穴を掘って埋めるだけ

・でかい山の登山に行ってきました。写真は1枚だけ。気づく人は気づく。

・応援していてくださった皆様、本当にありがとうございました。

・以下、感想を書いていきます。

・天気が本当に良かった。応援のおかげかも。山に登っているときは、霧の中に入ってほとんど景色が見えなくなる(これを「ガスる」という)ことがあるのだが、それが一度も起きず、ずっと晴れの中の山行で、本当に素敵だった。景色がいいと登る気になるね

・とはいえ登っている間も下っている間も当然辛いタイミングはあり、一緒に登った友達と、「地獄だね」「つらめの地獄」と言い合っていた。「優しめの地獄」が出てくることもあった。山登りは、控えめに言っても地獄だと思う。足はずっと痛い。頭痛がある時もある。汗は滝のように流れてくる。

・でも、山頂に着くと、やって良かったなって思う。山頂から富士山が見えて、他の山は連峰として連なっている中で、一つだけ、単独峰で素敵だった。信仰の対象になるのもわかる神々しさだった。

・山小屋で飲んだチューハイと夕食が本当に美味しかった、山で食べるご飯が美味しいのは、疲れたからと、頑張ったからであり、イメージとしては、体育の授業の後に水をがぶ飲みする時とよく似ていると思う。

・友達が「登山って、穴を掘って埋めてるだけだから」と言っていた。確かに、誰にも言われてないのに登って下りてというのは、穴を掘って埋める行為によく似ている。でもそこで「人生もそうじゃない?」と自分は返した。人生も、誰かがゴールを決めてくれるわけじゃなくて、それでも意味があるんじゃないかと穴を掘り続けることで、案外楽しくなっていくのだと思う。

・下山中、40代くらいから60代くらいの方がいるグループの方とすれ違った。その方々が登るのを待っている時、その先頭の方とこんな会話をした。
「すみません(待ってくれて)ありがとうございます」
「大丈夫です!」
「多くてすみませんね、8人で登ってて」
「いえ、羨ましいです!(我々は2人だったので)」
「はは、もうこのメンバーで登って20年とかですよ」

・一緒に登った友達とは、一年に一度大きな山に登ろうと言って、今回が3年目であった。これが20年後まで続くこともあるのかな、あの人たちはなんのグループなんだろう、山に登る人ってみんな違うけど同じことをしてて、名前も知らないのにすれ違うと挨拶して、一言話すことがあって、それはすごく楽しい部分だと思う。

・電車に揺られ帰る前に、駅で本を買ったところ、たまたま登山を扱った小説だった。あまり表紙を見ずに買ったので、面白かった。今回候補地にしていた山も出てきていて、来年はここかなあ。となんとなく感じた。

・帰りの電車の中で、お互いに似た指輪をしている初老のご夫婦がずっと向かい合った席でお話をしていた。それ以外に何もアクセサリーをつけてないのが、その指輪をより輝かせているように見えた。

・登山で1番好きなのは、深夜に見える星空(今回はすごく綺麗に見えました。天の川も。)と、家に帰った後、お風呂に入って家の布団に入った瞬間だと思う。2つ目はみんなそうなんじゃないかな。おうち大好き!!!!

・終わり。さっきその友達から「楽しい地獄だった!」というラインが来た。皆さんもぜひ登山してみてください。楽しい地獄ですよ。

気狂いの人はお願いします。気を狂わせて何かします。