丁寧の人 猿飛流選手の復活を喜ぶ
修斗で会えるパンクラシスト 猿飛流選手
たまに、他団体の会場で、「へぇ~修斗以外も見るんですね…。」みたいなことを言われるが、RIZIN、UFCをはじめ、他団体も全部ではないけど、チェックしているし、気になる試合は見に行くようにしている。
まぁ、でも、確かに、観戦数は多くないから、修斗以外の団体の選手については、知っている情報は浅くなるし、パーソナリティまで知っている選手となるとだいぶ限られる。
そんな中で、パンクラス・元フライ級王者、猿飛流選手こと榎本悟選手については、ずっと気になって追っている。
実は、この元KOPは、毎回のように修斗の会場で見かける。大竹選手、椿選手、SASUKE選手、そして実弟の榎本明選手が修斗に出場すれば、ある試合ではセコンドにつき、ある試合では遠巻きに眺め、檄を飛ばす。
普段、練習をともにする選手が出れば、必ず来場しているから、高頻度で修斗の会場で見かけるパンクラシストが、猿飛流選手なのだ。
正直、たまにしか修斗に出場しない選手より、よほどよく見かけるので、親近感もずっと高い。
猿飛流選手のお人柄
猿飛流選手とは、神田駅でバッタリお目にかかったことがある。
当時、よく通っていた東京カオマンガイを食べて帰ろうとすると、たまたま駅で猿飛流選手をお見かけしたので、思い切って声を掛けさせていただいた。(普段、オフの選手にはあまり声を掛けないのです)
「猿飛流選手ですよね?」と声を掛けた時、のけぞるように「おわぁぁぁ~」と驚く様子は、猿飛流選手をご存じの方なら思い浮かぶと思う。
Gigioですと名乗って、少しだけお話しすると、猿飛流選手から、「お会いできて良かったです。握手させて下さい!」といって、両手を差し出してくれたので、がっちり握手させていただいた。
客観的に見ると、どちらが憧れのプロ選手で、どちらがファンなのかわからない状況だが、それが素の悟選手なのだろう。
その節は、丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。
また、偶然、RIZINの会場でお会いしたとき、先日のご自身の試合や、一緒に練習をする征矢貴選手のお話などを聞かせていただいたのだが、最後に、「写真を撮らせて下さい」とお願いすると、突然、悟選手が何かを思い出したように天を仰いだ。
「(少し前に獲ったばかりの)パンクラスのベルトを持っていれば良かったんですが…。すみません、ベルトはずっと借りていたんですけど、先日、返したところなんです。申し訳ない。」
いやいやいやいや、全然、謝る所じゃないですよ!
たまたま、本当に偶然会っただけのファンのために、パンクラスの大事なベルトを持ち歩いているわけもなく、それが申し訳ないっていう発想に驚いた。
なんというか、これは、この悟選手のお人柄の発現そのものなのだろうな、と思った。本当にファン思いで、いや、出会う人、関わる人すべてに優しい、素晴らしい方だ。
修斗の会場でも、同じように感じることがあった。
とにかく、誰に対しても丁寧に対応する姿を、毎回見ている。
最近は、会えばご挨拶や立ち話をさせていただいているが、そこは本当に、ずっと変わらない。
この、榎本悟という人ほど、人に対して、真摯で丁寧な格闘家は、そうはいないと思う。
格闘技にまっすぐ向き合う
そんな猿飛流選手だが、少し精神を病んで戦いから離れていた時期もある。
そのあたりのことは、木暮さんが密着していて、ご本人が語られているので、是非、こちらをご覧いただきたい。
紆余曲折あって、パンクラスで再起戦。そこから勝利を重ねて、ベルトへの挑戦。
純粋で、まっすぐで、とりあえず見栄えを取り繕うようなこととは縁遠い人だから、喜びも悲しみも、全てが心を直撃するのだろうな、と思った。
それだけに、ベルトを獲ったときの喜びはひとしおだったと思う。
一方で、鶴屋怜選手を相手に、ベルトを失ったときの悔しさも、相当なものだったに違いない。
けれど、猿飛流選手は気持ちを切り替えて、もともとの目標であるUFCという舞台を目指す。その道として、オーストラリアでEtarnal MMAの試合に挑む。
なお、余談というには余りに面白すぎる渡航準備については、盟友のSASUKE選手がnoteに綴っているので、そちらをご参照下さい。
(やっぱり、どんなに素晴らしい人でも、やっぱり、格闘家は格闘家だな…と思う一件でもある。)
このオーストラリアでの挑戦も、残念ながら思っていた通りには行かなかったが、個人的には、一時は練習すらできなかったのに、格闘技と向き合い、強さとは何かに向き合い、そして、最大の夢であるUFCに向かって、きっちり自分の足で踏み出した猿飛流選手は、心底格好いいと思う。
12月15日 パンクラスで再起戦決定
その後、少し時間が流れた。
その間、猿飛流選手は、色々と方向に迷うことがあったと思う。
ごくごくちょっとだけだが、その思いを聞かせてもらったことがある。自分としては、こうなってくれると良いなぁという思いもあったが、全てはご本人が決めること。どうなるかな、と思って待っていた。
そして、遂に再始動が決まった。
2024年12月15日、パンクラスで復帰戦。対戦相手は、ジョセフ・カマチョ選手。国際戦だ。
猿飛流選手が、帰るべき所に帰ってきた。そして、この元王者を再び迎えるために、良いカードを組んでくれた。パンクラスにも感謝したい。ここで勝てば、再びベルト挑戦の道も切り開かれていくことでしょう。
ただ、その日は、修斗の新宿FACE大会があるから、できたら昼興行で戦ってくれれば応援に行けるのだが…。ここまで書いておいて、会場に行けなかったらサーセン…。
(※後日、PANCRASE351に決定。夜興行に参戦。)
とにかく、私は、猿飛流選手が行けるところまで行くのを見届けたいし、ずっと応援したい。それくらい、榎本悟という人に敬意を持っている。
格闘家としての生活が終わり、榎本悟に戻ったとき、周りの人に笑顔で囲まれていますように。
猿飛流選手として後悔なく、幸せな格闘家人生だったな、と振り返ることができますように。
頑張ってください。全力応援いたします。
おわりに
ヘッダーに使っている写真は、2022年12月のパンクラス横浜大会で、チャンピオンシップに挑む猿飛流選手が、ケージに入る前に、大事なパンクラスのベルトを額につけて、祈るような、願うような…そんな姿を写した写真です。
猿飛流選手には、この写真を非常に気に入ってもらって、今もアイコンに使ってもらっています。
けれど、今度は、ベルトを誇らしげに巻いた姿を撮りたいと思っています。その時は、またアイコンに使って下さい。
猿飛流選手のSNS
追記
猿飛流選手の試合は、PANCRASE351に決定。夜興行だ!