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岡山寮のこと 其の2

4月に寮生活が始まると、すぐにおやさま御誕生祭の声が聞こえてくる。
しかも!
この年はおやさま御誕生200年の喜ばしい慶祝の年である。
「おぢばに帰りたいっ!」という気持ちは日に日に強くなる。
反面「キミはにをいなんて掛からないから安心しろッ」という高田先生の声が耳に生々しく残っている。

4月のある日、岡山部属のおいちゃんが帰寮するなり、「帰参者できましたっ」と意気揚々とした表情。「え?もうできたの?」みんな半信半疑。
岡山寮からの帰参方法はいろいろあるが、一つには、教務支庁の公用車を使用するのも可、がある。歩くのが辛い帰参者の場合などは公用車を使う。私は岡山おいちゃんに、運転お手伝いとして指名されたので、嬉しいのと羨ましいのと悔しいのと、色んな感情が織り混ざりつつハンドルを握った。
岡山おいちゃん、嬉しそうだったなぁ。
その後も岡山おいちゃんは、新しい帰参者を与わってはおぢばがえりを繰り返した。そして、私もほぼ毎月、“運転お手伝い”としておぢばがえりできた。
ちょっと屈辱だったね。
その間、社部属次男さんも帰参者と共におぢばがえりしてたなぁ。本島あんちゃんは、けっこうマイペースで、俺は俺、みたいな変わりのない日常。帰参者さん?まぁ与えがあったらラッキー、くらいの感覚みたい。

私?そりゃ、いつまで経っても帰参者が無いので、凹んだり悔しかったり悲しかったりイライラしたり。もう、高田先生の呪縛(笑)かっ!て笑けてきたりと、心は勇んでなかったね。

こどもおぢばがえりのシーズンが終わり、次の塚は秋季大祭。
そう、おやさま御誕生200年の年といえば、真柱継承の年!10月25日が継承奉告祭。
「おぢばに帰りたいなぁ」
気は焦るばかり。

出来ることはなんでもやったよね。
その中で、ただ闇雲に歩くのもイヤだし、その日その日の時間はなかなか過ぎないし、なんかひのきしんでも毎日やれば、にをいがけに歩く時間も少なくなるわなぁ、ていう不届な動機から、毎朝の日課である、寮生みんなとの神名流し&12下りまなびのあと(そのあとは個々ににをいがけに出掛けるが)、すぐ近くの公園のトイレ掃除を思いついた。

トイレ掃除の初日。路上生活者が住み着く公園のトイレはすごく修羅場だった。車椅子利用者のためのトイレは、すでに路上生活者のお部屋だ。ひどい。
だけど、私が掃除用具をもってトイレ棟に入っていくと、すぐに明け渡してくれた。
それから毎日のトイレ掃除が始まった。
最初の約1ヶ月ほどは、掃除をしても掃除をしても翌朝には修羅場になっていたが、そのうち掃除後の綺麗さが保たれるようになってきた。

秋になった。
秋季大祭と継承奉告祭の日は近付いてくる。
焦る。
優しい優しい、親心いっぱいの寮長先生が
「奉告祭と大祭にみんなで帰ろう!」と声をかけて下さった。
泣いたね。嬉しかったね。
久しぶりのおぢば。泣けてきた。
帰参者を伴わずに帰ってきた、という引け目は多少あったが、やっぱりおぢばは心に元気と勇みを与えてくれた。
「次はきっと、必ずどなたかをお連れして帰ってきます。」とお誓いして岡山に戻った。

毎日変わらずの日課と公園トイレ掃除をしつつ、年末になった。
その頃は、歩いてても「あと1軒、あと1軒」と根気もついてきている。
「あと1軒」
玄関先にご婦人さんがいらっしゃる。
この方が、私の帰参者第1号となる方なのだ。

ここらへんで「其の2」を終わろうかな。
さぁーて、来週の藤田一憲は?
涙の初帰参、の1本です。
お楽しみに〜👋

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