一度も袖を通さなかったドレスが教えてくれること ー「ミセス・ハリス パリへ行く」
おいおい、そんなうまくいく話あるかーい!・・・とケチのひとつもつけたくなっちゃうのだが。
話が進むにつれて、とーーーーっても大事なことに気づかされてく話。
それにしても、1着のドレスが
イチ庶民の人生をここまで変えてしまうのだから
ディオールすご。
(以下、ネタバレを含みます。ご了承いただける方のみ、読み進めてください)
🎬 ときめきが嵐を呼ぶ
人様の家の鍵を預かり
家人の暮らしの足跡を消すように
掃除をし
物を片付け
跡形もなく綺麗にして
また鍵を閉める
そんな家政婦の仕事の傍ら 出会った
1枚のドレスは
クリスチャン・ディオール
オートクチュールのドレスでした
美しさに目を奪われるのは
誰しも同じ
ただこのミセスのすごいトコは
わたしも買う!と決めること
懸賞に応募し
さらに仕事を増やして
一日の終わり 友人との食事の間も
針仕事の手を休めず
かと思えば
気晴らしにと誘われたドッグレースで
何を血迷ったか
大枚はたいちゃう
(貯めたお金がパー笑笑)
だけどこのおばさま
手が届かない。で終わらせないんです。
🎬 正直さが引き寄せる
すったもんだの末に
ミセス・ハリスは
念願の500ポンドと飛行機代を貯め
パリへ飛び立つ
憧れのディオールへ辿り着くも
スタッフは当然のごとく?冷たいあしらい。
それでも彼女は
いつもどこでも誰相手でも
異国の地でも
言葉が片言でも
正直に在り続け
感じたことをそのまま表現し
思ったことはそのまま口にする
だから
そんなミセスを
助けてくれる人たちが現れる
入れる筈もなかったショーに
招き入れられ
泊まる部屋まで世話してもらい
日帰りのお買い物(…のつもりなところが庶民ですが笑)ツアーは
2週間のパリ滞在となリます。
🎬 透明人間が纏うのは…
メゾンの中の人間模様
えらい人も
そうでない人も
きらびやかな世界の人も
つつましい世界の人も
それぞれの立場で
背負ったものがある
天敵のように見える人が
実は似たような境遇だったり
かなーりデキそうな人が
ビビりだったり
大活躍な人は
本当の想いを隠していたり
ミセス・ハリスは
誰を相手にしても
本当に見事なまでに変わらない
そんなつもりはまるでなく笑
グラン・メゾンの内部改革までやってのけちゃう笑笑
まるで
“透明人間”だからこそ
自由にやれるのよ。と言う声が聞こえてきそう
ミセス・ハリス、あなたはどこで
そのドレスを着るの?
と問われれば
「これは私の夢なの」とキッパリ言い切る。
🎬 ドレスの価値
晴れてディオールのドレスを手に入れ
ミセス・ハリスはロンドンへ帰ります
いつもの毎日に戻った時
困って泣きついてきた子に
そのドレスを貸す(えぇ?)
翌日、その子の家に行くと
黒焦げのドレス(!)と書き置きが。
(い、一度も着ないで
終わっちゃったのーーーーーー???)
ミセス・ハリスは
ドレスをスーツケースに詰め
鍵を郵便受けに放り込む
黒焦げのドレスを
初めてディオールと出会った時と同じように
胸に抱き
毎日歩いて渡る橋の上から
投げ捨てる
(せ、切ないお顔!😭)
すっかり気落ちし
引きこもってしまう彼女を
親友とご近所さんが救う
なぜあんな子にドレス貸したの?
と聞かれて
「あのドレスは見せるものよ」
と答える彼女は
ただ買っただけじゃない
ディオールの価値を肌で感じてきた
それが2週間のパリの旅
彼女は初めて
ディオールと出会わせてくれたお宅の
奥さん
自分を働かせるだけ働かせっぱなしの女に
「今までの給金をすべて払ってください」
と要求します
それまで言えなかったことを
口にする
(彼女にも言えないことがあったのね)
奥さん「辞めるの?」
↑払う気ないやん笑
「私を見下す人に忠誠は誓えません」
ドレスなどなかった私でも
ドレスがなくなった私でも
わたしという人間の
真の価値は変わらない
そう、外へ言い切れたから。
パリで出会った人たちから
あたたかい想いが届きます
新しいドレスと
花束になって。
(写真はお借りしました)
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