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技術士建設部門【口頭試験】の傾向と対策//業務経歴・業務詳細と資質能力の紐づけ

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/建設部門【口頭試験】
/業務経歴・業務詳細と資質能力の紐づけ

【当ページ掲載記事の要旨】--------------------■
・口頭試験の概要
・口頭試験で問われる資質能力・コンピテンシー
・筆記試験の答案論文の復元・再考
・業務経歴・業務詳細と資質能力・コンピテンシーの紐づけ
※記入例を示したワークシート付き
 ・「業務経歴」×「資質能力」マトリックス
 ・「技術士倫理」&「技術士倫理綱領」×「3義務2責務」ワークシート
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注記)noteのテキストエディタでは表の作成が困難であるため、一部の記事は.doc又は.xlsをダウンロードする形式としている。


🟧口頭試験の概要

令和6年度 技術士第二次試験 受験申込み案内」や「平成31(2019)年度 技術士試験の概要について」においては、口頭試験は、

👉技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における記述式問題の答案 及び業務経歴を踏まえ実施する

とされている。

令和6年度 技術士第二次試験 受験申込み案内
出典)日本技術士会

このため実務経験証明書は、口頭試験を見据えて慎重に作成する必要がある。「技術士受験申込書/実務経験証明書/業務詳細小論文」の作成ポイントについては、「記入例」を含めて別記事を活用していただきたい。

令和6年度では7月15日(月・祝)に筆記試験が行われ、口頭試験は11月下旬からスタートするため、筆記試験が終わってから口頭試験が行われるまでは、口頭試験の期日にもよるが、最も短い受験者で約4カ月の期間があり、この期間を口頭試験対策として有意義に過ごしていただきたい。

先述した口頭試験の内容を踏まえると、筆記試験~口頭試験までの期間ですべきことには、
・筆記試験の答案論文の復元・再考
・実務経験証明書の記述内容の再確認
の2がある。

令和元年度の試験制度の改正以降の口頭試験では、実務経験証明書を基にした試問が占める割合が多くなっている。したがって当記事では、試問内容のうちの”業務経歴を踏まえて”の部分に主に着目し、口頭試験で問われる資質能力に対してどのように紐づけして対策を行えばよいか、すなわち実務経験証明書の記述内容の再確認をどのように行えばよいかについて詳しく解説する。

なお、”記述式問題の答案を踏まえて”の部分についても、簡単ではあるが、どのような対策を行っておくべきか解説している。

🟧口頭試験で問われる資質能力・コンピテンシー

技術士に求められるコンピテンシーは、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー」(文部科学省)に定義されており、「『技術士に求められる資質能力』の解説」にて詳しく解説されているので、熟読して理解する。

技術士に求められる資質能力
出典)文部科学省・日本技術士会

口頭試験では、技術士に求められる資質能力である、
①専門的学識
②問題解決
③マネジメント
④評価
⑤コミュニケーション
⑥リーダーシップ
⑦技術者倫理
⑧継続研さん
といった8つのうち、③~⑥の資質能力について問われることが基本であるが、”業務経歴等の内容を確認することがあります”とされているため、①②についても理解しておく(下図参照)。

図 技術士に求められる資質能力・コンピテンシー

口頭試験において、①専門的学識、②問題解決に関する試問があった場合には、受験申し込み時に提出した業務経歴等の内容について、試験官の理解が及ばなかった可能性が高いことも想定されるため、①②の資質能力に関する試問があった場合には、丁寧に、かつ簡潔明瞭に説明する。

🟧筆記試験の答案論文の復元・再考

筆記試験の答案の復元は、筆記試験直後(可能であれば筆記試験当日)に行い、口頭試験の対策としていただきたい。筆記試験で論文が書き終わったら、復元論文を作成するために数字や定義、キーワードなどを問題用紙の余白などに書き取る。

筆記試験の答案の復元は、試験当日に記述した論文の内容に関して最新の情報や新技術の動向などを確認したうえで行う。そうすれば、口頭試験で試問された場合にフォローアップしていることのアピールにもなる。

口頭試験対策としては、復元論文を基に以下の事項についも補足しておく。
・記述した内容に対する最新情報や新技術について説明できるようにする。
・他の解決方法はなかったか、あればそれに対する見解をまとめておく。

🟧業務経歴・業務詳細と資質能力・コンピテンシーの紐づけ

先述したとおり、口頭試験は「実務経験証明書」に基づいた試問も行われ、令和元年度の試験制度の改正以降の口頭試験では、実務経験証明書を基にした試問が占める割合多くなっていることから、実務経験証明書は口頭試験を見据えて慎重に作成する必要があることはすでに述べたとおりである。

実務経験証明書には、5行にまとめた業務内容と720文字以内で詳述した業務が記載されており、これらについて、
・コミュニケーション・リーダーシップ
・評価・マネジメント
の資質能力・コンピテンシーがそれぞれ問われる。

技術者倫理と継続研さんについても問われるため、実務を踏まえて試問されることを前提に、実務経験証明書の見直しを行って口頭試験に備えておくことが必要となる。

🟢「実務経験証明書」の記述内容の再確認と資質能力との紐付け

受験の申し込み(令和6年4月1日~4月15日)から口頭試験(令和6年11月下旬~令和7年1月中旬)まで最短の受験者でも7カ月以上の期間が経過している。

そのため、受験申し込み時に提出した実務経験証明書に記載した内容を再確認することが口頭試験対策として必須となる。再確認の再に、ただやみくもに目的もなく行うのではなく、口頭試験で問われる資質能力と照らし合わせて再確認するとともに、試問される資質能力と関連付けてどのように回答するかについても整理しておくことが必要となり、ここでは、これらの再確認・整理におけるポイントについて解説する。

口頭試験対策としての「実務経験証明書」の再確認・整理とは、技術的な課題とは別に、その内容を口頭試験で問われる資質能力の視点で再構築することである。すなわち、コミュニケーションやリーダーシップ、評価、マネジメント、技術者倫理、継続研さん6つの視点から評価・整理する作業のことである。

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