見出し画像

いっしょに走ろう

会社に通勤するとき、バス停から職場に向かう道すがらに三井住友海上のビルがあります。そこにとあるお祝いの掲示がしてありました。中学とか高校で全国大会出場者が出た時に校門のあたりに張り付けられているような例のあれみたいなやつです。

視覚障害部門の女子マラソンで所属選手が世界記録を更新したというものでした。その選手は道下美里選手です。フルマラソンで3時間を切るすばらしいタイムです。フルマラソンに出場したことがある方ならわかると思いますが、3時間を切るというのはなかなか大変なことです。

私も福岡の大濠公園という公園でよく練習していた時期には、何度かお見かけしたことがあります。伴走者の方と結構なスピードで走っていました。

私が一方的に尊敬していて、書籍やNHK等で特集があったときは録画して何度も観たりしていました。

道下選手は、後天的な視覚障害で生活を送る上でもなかなか大変なことの繰り返しだったようです。視力を失ってすぐは、なぜ自分がこんな目にあわないといけないんだと落ち込んでばかりいたようですが、入院していた時にであったおじさんとのふれあいでこんな言葉をかけられたそうです。

「神様は乗り越えられるひとにしか困難をあたえない」

困難に直面した時にかけられる言葉としてよくみかける言葉ではあると思います。ただそのおじさんも手術が失敗して歩けない状態でその言葉を道下さんにかけたそうです。それだけ苦労をしている人がかける言葉だからこそ、言葉の持つ意味も大きなものになったのだと思います。

そこからランニングに出会い、さらにマラソンで上を目指していく過程のなかで様々な困難があったのだと思います。マラソンという競技の特性上、努力したものが必ずレースで報われるとも限りません。また、視覚障害があるなかでの競技ということで、周りの方の協力は不可欠です。練習はもちろん、レースも視覚障害の方が走れる環境をある程度整える必要が出てきます。

しかし、そんな環境のなかでも真摯にマラソンに取り組む道下さんをみて周りの方も協力したい、一緒に走りたいと集まってくるのでしょう。

困難にぶつかりながら、そのたび苦しみながらも前向きに乗り越えようと立ち向かう道下さんの姿には、本当に見習うことが多いと思います。

道下さんの書籍を読み、さらにそう思うことが出来ました。

通勤途中に道下さんの名前をみて仕事に入るまえに元気とやる気をいただいています。

そして東京パラリンピックがいよいよ始まりますが、道下さんも自身の願う最高の結果が出せるようにベストをつくしてほしいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?