美学の戦い ~男色ディーノvs赤井沙希~
7.30DDT後楽園ホール大会の第2試合(飯野“セクシー”雄貴&男色“ダンディ”ディーノvs彰人&土井成樹)終了後。赤井選手が登場し、男色ディーノ選手との一騎打ちを要求しました。2016年11月23日に行われたEXTREME王座戦で対戦した後に「もがいてる姿を隠そうとするな!」と言われたことが納得いかないままだったようです。
少し横道に逸れますが、個人的にDDT公式X(Twitter)の試合決定の投稿がそのEXTREME王座戦の時に見た景色と似ていてエモさを感じてしまいます。
話を戻します。「リング上ですべてをさらけ出す」。プロレスラー男色ディーノの生き様そのものです。また、泥臭く感情むき出しで立ち向かっていくレスラーに感情移入するファンも多いでしょう。どちらかと言うと自分もそちらの方が好きです。
しかし、赤井選手にはどうしても曲げられないプロレスラーとしての美学があるのです。彼女の発言を振り返って見ましょう。
【Case1】赤井沙希おきばりやす七番勝負第一戦 VS藤本つかさ
ディーノ選手とのEXTREME王座戦から3年後、赤井選手は女子選手とシングルマッチを行う「おきばりやす七番勝負」が組まれました。
その初戦となるアイスリボンの藤本つかさ選手は、赤井選手に対して「綺麗で華のある赤井沙希はお客さんも見飽きてるのでそれ以外の部分を見せたほうが人間らしくていいんじゃないか。プロレスラーは喜怒哀楽を全部リングに反映していいし、そういう部分を私は見たい」とディーノ選手とほぼ同意見のコメント。
しかし赤井選手は「華があって何が悪いの。私は華を咲かせつつ、ベルトとかどんどん挑戦できる選手になっていきたい」と真っ向から反論しています。
【Case2】美しく見せる事のこだわり(古舘伊知郎チャンネルより)
古舘伊知郎さんのYouTubeチャンネルに出演した際、試合で出来たアザを発見した古館さんは、服やファンデーションを塗って隠さずに見せた方がカッコイイと言います。
すると赤井選手は「初めて見たお客さんにとっては自分がケガをしているとか関係ないので100%元気な姿を見せたい」と持論を展開。
すると古舘さんは「ファンデーションは厚く塗ってください」と考えを支持してくださいました。
また、別の動画では2021年5月に行われたクリス・ブルックス選手とのタイトルマッチの前哨戦で膝を負傷していた事を告白しています。
しかし試合では膝の部分をよく見ないと分からないレベルのテーピングで見た目はいつも通り。負傷を感じさせない動きでキャリアのベストバウトと言える試合を見せてくれました。
強く、気高く、美しく
https://www.instagram.com/p/CTmzY-KvbnU/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
赤井選手のモットーは「強く、気高く、美しく」。強くてカッコよくて人に弱みを見せないのが彼女の描くプロレスラー像なんだと思います。まさに「鴨の水掻き」という諺がピッタリ当てはまります。
赤井選手本人もインスタグラムで言及しています。
もちろん泥臭かったり熱い部分を全く見せたことが無い訳ではありません。(パンスト被ったりしてますしねw)しかし前述の発言から、凛としてたくましい姿を見せるのがプロレスラーであるという彼女のポリシーは一貫しています。
対するディーノ選手は「私にとってプロレスは生き様をぶつける場所」と言い、生き様も尻も何なら全裸もさらけ出す赤井選手と対局の考えです。ちなみにディーノ選手の生き様については彼の著書「イロモノの野望 透明人間と戦ってわかった自分の商品価値の上げ方」を読むとよく分かると思います【宣伝】
この試合はお互いの美学を賭けた戦いなのです。戦いを終えて赤井選手は何を思うのか。答えはリングの上にある。