風鈴の音色に誘われて…
部屋の入口にぶら下げている風鈴
開けた窓から吹き抜ける風に
揺れる風鈴の音色
畳の上に寝転がって見上げる窓から
青空と流れてゆく雲を眺めて
もの思いにふける
世界の何処にでも
宇宙の果てにでも
過去にも未来にもいけて
素敵な空間
いつからか
部屋に入ることも
畳の上に寝転ぶことも
窓から空を見上げることも
流れる雲を眺めることもしなくなった
閉ざした窓から
風が抜けることはなく
揺れなくなった風鈴は
淋しそうにぶら下がっていた
少し開けた窓から優しく吹く風
小さく揺れる風鈴の音色で目が覚めた
うたた寝していたのか
過去か未来か何処にいたのか
長い間もの思いにふけっていたのか
大きく開けた窓
畳の上に寝転がって
見上げる窓の青い空は眩しく
雲は形を変えながら流れていく
吹き抜ける風に揺れる風鈴
懐かしい景色
懐かしい音色
今年の夏は長かった…
寝転がって見上げた風鈴は
秋の風の音色を奏でながら
嬉しそうにぶら下がっていた
もう秋だ…