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なぜウェクスラー検査の理論解釈マニュアル「境界線(域)の知的機能群」が加わったのか?
1日からGWっ後半がスタート。早速,新ひだか町静内二十間道路桜並木を見に出かけたのだが,葉桜になりかけていた。来年は,カレンダーを眺めて早めに行こう。まあ,GW前半初日にそれでもモエレ沼公園で満開の桜を愛でることができたのでよしとしよう。後半はお仕事。
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ここ数日WAIS-ⅣとWISC-Ⅴのマニュアルを並べて眺めていた。
2010年にWISC-Ⅳが出されたのが「知的ギフテッド」が臨床群に加わった。
2018年WAIS-Ⅳが出て「境界域の知的機能群(IQ71~84)」が臨床群に加わった。「知的ギフテッド」もWISC-Ⅳに続いて取り上げられていた。
2022年のWISC-5で「境界線の知的機能群(通常IQ71~84)」とされ臨床群で掲載され,「知的障害のIQの範囲は超えているが,それでも個人の機能が臨床的に問題になる」と,さらに「IQ71~75の人が,軽度知的障害と診断されることもあるが,軽度知的障害と診断するためには,追加として適応機能障害も存在する必要がある」。
なぜ,臨床群に「境界線の知的機能群」が加わったのだろうか。アメリカでのWAIS-Ⅳの改訂は確2008年。
この群における社会適応上の問題が顕在化して,臨床群として取り上げられるようになったということか。
例えば,知的ギフテッド群は取り上げられたことによ支援の対象として少しずつ広がり始めてきている。この先の支援につながるのか。
日本ではいわゆる「境界知能」が一人歩きし,十分に臨床研究が追いついていなのが現状。
おそらく,境界知能と既存の発達障害を併せ持っていたら学校では自閉症・情緒障害特別支援学級に措置される。知的障害学級は原則知的遅れがあるから。
ただ,このルートにのならい児童は,ステム的には支援が受けられない。当然,配慮はされると考えられるが・・・十分かというと疑問が残る。
知的障害と知的ギフテッドは裏表。
知能の高低はありつつも共通する「社会適応」の困難と言えるかもしれない。
福祉も支援も重度からより軽度へと・・・軽度は決して軽くないかもしれないが,水の流れの如く。
カムイミンタラから流れ落ちる支援の川は下流になるにつれて広がりを見せていく。