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「また練習に付き合わされたのよ」 妹が中学生だった頃、よく放課後にこう愚痴をこぼしていた。 「また?」 「そう。例の子。 自分で書いた曲だかなんだか知らないけど、いちいち私に弾かせるの」 妹が言う「例の子」というのは、クラスメイトの一人だ。 女の子で、音楽が大好きらしく、よく自分で作曲をしているらしい。 そしてピアノが出来る妹にお願いして弾いてもらい、曲の効果をチェックしているのだとか。 「毎回すごく時間がかかるの。彼女が満足するまで曲
「もっと良くなりたい」。 これは全ての発展において、欠けてはならない大事な気持ちだ。 その気持ちが原動力となって、人が成長し、社会が進歩し、文明も発達出来た。 時代の流れに取り残されない為にも、向上心は不可欠である。 だから、どんな時でも「このままでいいや」と満足せず、上を目指すべきだと、私は思っている。 けど、これを行うにあたって、忘れてはならないことがある。 心の器を大きく強く磨いていくことだ。 大きな夢をえがいては、 「今す
粗探しのように生徒の不足に目を付けては、叱りつける。 どこの大学院にも、必ずといって良いほど、こんな教授は一人ぐらいはいただろう。 私が通っていた大学院にも、そんな厳しさで有名な教授が一人いた。 その教授はブログを運営していたが、研究課題関連の記事だけでなく、何か院生に対する不満や、「いまどきの若者のけしからん」ところをもつらつらと記事の中で述べていた。 耳が痛くなるような内容が多く、出来ればその方のブログは読みたくないものだったが、何故か全院生には当教授の