技術士建設部門【施工計画、施工設備及び積算】の傾向と対策//選択科目Ⅱ・Ⅲの出題傾向と国土交通白書のテーマの相関
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技術士建設部門 選択科目Ⅱ・Ⅲ【施工計画、施工設備及び積算】
出題傾向と国土交通白書のテーマの相関
【当ページ掲載記事の要旨】--------------------■
・選択科目Ⅱ-1【施工計画、施工設備及び積算】出題傾向と国土交通白書のテーマの相関
・選択科目Ⅱ-2【施工計画、施工設備及び積算】同上
・選択科目Ⅲ 【施工計画、施工設備及び積算】同上
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注記)noteのテキストエディタでは表の作成が困難であるため、一部の記事は.doc又は.xlsをダウンロードする形式としている。
🟦選択科目Ⅱ-1の出題傾向と白書との相関
必須科目Ⅱ-1は4問の出題の中から1問を選択して解答する形式であり、令和2年度の出題を例にとると、テーマは、
・抑制工と抑止工の適用の考え方と工法
・「公共工事標準請負契約約款」における発注者と受注者の義務
・橋梁下部工の施工の安全
・鉄筋コンクリート構造物の劣化現象と事前対策
であった。
抑制工と抑止工は令和2年度の「土質及び基礎」でも取り上げられており、「施工計画、施工設備及び積算」での設問としては珍しい内容である。
残りの3問は、令和元年度までと同様に入札・契約、安全管理、コンクリートの分野からそれぞれ出題されている。入札・契約は平成25年度以降では平成28年度と平成29年度を除いて毎年度出題されている。
「施工計画、施工設備及び積算」が対象とする普遍的なテーマが中心であり、公共工事標準請負契約約款に関する設問もそれほど難しい内容ではなく、実務の経験があれば容易に解答できたであろう。今後は平成30年度の「担い手三法」の改正や令和元年度の「多様な入札・契約方式」のような、時流を踏まえたテーマが出題される可能性が高い。
3問目の安全管理は、平成26年度から毎年度取り上げられている。出題文には「施工の安全」とのみ記載されているが、市街地を対象としていることから、労働災害と公衆災害の両面からの視点が問われているとみられる。公衆災害に関しては「建設工事公衆災害防止対策要綱」が改正され、2019年9月に施行されており、このような最近の施策も踏まえて述べるとよい。
コンクリートは平成25年度から毎年度出題されている分野である。劣化現象や補修については平成28年度に出題されている。令和2年度は中性化や塩害など出題文に5つの劣化機構から2つを選ぶ形とはいえ、「事前に取るべき対策」となると専門知識だけでは解答は難しい。コンクリートでは、平成27年度に寒中コンクリートが、平成30年度にはマスコンクリートがそれぞれテーマとなっているように、施工時の品質管理についても頻出テーマである。令和6年度はコンクリート打設時の留意事項も押さえておくとよい。
■令和2年度は異質な設問が含まれていたものの、全体の出題分野に大きな変更はなかった。出題傾向はほぼ定着してきているとみられることから、令和6年度は上記の入札・契約、安全管理、コンクリートに令和元年度までの地盤も加えた4つの分野を中心に、過去問の内容を確認されたい。軟弱地盤や土留めが再度取り上げられる可能性もある。
🟦選択科目Ⅱ-2の出題傾向と白書との相関
選択科目Ⅱ-2は2問の出題より1問を選択して解答する形式であり、令和2年度の出題を例にすると、1問は河川に建設する橋脚がテーマである。現場の状況が図示されており、出題文の冒頭にも詳細な条件が記されている。検討すべき事項が多くあるなかで、小問(1)で「2つ」に限定されている点が令和2年度の特徴である。論点を拡散せずに、重要な検討事項にいかに絞り込み、深く論述できるかが問われている。実務の経験がなければ、2つに絞ることは難しいであろう。例えば、(1)では作業用の仮設桟橋と河川内の仮締切の2つが検討事項として挙げられる。
小問(2)も、より具体的な記述を求めており、設問の内容が令和元年度とやや異なっている。「業務の工程を管理する際」とあることから、仮設桟橋では水田の耕作時期や河川の洪水時期を、仮締め切りでも洪水時期を留意点として示せばよい。
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