令和6年度 東北大学理学部数学科 編入体験記

 この度、東北大学理学部数学科の編入試験に合格し、無事に高専を卒業したので体験記を残します。
 合格してすぐに一旦書きましたが、書き直そうと思いそのまま放置してしまいました。すみませんでした。

1. 自己紹介

名前 : ヌヌ
出身 : 高専
受験 : 2023年9月1日

2. なぜ数学科なのか

 情報系の科目を勉強していても全然楽しくなかったので、分野変えたいな~と漠然と思いながら、編入試験対策のために数学を勉強していました。そんな中、分からない問題について検索して辿り着いた記事のタグをクリックして一番最初に書かれていた実数の連続性公理やε-δ論法の記事を読んでカルチャーショックを受けました(笑)。そこから定義・公理を大切にしながら様々な定理が証明されていく様子に惹かれていきました。
 なんというか高専の専門科目を勉強しているときには得られなかった「これだ!」という感覚があったからかもしれません。本当にやってみたいと思うものにやっと出会えた!という感じです。
 そんなこんなで数学科編入を目指すようになりました。

3. 受験当日

[数学] : 9時30分~12時30分(3時間)

[1] 同次連立一次方程式の解が一意的であるための条件
[2] Cに属する未知数を成分として持つ行列の対角化可能性
[3] 線形写像, 単射, 一次独立性についての証明問題
[4] 条件付き極値問題の応用
[5] ε-N論法による定義に沿った数列の収束証明問題

[英語] : 13時30分~14時30分(1時間)

[1] 数学のコラム的な話題の長文を和訳する問題
[2] 定理の主張を英訳する問題

[面接] : 15時00分~

 志望理由、試験の出来、出来なかった箇所の軽い解きなおし(黒板を使用)、数学科編入に向けて勉強してきたこと、特に学びたい分野はあるか、もしウチに編入したら大学院に進学するかなどを聞かれました。また、口頭試問にてε-δ論法による連続性の定義や、その否定命題をとるなど、論理式を正しく読めるかといったところをチェックされました。

※ 過去問は郵送で3年分請求できるので詳しくはそちらでご確認ください

4. どのように勉強したか

 証明を1行1行丁寧に読みながら何度も写経する勉強方法を採用しました。この方法はかなり効果があると思います。
 テキストは数研出版の「数研講座シリーズ大学教養」、問題集は同じく数研出版の「チャート式シリーズ大学教養」を使っていました。これらで足りない部分は解析入門Iだったり、ネットに転がっている様々な大学の講義資料を使って勉強しました。
 編入試験までに、微分積分は一様収束周りの話(limと∫・d/dxの順序交換可能性辺り)、線形代数はジョルダン標準形まで勉強しました。

 また、上記以外に使用した参考書だったり受験本番に向けての心構え的な面で、こちらの方々の体験記は大変為になりました。是非ご参照ください。


5. アドバイス

 今の分野に嫌気が差したら分野変更も視野に入れてみたらいいと思います。少し齧ってみて「これだ!」と思うものが見つかれば日々の鬱々とした気持ちも薄れます。
 ここからは特に、理学部数学科への編入を目指す方へのアドバイスとなりますが、とにかく数学の先生を頼ってください。私が合格できたのも、数学の先生に過去問の添削や面接対策をしてもらったからだと思っています。誤った理解などをしないためにも、専門家の方の指導を仰ぎましょう。

6. 最後に

 何か質問等ございましたら、TwitterのDMからお願いします。
私のTwitter : @gksnklnueh

 今この記事を読んでくださっているあなたも合格できますように。

いいなと思ったら応援しよう!