プロ修斗香川大会 闘裸男×FORCEを観に行くということ(3)
今回のプロ修斗香川大会 闘裸男×FORCEの特徴の一つは、1ヶ月の間にプロ修斗が4大会も開かれるという、過密なほどに濃縮された雰囲気の中で開催されたということでしょう。
その中でも、12月13日の香川大会と、それに先だって行われた11月29日の沖縄大会の結びつきの強さは、これからの地方大会のあり方を変えるほどに大事だったと思います。
Theパラエストラ沖縄主催大会 プロ修斗沖縄大会
今年のプロ修斗沖縄大会は、本来であれば、春と秋の2回にわたり開催される予定でした。僕自身、春大会はチケットも買い、行くつもりでいましたが、残念ながら中止に。あのときの状況を思えばやむを得なかったですね。
そんな沖縄大会も、その後の状況の変化と様々な準備を重ね、ついに、11月29日の開催が発表されました。
若手主体のカードが中心ながら、メインに世界ランカーの木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅選手vs昨年度新人王 当真佳直選手という、修斗伝統の試練の一戦をここでぶつけてきました。
素晴らしいカード発表なのに、手放しに喜んでいない様子がうかがえるかもしれませんが、その通りです…。
色々あって、沖縄大会だけは、今回、パスすることにしたんですが、そこにこんな超優良カード持ってこられたら、喜び7割、見られない無念2割、見に行ける人への嫉妬1割とか色んな感情が渦巻くわけです。
ツイキャスでの配信
この沖縄大会では、大会の様子をツイキャスにより有料配信されることも発表されました。
修斗というと、ABEMAの無料放送を思い浮かべるかもしれませんが、残念ながら、地方大会の放送はありません。
その代わり、ツイキャスでの有料配信が用意されたことは、非常にありがたいなと感じました。
発表の時点ではよく知らなかったのですが、ツイキャスでの配信は、プロ修斗などで活躍したプロ選手である木暮聡選手が担当されているとのこと。
木暮さんは、以前から沖縄大会の映像を担当されたり、youtubeチャンネルやゲーム配信なども手がけていらっしゃいましたし、まさに格闘技配信の舞台の表(試合)も裏(映像)も知っているわけで、適任ですよね。
もっとも、興行の本格的な配信となれば、当然コストがかかってくるわけで、全体の収益構造はよくわかりませんが、入場チケットと同様、コストを回収し、利益を出すためにも、多くの人にPPVを買ってもらう必要があるでしょう。
そして、多くの人に買ってもらうためには、多くの人に知ってもらう必要があり、ここでも地方大会の厄介な課題が出てきます。
知らない人に、その選手を知ってもらうということ
しかし、ここからが凄かった。
何度も書いたことですが、「知らない選手がいる」というのは、ファンの興味を削ぐ要素になりかねません。
また、今回の沖縄大会は、客席数も減らし、減ったゲート収入を補う必要もあり、ツイキャスでの有料配信の数も相当数確保したかったと思います。そのためには、「知らない選手がいる」という状況をひっくり返し、「知っている選手」に変えて関心を呼ぶ必要があります。
そんな中で、取られた方策が、数々のプロモーションビデオをリリースするということであり、youtubeを利用して事前特集を組むということで、この物量作戦には相当驚きました。
いわゆる煽りVと呼ばれるような、選手を掘り下げ、この試合の意味を紹介するようなビデオって、作るのも大変だし、全くやらない団体、大会も珍しくありません。
また、試合会場で一回限り流れることはあっても、事前のプロモーションに使われることは意外と少ないんですよね。
それが、沖縄大会ではバンバン、リリースされていきます。
これを見て、「知らない選手がいる」とは言えないよっていうくらい、充実しています。
さらに、畳みかけるように、沖縄大会を主催する松根さんが自ら見所を語る見所解説特番のyoutubeが、EVERGROUNDのマリコさん、事務局のヤスナリさんととともに収録して公開。
これだけ手厚く情報を提供してくれたら、どんな選手が出て、何を楽しみに試合を見れば良いかが丸わかり!というところまでファンをサポートしてくれています。
おそらくですが、この取り組みは、選手にとってもありがたいのではないでしょうか。純粋にモチベーションも上がるでしょうし、たとえば、チケットを売るにあたっても便利だろうし、スポンサーを探すにしても、自分の試合がファンにどれくらい楽しみにされているかを伝えるツールにもなる。
万能では?
それくらい、この沖縄大会の復活には、用意周到に、相当な熱量を持って運営が臨んでいることが良く伝わりました。
沖縄大会から香川大会へ
当然のように、プロ修斗沖縄大会は成功に終わりました。
どの試合も面白く、配信解説も岡田遼チャンプを迎えて豪華にして的確、技術解説と話術で楽しいものでした。
相当の数のファンが有料配信を買ってくれたとも聞きます。まさに、準備の時点で成功が約束された、ということなのでしょう。
ただ、その反動で、沖縄大会にここまでの成功を見せつけられて、香川大会はどうなるのだろう…と少し不安にも思ったのですが、心配無用でした。
むしろ、ここから加速して、さらに凄いことになっていきます。
香川大会に3人の選手を送り込む沖縄側が、引き続き、膨大なプロモーションを展開してサポートしてくれたのです。ホント、こんなことある?って思いました。
沖縄のMMA二大巨頭である、パンクラス王の砂辺さんと松根さんが語る見所解説。
沖縄大会に引き続き、香川大会の見所も解説してくれる松根さん、EVERGROUNDのマリコさん、事務局のヤスナリさん。
宮城友一選手に至っては、オリジナルの格好いいPVまで用意してくれて、どんどん盛り上がっていきます。
加えて、木暮さんによるPVも主要カードで公開。文句なしの事前プロモーションだったと思います。
おかげで、ファンの予習は万全。今まで知らなかった人たちも大いに引き込まれたでしょうし、それがツイキャスの購入にも結びついたでしょう。
仮に、今回は購入に結びつかなくても、来年以降の、沖縄大会、香川大会に向けて知名度を高める種が蒔かれたと感じました。
なんか、こういうのって嬉しいですよね。とりわけ、自分たちの沖縄大会を無事に成功させて、なおも香川大会のために尽力してくれる関係者の皆さん見て、本当に感動しました。
TEAM沖縄というか、ジムを超え、立場を超えて、沖縄勢が一体となって選手を香川大会に送り出すのを見て、心が熱くなる思いです。
これは、ファンも協力して、よりいっそう香川大会を盛り上げなくてはいけないな、と思いました。