秋を待ちわびて

10月も終わりに近づけば
さすがに夏の気配は感じられなくなった
五月蝿い蝉の声も
肌を刺すような日差しも昔のこと
賑やかで奔放な夏が背を向けて
一目散に遠ざかっていった

奔放な夏が去って季節は巡る
秋の訪れを待ちわびている
青空は澄んで高くなり
秋の気配は感じるが
山のふもとに彩りは見えず
化粧直しかお召し替えか
痺れを切らして山に入るも
紅葉に会えず山を後にした

移ろいに翻弄されるも
四季のあることに感謝して
焦れったい秋に待ちぼうけ