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リアルミーグリに行ったら、推しに一目惚れされた?!


〇:はぁ......緊張するな...。

〇:なに話せばいいのかな...?


なぜ、こんなにも緊張しているのか...


それは今日初めて、僕の推しであるさっちゃんのリアルミーグリに来たからだ。


5期生が加入してきた時、さっちゃんを初めて見て一目惚れし、そこからずっと推している。


「次の方どうぞ〜」


とうとう、自分の番が回ってきた。


〇:ふぅ、落ち着け〇〇...。



〇:は、初めまして!

咲月:はじめましt...

咲月:っ......//

〇:〇〇って言います!

咲月:......//

〇:さ、さっちゃん...?

咲月:......あっ、な、なに!?

〇:初めまして〇〇です...!

〇:5期生が加入してきた時にさっちゃんに一目惚れして、そこからずっと推してますっ!

咲月:ほ、ほんとにっ!? ありがとっ...//

〇:さっちゃんが可愛すぎて、いっつも癒されてます...//

咲月:あ、ありがとっ...// 

咲月:〇〇も凄いかっこいいね...//

〇:えっ...ほ、ほんとですか...// 凄い嬉しいです...!

〇:あっ、そうだ...
今日初めて来たのでさっちゃんに釣って欲しいです!

咲月:分かった!

「〇〇、愛してるよっ!♡」

〇:う、うぐっ...// か、可愛すぎる...!

「まもなくお時間でーす」

咲月:......ま、〇〇...?(ボソッ


咲月は急に小声で話し出し、近くにくるよう手招きをする。


〇:な、なんでしょうか?

スッ...


誰にもバレないように、こっそりと"1枚の紙"を渡された。


〇:こ、これは...?

咲月:...明日、ここに来て......//(ボソッ

〇:えっ...?

「お時間でーす」

咲月:じゃあ〇〇、またねー!

〇:あっ、えっ......。


〇〇にとって夢のような時間が、あっという間に終わった。


〇:初めて生でさっちゃん見たけど、凄い可愛かったな...。

〇:けど、この紙何だったんだろ...?


咲月から貰った紙を開いてみると、そこには

"朝10時、東京都××区・・・1031号室"

と書かれていた。


〇:どこだろここ?
でも、さっちゃんに明日来いって言われたしな...。

〇:明日行ってみるか...。




次の日、〇〇は咲月に言われた通り紙に書かれてあった住所に来たが...


〇:ほ、本当にここだよな...?


そこには、富裕層しか住んでいなさそうな高層マンションがそびえ立っていた。


〇:事務所か何かなのかな...。


不安を抱きつつも、高層マンションに入り紙に書かれた部屋番号の前に着く。


\ピンポーン/


??:はーい!


ガチャッ


咲月:おっ、きたきた...//

〇:さ、さっちゃん!?

咲月:ち、ちょっと〇〇うるさいよっ!早く家入って...!


ガチャン


無理やり家に入れられ、ソファに座らされる。


〇:あ、あのー、1つ確認なんですけど...。

咲月:......な、なに//

〇:こ、ここは?

咲月:私の家だけど......//

〇:で、ですよね...。


〇:......。

咲月:......//


〇〇は目の前に推しがいる事、推しの家に急に入れられた事、雑然とした状況で頭の中が真っ白になる。


咲月:き、聞かないの...?

〇:えっ?

咲月:何で家に呼んだのかとか......//

〇:そ、そりゃ聞きたいですけど...。
それよりもこの状況で、まだ頭の整理がつかなくて...笑

咲月:そ、そうだよね......笑




〇:じ、じゃあ聞きたい事聞いてもいいですか...?

咲月:ど、どうぞ...。

〇:何で、僕を家に呼んだんですか...?


咲月:......め....したから...//

〇:ん...?

咲月:だから!一目惚れしたからっ...//!

〇:......んぇっ?! ぼ、僕にですか?!

咲月:うん...//

〇:(こ、こんな漫画みたいな事あるんだ...。)

〇:で、でも家に連れてきて良かったんですか...?

咲月:そ、そりゃダメに決まってるじゃん!

〇:ならなんで...

咲月:だって、〇〇を逃したくなかったんだもん...//

〇:えっ...?

咲月:私、今まで恋愛をしたことが無くて...
もちろん彼氏も出来たことないんだけど...。

咲月:昨日〇〇を見た時に、初めて一目惚れをして...//
なんかすごいビビッときたというか...//

咲月:か、彼氏にしたいなぁなんて...//

〇:っ......//


咲月の内に秘めた想いを聞き、返す言葉が思いつかない〇〇。


咲月:もちろん、アイドルだからダメだって分かってるんだけど...

咲月:でも、やっぱり自分の気持ちに嘘はつけないよ...。

咲月:だから、伝えさせて...?



「〇〇の事が好き。」

「私と付き合って欲しい...。」



〇:......ごめん。さっちゃんの気持ちには応えられない...。

咲月:そ、そうだよね......あはは...。


〇:......"今は"。

咲月:......えっ?

〇:さっちゃんの気持ちは凄い嬉しいし、僕もさっちゃんと付き合いたい。

咲月:な、なら...

〇:でも、さっちゃんはまだ加入したばかりだし、これから乃木坂46を背負っていくメンバーにならなきゃいけない。

〇:なのに、こんな目先の幸せだけで動くとさっちゃん自身だけじゃなく、グループ全体にも迷惑をかけてしまうでしょ...?

咲月:......コクッ

〇:だから、これ以上悔いのないくらいアイドルを全うして、卒業するときになったらさ...

〇:僕が必ず迎えに行くから。

〇:だからそれまでは待っててくれる...?

咲月:......分かった//

咲月:それまで一生懸命頑張るから、その時になったら必ず迎えに来てね......//?

〇:もちろん...//

咲月:んふふっ// じゃあ約束ねっ!


咲月:でも、1つだけわがまま言ってもいい...?

〇:ん...?



咲月:今日1日だけは、一緒にいて...//?


上目遣いで〇〇を見る咲月。
推しにそんな顔されたらもちろん耐えられる訳もなく...


〇:わ、分かった......//

咲月:えへっ// やったぁ!


それから〇〇と咲月は、料理を一緒に作って食べたり、映画鑑賞したり、といった"お家デート"のような1日を楽しんだのであった。

ちなみに、夜も一緒に寝たらしい。
熱い夜があったとかなかったとか...。
(皆さんのご想像にお任せします//)







〇:そんなさっちゃんももう卒業かぁ......。ウルウル


咲月の卒業コンサートが終わり、感極まっている〇〇。

言葉で表すことの出来ない、この世の何よりも美しく、儚かった咲月のドレス姿。

その姿は、咲月のアイドル人生そのものを表していた。


〇:はぁ、これで僕の推し活も終わりか......。


卒業コンサートも終わり、これから家に帰る...

という訳でもなく、とある場所に向かう〇〇。


〇:すいません、〇〇と申します。

「〇〇さんですか、お待ちしておりました。」

「こちらへどうぞ。」


警備員に声をかけ、とある部屋まで案内してもらう。


「こちらの部屋で、お待ちしております。」

〇:すいません、ありがとうございます。


コンコン


??:はーい!


ガチャッ


〇:......お疲れ様、さっちゃん。

咲月:ありがとっ!〇〇も来てくれてありがとね?

〇:もちろん、推しの卒業コンサートだもん。

〇:今日のさっちゃん、今までで1番綺麗だったよ。

咲月:ほんとにっ?他の子とかに見惚れてたりしない?

〇:してる訳ないじゃん。ずっとさっちゃん推しなんだから...//

咲月:な、ならいいけど...//



〇:......。

咲月:......。



少しの静寂が場を支配する。

2人とも今、思っている事は同じだと思う。

でも、変な緊張感で中々言い出せない。



咲月:......ね、ねぇ〇〇...//

〇:ん...?

咲月:な、何か言うことないの......//?

〇:......ふふっ笑



〇:咲月......?

咲月:っ......?!

咲月:は、はい...//


「あの日の約束を果たしに来たよ。」




これは、"お互いの一目惚れ"から生まれた恋物語。


𝑭𝒊𝒏.


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