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30歳でようやく成人ーー発達障害精神年齢3分の2説

成人年齢を迎えた日

 現時点での日本成人年齢は20歳であるが、中国では18歳だ。

 試験勉強真っ只中だから、センター試験を迎ようとしていたある日、ふと気付いたら成人を迎えてしまった、なんてことも珍しくない。
 私もその一人である。

 高校の下校時間にカバンをぶんぶん振り回しながら「私達ももう18だねぇ、大人だねぇ、堂々とデンジャラスなこと出来るねぇ」と友達とふざけ合ってたあの日は今でも覚えている。


 私の地元では、20歳の若さにして立派に功を立てた政治家がたくさんいた。
 今でもその偉功は記念されていて、歴史の教科書に書かれたり、博物館で紹介されたりしている。
 「昔の時代は、今と違って、一人一人がしっかり自分の立場・身分を分かっていたからねぇ」と母は言う。
 「だから、のらりくらりしてられないわけさ」

 つまり今の成人達は比較的幼稚だということなのか。
 うんうんとなんとなく頷いていたが、後になって自分の精神年齢が他の子の3、4年ぐらい遅く発達していることを知るのであった。

 

同級生が大人っぽく見えた

 その差はより顕著になったのは高校卒業後、大学に入ってからだ。

 とにかくみんながすごく大人に見えた。
 自分の将来を真剣に語ったり、冷静に一つ一つの課題に迎えられたり、上手に感情のコントロールも出来る。
 そんな同級生の姿は、とても高くて大きくて、そして遠く感じた。

 一方、私は大学生になっても相変わらずだった。
 花とか育てて絵日記を描いたり、四六時中妄想癖に陥ってはメルヘンな世界を一人勝手に旅立ったり。
 授業はなんとなく受けていただけで目標も無く、取り敢えず単位が取れていれば良かった。

 就職?人生?これからの道?
 これらについては、ほぼ考えもしなかった。

 私もきちんと20数年生き、似たような教育を受け、同じように育てられたはずだ。
 なのに自分はどうしてみんなのような「大人の意識」を持ち、「大人の行動」が出来ないのだろうか。


大人になれなかった理由

 もっとしっかりとした人になりたい、そう願いつつ、見よう見まねでしてみたこともあった。
 短期間ではそう出来たつもりでいたが、非常に疲れ、しばらくするとまた幼い自分に戻った。

 家族はもちろん焦った。
 「なんでこの子は成人しても行いが子供のままなのだろう」とよく心配されたものだ。

 「何でそう幼稚なの?」としょっちゅう聞かれていたが、その答えはこっちが知りたかった。


意識してちゃんとしようとしても、
どうしても出来なかったのだから。

 
 発達障害というワードとの出会いうんぬんは割愛するとして、とにかくその後自分にもその傾向があることを知り、「発達障害精神年齢3分の2説」を知り、ようやく大人になれなかった理由が分かった。

 

 発達障害の精神年齢=肉体年齢の3分の2

 

 なるほど、つまり私は
12歳で大学に入学したということだ。

 

 心は小学6年生のまま。
 それでまだ絵日記とか、妄想ばかりしていたのだ。

 

 

30歳で成人:成長の日は、必ず来る

 謎が解かれ、自分に合った生き方を探し、工夫をしながら生きやすさを求めて早数年。

 生活が段々安定し、私は「発達障害精神年齢3分の2説」である20歳ーー30歳を迎えようとしている。
 これでようやく私も大人になれるという訳だ。

 

 不思議と、20代後半から徐々に気持ちも落ち着き、考えも成熟してきたのだから驚きだ。

 「発達障害精神年齢3分の2説」はズバリだったんだと。

  そして、

他の人より遅くても、

育つ日、成長の日は

いつかきっと来るんだということを知った。

 さぁ、一人でこっそり成人式でもやるかな。

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2020/01/23/080000)

(画像素材元:https://pixabay.com/ja)

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