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やったぜのんちゃん!ブレイクスルー!

2021年8月4日。日本陸上界に新たな歴史が刻まれました。女子1500mで田中希実選手が準決勝を突破し、決勝進出。さらに予選で自らが出した日本記録をさらに塗り替え、4分の壁を突破する3分59秒19を記録したのです!

仕事が終わってバスに揺られ、家に着いたときには7時過ぎで、急いでテレビをつけると女子1500m準決勝1組目がすでに始まっており、レースも終盤でした。いつもは冷静な解説の金哲彦さんが、めずらしく取り乱して、「着順で行ける!決勝に行ける!」「4分切れる!このままいける!」と叫んでいました。それを聞いて状況を把握し、このままいけばとんでもないことが起こる、というのがわかりました。

そして田中選手はそのまま5着で決勝進出を決め、記録も時計が明らかに4分を超えるまえにゴールしました。金さんは絶叫、私もテレビの前で思わず叫んでしまいました。陸上競技にあまり興味のない方はぴんとこないと思いますが、それほどの快挙なのです。

陸上競技に限りませんが、様々な競技で壁となる記録があります。陸上男子100mであれば、2017年に桐生選手が9.98を記録するまで10秒が壁となっていました。男子ハンマー投げであれば室伏選手が記録するまで80mが日本人にとって壁となっていました。女子マラソンであれば高橋尚子選手が記録するまでの2時間20分などです。

それが日本の女子1500mにとっての4分でした。2000年代中盤以降、小林祐梨子さんがすばらしい走りをみせ、日本記録を4分7秒台まで押し上げましたが、あの小林でも4分7秒か、日本人に4分切りは無理なのかな、と思っていました。

そこで現れたのが田中希実選手です。名門西脇工業高校を卒業後、同志社大学に進学するも、陸上部には所属せず、豊田自動織機のサポートを受けながら競技を行うというプロに近い形で競技を続けています。2019年からはニューバランスと契約を締結し、サポートを受けています。

そんな田中選手はとにかく型破りで、800mから5000mまでとにかくレースにいっぱい出ます。他の選手が出場する試合をある程度絞ってしっかり調整するなかで、連戦をこなしていくなかでたくましさを増しているような印象をうけます。彼女が初めて1500mで日本記録を更新した(4分5秒27)レースは、国内のレースで、生中継を観ていたのですが、終始独走でとんでもないレースをしていました。独走でこんな記録がでるのなら、強豪に引っ張ってもらえるヨーロッパのレースに出れば近いうちに4分を切れるのではないか、そんなことを思った人は私だけではなかったと思います。しかしそれは、この2021年東京オリンピックでとは想像もしていませんでした。

先日の記事で書いたようにオリンピックの予選で自身の日本記録をさらに更新、本日の準決勝に進出したのです。

そして本日の準決勝でのこの快挙です。

こんなとんでもない大舞台で、とんでもない大記録を出してしまった田中希実選手。ここまで来たら決勝の舞台での入賞もと思わせてくれます。本人もレース後のインタビューで、決勝ではスローペースになる可能性が高いので、ラスト1周にこだわった走りをしたいと勝負を意識したコメントをしていました。準決勝を勝ち上がったばかりの興奮冷めやらぬなかでのこの冷静なコメント。ますます期待してしまいます。

自らが成し遂げた快挙にも冷静に次を見据え、すでに決勝に目を向けている彼女を決勝の舞台では声をからしてみんなで応援しましょう!

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