙げて
③ その3つに対してどんな対策をした?

被験者さんは以下のような3名。

1人め:日本人
2人め:日本生まれ・バックボーンは中国(詳細聞きそびれ)
3人め:イタリア人・日本に来たの初めて・滞在してまだ数日

ターゲットが「海外から日本に来たばかりの駐在員」だったので、3人中2人がターゲットから大きく外れていたのが惜しいところ。結構フィードバックに影響してたんだろうな。

主な改善点3つ
※ 完全に自分の振り返り用メモなので読み飛ばし推奨

「名刺交換中に、ビジネスマナー的に間違った振る舞いをするとバッジがゆるく振動し続けて、正しい動作をすると振動止まる」というアイデアを盛り込んでて、振動の代わりにペンをペチペチあてることで検証を行ったのですが、「名刺交換に集中できねぇわ」と言われる。
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誤った振る舞いをした時だけ短く振動する、という仕様に変更。

「誤った振る舞いを指摘してくれるのは良いんだけど、どうすれば正解かわからない。正解と判定されてもその根拠がわからない。」と言われる。
 ↓
「これが正しい作法」のムービーを撮って、検証の最初で見てもらう。
(しかし結局「いや、ムービーよくわかんねぇ」となってムービーの内容を実演する。それでやっと伝わった。)

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(ムービー作成風景をきうらさんが撮ってくれてました。ご提供ありがとうございます。)

使用継続の動機付けについて被験者によって意見様々
「これを使い続ける動機が見つからない。
スコアを出されてもそれを上げたいと思うだろうか」
「これを使って礼儀をマスターしたいと思う。異国の礼儀面白い」
という具合。
 ↓
動機付け施策を色々と考えるが、結局「強烈なインセンティブがないとこれを使おうと思わない人は、そもそも日本のビジネスマナーに興味がないのでは?」という思いに至り、ひとまず使用継続動機付けの追加施策は無しに。
(使用継続よりも使用開始の動機付け、および認知を高める方向で考えるべきか... と思ったがタイムアップ)


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(がんばって英語でまとめてみようとしました、の図。でも説明は日本語でしました。つらい。)

講師の Shamik には「スマホとかのデジタル機器にこだわらないで、もっと別の形を模索するのもアリだったかもね」という講評をいただきました。
実際、初めはバッジ型デバイスだけで完結することを目論んでいたのですが色々検証する都度「それじゃ成り立たないな」となってスマホアプリ側の機能比重が増えていったのだけど、なんか「安易に解決しようとしてる」感あってひっかかってた。もっと思い切り視点変えて考え直してみたいな。

他にもいろいろ講評いただけてたと思うのだけど... 覚えてないな... 疲れてたんだな... 。

雑感

とにかくバタバタした。
最初にレクチャされてたことが頭から抜けまくっていたことが悔やまれる。
けど改めてプロトタイプを見るとしっかり改善されてるし少しずつFidelity上がってるし、そして検証の段取りも少しずつ小慣れてきていて、意外とちゃんとやれてたのだな、という感想。

しかし英語力がやはりネック...。
イタリア人の被験者にインタビューするときは英語で話したわけですが、質問はできるけど回答を理解しきれない。深掘れない。
(ていうかマシンガントークすぎるだろイタリア人)

■■■

なんだかんだこの記事も3500を超える文字数になってしまった...。2000字くらいでさらりとまとめたかったのに。

明日は午後にCIIDプレゼンツのLT大会?的な催しがあってワーク時間少ないので、Figma講習的なことをするらしいです。明日の記事はほんとマジにライトな報告になるはずです。

(3日め記事はこちら↓)


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