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オウム返しと「脳内お返事リスト」
教会の昼食の時間。
通りすがりの牧師先生に「お昼ご飯いっぱい召し上がれ!」と話しかけられ、そのまま先生が話した内容の語尾を繰り返し、
「召し上がれ!」
と返事をしてしまった。
その返事を聞いた先生が一瞬戸惑い、再び「いっぱいお昼ご飯食べてね!」と言い直してくれたが、それでも
「食べてね!」
としか返せなかった。
こんなんだから、よく「いい年の大人が、何子供のような返事をしているのか」と思われがちだ。
でも、私だってそのようなオウム返しの返事はおかしいと知っている。
それに、正しい返事の仕方が分からない訳ではないのだ(「ありがとうございます」とか、「先生もたくさん召し上がって下さい」とか)。
ただ、正しい返事を出すには時間が必要なのだ。
脳内の「お返事リスト」から適切な内容を
探し出さなければならないからだ。
多くの人にとっては一般的な挨拶でも、私はびっくりする。
急に声を掛けられると、どうしても慌ててしまうのだ。
更に、挨拶に対する返事は即時性が求められる。
落ち着いてゆっくり会話出来る環境なら、じっくりと「脳内お返事リスト」からその場に合った回答を選べるが、いきなり話されると、返事をすぐに見つけられない。
以前は、出来る限り正しく返そうとした。
すぐに答えず、適切な回答を考えてから返事していた。
が、うわべではただボーっとしているようにしか見えなかったようで、よく変な目で見られた。
それ以来、黙っていることに恐怖を感じるようになった。
直ちに返事しなければ!
と思いつつも、頭は真っ白のまま。
それでも取り敢えず何か返事しなければと焦った結果、オウム返しになってしまったということだ。
常用の挨拶パターンはもう慣れた。
「こんにちは」とか、「お疲れ様です」とか。
これらの類は、それなりに数をこなしてきたから、素早く返事が出来るようになった。
問題は、聞き慣れない挨拶。
前もって「脳内お返事リスト」に対応法がストックされていないので、どうしたら良いか分からない。
そんな時は、自分なりにまず答えてみて、相手の反応を見るようにし、その反応によって、今の返事は良かったか・悪かったかを判断する。
次回また似たような内容が来たら、より良い返事が出来るよう準備しておくのだ。
そうやって、どんどんリストにストックを追加していく。
「全然普通に見える!」裏で、実はこんな努力がされているのだ。
ちなみに私はこれを、「普通修行」と呼んでいる。
(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/06/18/080000)
(画像素材元:https://ja.pngtree.com/)
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