技術士建設部門【必須科目】の傾向と対策/必須科目【Ⅰ】求められる資質能力・コンピテンシーとその対策
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【当ページ掲載記事の要旨】--------------------■
・【必須科目Ⅰ】過去問から見る問われる資質・コンピテンシー
・【必須科目Ⅰ】問われる資質能力①:専門的学識
・【必須科目Ⅰ】問われる資質能力②:問題解決
・【必須科目Ⅰ】問われる資質能力③:評価
・【必須科目Ⅰ】問われる資質能力④:技術者倫理
・【必須科目Ⅰ】問われる資質能力⑤:コミュニケーション
・【必須科目Ⅰ】対策A:社会的に重要なテーマの絞り込み
・【必須科目Ⅰ】対策B:知識の蓄積
・【必須科目Ⅰ】対策C:論文のロジカル的な構成
・【必須科目Ⅰ】対策D:文章力の研鑽
・【必須科目Ⅰ】時事性の高いテーマの論文のロジカル構成例
注記)👉記事中の図表は、当記事の末尾よりダウンロード!
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🟦必須科目Ⅰで問われる資質・コンピテンシー
必須科目Ⅰは、平成24年度までは俗に「建設一般」や「部門一般」などと呼ばれ、記述式問題に対して答案用紙(600字詰め原稿用紙)3枚で解答する形式であり、平成25年度~平成30年度までは5指択一式問題となった。現行のコンピテンシーが問われる記述式問題に対して、答案用紙3枚で解答する形式となったのは令和元年度の試験制度の改正以降である。
下表に示すように、必須科目Ⅰは、技術部門全般にわたる
・専門知識
・応用能力
・問題解決能力及び課題遂行能力
を問う設問となっており、これらの概念、出題内容及び評価項目は従来よりも明確に示されている。
出題内容として「現代社会が抱えるさまざまな問題について、『技術部門』全般に関わる基礎的な園児リアリングの問題としての観点から」とあるが、この”現代社会が抱えているさまざまな問題”が必須科目Ⅰを分析する上でとても重要である。
人口減少や諸牛久お礼か、厳しさをます国際競争、激甚化する災害、高度成長期の多くのインフラの老朽化、SDGs等の持続可能性や環境問題、さらにICTの発展に伴うこれまでにない情報化社会への対応などの課題がテーマになってくるわけであるが、【2問】という出題枠の中でどのようなテーマをとりあげるかについては、部門ごとに異なる。
例えば建設部門であれば、他産業に比べて担い手の不足が顕著であるとともに、激甚化する災害への対応の担い手の分野であるといった背景から、生産性の向上と災害対応が取り上げられている。
このような部門ごとの現状や社会的役割と、過去10年間程度の出題テーマの傾向から令和6年度の出題テーマをある程度予測し、準備をすすめるとよい。ただし、予測テーマを極端に絞り込んだ、いわゆる「山掛け」はおすすめしない。
令和元年度の試験制度改正以降は、下表に示すように評価項目が各設問へ明確に振り分けられていることから、それぞれの評価項目が何を求めているのかを十分に理解し、解答に反映することが合格点である「A評価」への近道であるといえる。
▼以下に、各評価項目について、過去問を交えながら解説する。
🟦過去問に見る問われる資質能力
令和以5年度から平成30年度までにおける、必須科目Ⅰの過去問を見て、評価項目と問題内容を分析する。
🟠建設部門
🟡上下水道部門
🟢環境部門
必須科目Ⅰの過去問から見れれる、問われる内容とそのパターンは下表ならびに下図のとおりである。パターンにつていは、科目に関わらず下図の3パターンに区別される。
▼必須科目Ⅰの問題で要求されるコンピテンシーは、
・専門的学識
・問題解決
・評価
・コミュニケーション
・技術者倫理
の5項目であり、各項目の詳細について以下で見ていく。
🟦問われる資質能力①:専門的学識
─問題全般に適用─
■【専門的学識】[問題全般に適用]----------------------
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を応用すること。
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建設部門等の土木事業系部門を中心に、「我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること」に関する知識が問われる出題が、近年では続いている。すなわち、建設部門や選択科目に関する社会的に重要なテーマに関わる法令政策や施策等や社会経済、最新の技術の現状といったことを十分に理解しているか、といった観点で採点されていると考えられる。
近年であれば、問題となているインフラ老朽化や担い手不足について、
・どのような事例や問題や課題があるのか
・それはどのような原因によって引き起こされているのか
・なぜ老朽化インフラの維持管理が難しいのか
・それに対してどのように対処した施策や法整備等が進められているのか
といった知識が採点されているということである。
これらを具体的にすると、
・インフラ長寿命化計画やi-Construction
・建設DX
などの具体的な取組みについて、論述されているか否かで加点に差が付くということである。
したがって、社会的に時事的で重要なテーマについて、全体像を頭に入れるだけではなく、具体的な事例や施策、法令等について、あなたの意見を踏まえて論述できるだけの知識を身に付ける必要がある。
🟦問われる資質能力②:問題解決
■【問題解決】[小問(1)及び小問2)に適用]----------------------
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、調査してこれらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それたによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理性に基づき提案し、又は改善すること。
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この資質能力(コンピテンシー)については、「筆記試験における技術士に求められる資質能力の位置付け」に示しているとおり、課題抽出と方策提起の2つに代われているが、前者が小問(1)、後者が小問(2)に割り当てられている。
■[小問(1)(2)]-----------------------------------------------
・小問(1):【テーマ】に関して、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
・小問(2):小問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
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ここで悩ましいのが「問題」と「課題」の言葉の定義である。「修習技術者のための修習ガイドブック (H27.01) 日本技術士会」では、
として「目標値と現状値とのギャップ」と定義付けられている。また、「問題解決のステップ例」として次のように記載されている。
①「問題発見」(問題の明確化:目標値と現状値のギャップ)
②「問題分析」(背景、要因、原因の調査・分析・整理)
③「課題設定」(問題を解決するために為すべき課題を設定)
④「対策立案」(課題に対する実施事項の立案、採否・優先順位の決定)
⑤「実行計画書の作成」(実施事項の詳細、スケジュール、実施結果の評価基準)
⑥「対策実施」(実施、結果の確認)
⑦「評価」(結果の効果の評価)→①以降のステップ
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