向かい風!
気立てが良くて、真面目で素敵なSさんが、急に来なくなった
彼女と組んでいた職員は、
彼女の仕事を粛々と進め
元々そこには誰も存在しなかったように
毎日がすぎる
けれど
私たちは、本当のところを
知っている
そして彼女がそこまで落ちてしまう前に
気づいてあげることができなかったことを
心から悔やんだ。
上司も、私たちと同じ、いやそれ以上に
自責の念を抱いているものと思った
が、
三か月後
彼女の穴埋めとなる人材を確保して
「病気休暇中のSさんのデスクを
新人に使わせます。
荷物をロッカーに移してよいか、
Sさんに確認したら、取りに来るそうよ。」
と言い放った。
風通しのいい職場を目指す
とか言っていたけど
私たちには打診も確認もなかった
Sさんのデスクを片付けるのは
考え直して欲しい、と懇願したが
上司は
「もう話し合って決まったことだから」
といって、取り合わなかった