四苦八苦のアルバイト
課外活動は、生徒会だけではありません。当時、男子校の流行り(共学でもやってたと思いますが)PHSやポケベルでメル友を作るのが流行ってました。実は、電話代が今の時代では考えられないぐらい高いんです。かけ放題とかありません。つい、出会い系で仲良くなった同年代とか親類縁者と電話をたくさんしてしまいましてね。それで電話代がヤバくなってきたのです。
1年生の頃は、テレビ観覧のアルバイトを数回やりました。それでも微々たるお金でしたが、多少の電話代の足しにはなりました。
そうそう、新しく母親が小学校の終わりからうちに来てくれたんですね。高校生になると、お小遣いが1万円でしたけど、これでは払いきれない使ってしまいました。すると、母親がこんな提案をしました。
「あんた、さすがにコレお父さんにブチ切れられるからバイトしてみたら?」
(確かに、、、一理あるな。)
元々アルバイトに興味がありました。クラスメイトや地元の友人は、ファーストフードやデリバリーでバイトしていてお金など羽振りが良い。そして、流行の服や原付きバイクを買ったりして羨ましかったのです。
今では、2児の父であり建売を買って住んでいる4組時代の親友K君から誘われてたのもありました。
別のK「智聖君とK君、うちのスーパーでバイトしてみない?」
光陰矢の如しで、すぐに面接となったんですが、店長さんがかなり無愛想だったのを覚えています。
タバコを吸いながら、かったるそうにしてました。
「うちねー、高校生すぐ辞めちゃうから取らないんだよ。」
「悪いんだけどさ、他あたってもらえる?」
即、不採用でした。その後、うちの近所にある量販店があるんですけど、そのままK君とバイト募集しているか確認に行きました。自転車の社員さん(後のチーフ)に話しかけてみました。すると、バイト募集はしているので、一度店舗に連絡を頼まれました。
後日、電話をすると、事務のSさんが出られました。
「今日店長がいるので、履歴書持参で是非いらしてください。」
指定された時間に友人のKと一緒に最上階の事務所まで階段で上がりました。ドキドキが止まりません。
すると、Sさんが出迎えられて応接室に案内してくれました。
数分後、当時いた店長のK氏が登場です。
「へー、他で断れたんだね。いや、見る目無いねそこ。」
「うちは、高校生だろうが、誰だろうが、即戦力だからさ。」
「男子校なんだ。じゃ学校終わったら3時間は働けるね。」
有名な南こうせつ氏似なんですが、ヘラヘラしてて愛想はいいんですが、目が笑っていない印象でした笑
採用後について
即採用してくれたことで、最初はすぐ応援できるようにレジの練習から始まりました。後の若手社員Yさんが倉庫で声出しの練習指導です。
Y「いらっしゃいませ!」
「はい、これを50回良いましょう。」
私とKは「いらっしゃいませ!」と50回繰り返しました。
Yさんは、見た目は小柄で高校生に見えるぐらいロリ系の人で、声もアニメ声なんですよね。けれども、口調が凄い厳しいので、我々はタジタジでした。
Y「声が小さい!これじゃ現場出せないよ。」
「若いんだからさ~、声を大きくしないと!」
後で分かったのですが、Yさんは、お酒入ると無茶苦茶甘えてくる人でして、打ち上げで足を絡めてきたり、抱きしめてくる人なんですよね笑二重人格じゃないかと疑うぐらい大胆な人なんです。けど、仕事の時はラーメン道で有名な故佐野実さんぐらい厳しかったのです。
今回2名採用したのも、ここ1年で入った高校生が何人かいたんですけど、Yさんが厳しいのと、店長さんがパワハラが凄かったせいで、辞めてしまったからだそうです。
ただ、私もKも男子校Fで厳しい洗礼を浴びてきました。どっかの漫画でもありましたが、奴隷の1年、鬼の2年、閻魔の3年というぐらいのヒエラルキーの中通ってきたからです。
少々、怒鳴られたぐらいではびくともしませんでした。
私の方は、どうもレジ作業が苦手でして、荷入れとお金を渡す作業が最後まで慣れませんでした。友人Kは品出しや方向音痴のためか配達が苦手という始末。最終的には、Kはレジ専任。私は、品出しや配達に配属。カルチャーやカー用品というような家族向け、生活用品の担当者になりました。
新しい人間関係
私が働いてた店舗は、半年で9割型人員が変わりました。転職したかぐらいに大幅な入れ替えがあったのです。
店長→パワハラが露呈されて、大型店舗の副店長へ降格。
うちのチーフ→パワハラでひきつけを起こして休職。
その他チーフとサブチーフ→反発して一部退職。他は異動。
夏場の売上が相当悪かったせいで、本部の人(私は当時若造とあだ名付けてましたが笑)視察に来るたびに明らかに年上である店長と次長に怒鳴ってました。違和感があったんですが、この若造は、当時30代前半でしてブロック長だったようです。今で言うエリアマネージャーの上らしいです。
最初にいたチーフS(新しい人もたまたまSですが)は、当時いた店長にパワハラをされていて、夏を迎えた頃から出社しなくなりました。仕事中にひきつけを起こしたようです。30代半ばで、次長を目指してたようですけど、折り合いが悪いせいで推薦を受けられず、ストレスが溜まっていたようです。
反発した一部のチーフは、退職してましたが、大半の人は内示を受け入れてました。4~5年いると変わらざる得ないそうです。新しく来た店長さんは、本部から来た大卒の人で、エリアマネージャーの研修を受けてきた20代後半の早咲きの男性でした。
前の店長は、40代後半でしたけど、ごますって出世してきた噂話もあり、あちこちにパワハラしていたので、部下からの評判は良く有りません。けれども、新しい人は実力主義の方で、サッパリしてました。
但し、新しいチーフSが厄介でした。新卒でうちの店舗に配属されていたということもあり、地域性を知っているということで、再配置されたようです。この人、学生のアルバイトをいじめる人で、後に次長や新しい店長と喧嘩してました。
ある時、こんな事がありました。
S「お前はいいよな。学生で。働かなくてもいいじゃん。」
と品出ししながら、隣で嫌味を言うのです。前店長と違い怒鳴りはしませんが、いやらしいのです。
時には、
「放送で呼びましたか?」
S「呼んだけど、やっぱりいいや。」
くだらないことが日常茶飯事でした。
一番有りえなかったのは、以下の件です。
店長「智聖くん。今日は、俺と仕事するぞ。」
(何で俺とするんだろうな。おかしい気がする。)
店長から言われたものをバックルームから持ってきて配置しました。そして、配達も無事完了していつも通りにこなしたのです。
店長「智聖くん。俺前から見てたんだけど、いつもちゃんとやってるよな?」
「はい。いつも通りに・・・。どうしたんですか。」
話を聞いてみると、どうやらSチーフが私の働きぶりがおかしくて、辞めさせたいという相談を受けたそうです。後述するサブチーフEさんがそれを聞いて驚いたとか。
結局、新しく来た兄貴分のサブチーフEさんが何とか裏側で説明してくれたようです。
E「Sは、ちょっと被害妄想強いんですよ。あと、若いやつに当たり散らすところがある。」
店長「だよな。俺もう一度、智聖と働いてみるよ。」
結局、言われた指示どころか、配達先からお礼の電話まで受けたそうなので、Sチーフは次長と店長に怒られたようです。
次長「お前の好き嫌いで働く人間選ぶんじゃない!」
店長「使い方間違ってるのは、お前だろ。」
相当、キツく言われたそうですが、逆ギレもしてきたようです。ただ、風当たりはかなり落ち着きました笑
アルバイトとゆかいな仲間たち
すったもんだありましたけれども、1年間無事に勤める事ができました。結局、友人Kは、半年経過した頃に酔っ払いに絡まれてしまい、意味不明の苦情で怒鳴られてました。新しい店長と一緒に謝ってましたが、本来は誠意などいらぬ案件でした。これで、大泣きしてしまいまして、制服をロッカーに入れたまま退職しました。
私の方は、高校時代の中で一番一緒にいた地元の友人SをGW明けにアルバイト仲間として誘いました。彼も不器用な人間でしてね、レジ作業が苦手。一緒に品出しや配達をしました。
同じ中学のS(イニシャルSが多いんです)はとてもいい人でした。歌舞伎役者みたいなフェイスでしてね。常々芸能界に夢を見ていたようです。バイトが終わると休憩室で夢を語りました。彼とはプライベートでも、地元のSと祭りとか公園でたむろったりして、今でもいい思い出です。
他のチームでは、長年働くフリーターの人が結構いましたね。30代前半のNさん。この人、かつていたZさんというイケメンのアルバイトさんいたんですが、その人とつるんで仕事サボったり、パワハラ店長と喧嘩したり武勇伝が多いのです。Zさんは、たまにしか来なかったんですけど、噂よりも優しい人で、常に気にかけてくださいました。
Nさんは、元々地方から浪人して無名の大学を中退しているようです。25歳まで大学生していたせいか自由な人でした。自称夢追い人で、その夢は最後まで教えてくれません。
ただ、Nさんは、年功序列と店舗の社歴ですね。これでパロメーターとして人を判断するんです。うちのいたチーフSと同じように、若いアルバイトをたまにいじめたりします。私も、たまにグダグダ言われてうんざりしてました。
N「悪いね、今月金欠でさジュース買う金ないんだよ。」
意図を言うと、ギャンブルでお金をすってしまったから、ジュースを奢ってほしいようです。我々や若い社員にタカってました。
一番面倒くさいのは、外にある自転車や展示物があるんですけど、閉店作業になるとわざと、疲れた振りをしてどこかに行きます。
「おい、俺は疲れたから新しい社員と入れてこい!」
新しい社員は、新卒の人でした。Nさんより若いのでなめられるのです。彼は、順応でしたのでちゃんと聞いてました。私も年上でしたので、最初は聞いてましたが、有る出来事をきっかけに逆に弱みを握ることとなりました。
その出来事とは・・・