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電気ブランと殻付きピーナッツ
殻付きのピーナッツは、どうしてこんなに旨いのか。
バタピーだったらそのままポリポリ食べられるのに、殻付きはまず殻をバリバリと破って中からナッツを取り出し、薄皮を剥いで、もしくはやや剥ぎかけながらもう我慢できないと言わんばかりに口に放り込む。
その過程を経て、噛み締めるから旨いんだよ。
もちろん、バタピーだって優秀だけど。
中国ではピーナッツはポピュラーで、塩茹でで家庭で食べられているという。
それは、とびきり旨いというわけではないけれど、食べ出したら止まらなくなり、気づいたらピーナッツの殻の山の麓にいて、積み上げたその山の高さを思って愕然となる、という。中国の食にまつわる、以前読んだエッセイにあった。
殻付きのピーナッツ。食べてますか?
本当に、殻なしより数倍旨いから、改めて食べてみてほしい。
数倍といってもね、あくまでも素朴だから最初の一粒では感じられないことでしょう。一粒食べたらやめられなくなってね、やめられない止まらない、だからもしかしたら殻付きピーナッツはかっぱえびせんなのかもしれない。
同一人物なのかも。
合わせる酒は電気ブランだ。
東京台東区の神谷バーで考案されたブランデーベースのアルコール飲料。
だそうで、僕はこれを若い頃店で見かけて気になって注文してみたけれど、ブランデー苦手、という感想だった酒だ。今はその風味がたまらないので、たまに無性に飲みたくなる。
で、昭和を感じさせるこの酒が、殻付きピーナッツによく合うんだなあ。