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コミュニティマネージャーがいなくても成り立つ、シェアオフィスのコミュニティを大解剖!②

G Innovation Hub Yokohamaは、コミュニティマネージャーがいないシェアオフィスです。それでも、日常的に入居者同士が交流する仕組みがあり、自然と新たなビジネスが生まれています。その根幹にあるのは、お互いを尊重する思いと信頼です。今回は職業も世代も違う、ラージンガーマルセルさん(以下マルセル)、梨子木凌さん(以下梨子木)、占い師の葵レオラさん(以下葵)の3人に、スタッフ小室真知子が、Gでの過ごし方や入居者同志のつながり、Gへの思いなどについて聞きました。前回の内容はこちら


世代や職業が違っても気疲れしない、フラットな関係のコミュニティ

占い鑑定士の葵レオラさん(右)。 前職は占いにはまったく興味がないIT技術者。 それが、占いの魅力にハマり、 2019年にプロデビュー。鑑定件数は4年で6000件に。

小室:Gでは月1回、ランチタイムに交流会を企画していますが、最初の参加は緊張しましたか?

:実は、私、かなりの人見知りで。Gで唯一知っていた安永さんに不安を打ち明けたら、私と接点がありそうな入居者とつないでくれて、交流会で話をすることができました。こんな感じでコミュニティが大の苦手なんです。最初は安永さんがいるから大丈夫と思ってGに入ったのですが、スタッフの方が声をかけてくれたりしたので馴染めました。

小室:びっくり、人見知りとは思えなかった。

:本当に人見知りだし、コミュニティも苦手なんです。コミュニティって上に立とうとする人がいたりとかいろいろありませんか?

マルセル:ここはマウントをとるような人がいないからいいのかもね。自分も以前借りていたシェアオフィスは、規模が大きいところだったので入居者がグループ化するんですよ。そのどこに入っている、どこに入っていないっていうのが面倒くさくて、それで辞めていった人もいたし、意識するのも疲れるっていうか。

:ここはそれがないからコミュニティであって、コミュニティでない感じがします。

マルセル:それってやろうと思ってできるものじゃないから難しいけど、バランスがうまく取れているのがいいですよね。

コミュニティマネージャーがいないシェアオフィスだからこそ、オープンイノベーションを生む

梨子木凌さん(左)。メーカーの技術職を経て、フリーランスに。グラフィックデザインや新規事業のプロジェクトマネージャーを得意とする。現在は、個別野球指導塾、パーソナルトレーニングジムの運営にコミット。

:梨子木さんはコミュニティに参加するのは得意ですか?

梨子木:得意でもなく苦手でもなく、馴染めちゃう感じです。

小室:梨子木さんはGの中で若い方だから皆さん年上になるけど、 そういう部分で緊張みたいなものはありますか?

梨子木:全然ないです(笑)あまり人見知りもしない方なんですけど、最初は少し緊張したかな。でも馴染めたのはスタッフの方のおかげもあります。

マルセル:スタッフの存在は大きいですよね。

小室:Gってコミュニティマネージャーをおいていないのですが、そもそもは、コミュニティマネージャーという役割を作ると「この人とこの人をくっつけよう」と頑張っちゃうからやめたんです。それって、自然なコミュニティじゃないし、コミュニティマネージャーが変わるとコミュニティ自体もか変わってしまいそうだし。なので私はスタッフという立場なのですが、実は入居者の感覚なんですよね。受付のスペースを借りていて、Gの仕事をしている入居者。街でいうなら、おせっかいな近所のおばちゃんの立ち位置だと思っています。

:それがGの空気感なのかな。本当に変な雰囲気を作らないって、素晴らしいと思いますよ。

小室:それは日々気を付けています。

マルセル:スタッフ自身が入居者の感覚だから、入居前にこの人はGに合いそうって考えてそこでコントロールされているからいいのかな。自分の周りに人を群がらせるような空気がある人には他のシェアオフィスをすすめるでしょ?

小室:それはありますね。「俺、社長」みたいな雰囲気を出すような人が入居を希望してくる時もあるけど、Gにいる人って誰も社長感出してないですよね。スタッフも、入居者同志も、「さん」付けで呼び合うし。

マルセル:自分はサービス受ける側っていう態度の人は合わないですよね。Gってサービスを受けるっていう感じではなくて、オープンイノベーション的な雰囲気で、できることは自分でやるし、「これやります、一緒にやりたければやりましょう」という感じだし。

:私の知り合いもGに来るとみんな驚くんですけど、パソコンとかの私物をみんな置きっぱなしにできるところがすごいと思うんですよ。カフェとかだったら絶対に危ないし、シェアオフィスだとしても大事な私物を置いておくって結構抵抗感あると思うんですけど、ここは「置いておいて大丈夫だよー」っていう雰囲気。スタッフがいない土日に来ると特にみんなの中にちゃんとしたルールがあることを感じますね。昔、玄関のカギ開けっ放しでも大丈夫っていう時代があったと思うんですけど、あの感じが保たれているのが素晴らしいですよね。

小室:雰囲気は昭和ですよね(笑)それはGがオープンした時からで、入居者がみんなお互いさまみたいな気持ちで入ってきてるから、保たれているんでしょうね。

:最初はうまくいっていても、だんだんと色々なものが入ってくるわけじゃないですか。そこをスタッフの判断できちんと選り分けているのがすごいと思います。あと、入居者じゃない人も結構出入りしますよね。日曜日に私が知人を連れてGに来て、自分の接客をしている間に待っていてもらっていたら、別の入居者のもとに来ていたお客さんと意気投合していたなんてこともあって。

小室:お客さん同士が仲良くなるっていうのは結構あるんですよ。隣り合ったそれぞれのテーブルで全然違う打ち合わせをしているのに、途中から一緒になって打ち合わせしているとか(笑)

:Gは入居者それぞれがここに誰を連れて来たいかというのを無意識に考えて人を連れてきている場所なんだと思いますね。

夏休みは子どもも一緒に!幅広い世代が集えるシェアオフィス

ラージンガーマルセルさん。アドバンテージオーストリア(在日オーストリア大使館商務部)勤務時代に培ったEU諸国とのネットワークを生かし、日本とEUの企業をつなぐ架け橋として事業を展開。

マルセル:前にスタッフがキーマカレー作った交流会の時に娘を連れてきたから、うちの娘はキーマカレーを食べる所だと思ってる(笑)。子どもも楽しめるイベントをここでやっていたら家族や子どもがいても仕事ができていいな。
 
:みんなが家族を連れてくるイベントとか楽しそう!

マルセル:昨年の夏休みごろに子どもを連れてきても大丈夫なイベントやっていましたよね?

小室:企画しましたね。みんなで流しそうめんをやりました。Gって広告を打つときもターゲットを絞っていなくて、20代の梨子木さんもいるし、囲碁を楽しんでいる70代の人もいるし、自然と幅広くなっていたんですよ。どの年代の人もいるっていうのが、社会みたいでしょ。1つの町のようでもあるのが面白いと思っていて。似た人ばかりだと似たような思考になるし、ある種の色が出てきちゃうと思うんですけど、あえてごちゃごちゃでいることによって、 何か面白いことが起きそうっていうのをすごく感じていますね。国籍の違う人も増えてきたし、面白いなって。だから皆さん、子どもがいても温かい目を向けてくれるのかなと思います。

:出会えないような人とかにも出会えますからね。ただ、顔見知りになる人もいるけど、顔を知らない人は知らないままなんですよね。入居者を写真付きで紹介しているコーナーは参考になるんですけど、できれば顔を知らない人がいないほうがいいなって思います。

小室:それはいつも課題として考えていますね。もっとみんなが仲良くなる方法がないかなって。あえて一斉メールとかではなく、回覧板を手渡しで回すようにしようかとか(笑)それならコミュニケーションをとらざる得ないですよね。

次回に続く


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