胎児の胃が逆になってます。
それは7回目の妊婦検診でのことだった。
いつも通りエコーをしていた。
ここが心臓だね〜ここが顔だね〜
とニコニコ話す先生の顔が急に曇った。
同じ位置でエコーを何度も滑らし見たことのない顔でエコーが映し出される画面を覗き出した。
何だろうと思っているうちに急に分厚い本をペラペラとめくりだした。何かを探しているようだった。
しばらくして他の先生を呼び、何か話している。
そして他の先生が一言「錯位だね」と言っていたのがはっきりと聞こえた。
知識の無い私は何となく異常が見つかったのかもしれないということだけは読み取ったが頭を巡らせていた。
その後担当の先生からショッキングな事実を告げられた。
「赤ちゃんの胃が逆に作られています。」
「紹介状を書くから大学病院ですぐに精密検査をしてもらってください。」
ぽかんとしている私に、先生は淡々と説明を始めた。
「人の体は通常回転しながら成長をしていくが、なんらかの問題で反転している。この病院でお産は出来ないと思うから、大きな病院へ行ってください。」
ことの重大さはまだわかっていないながらも、病院の外で待っていた旦那と顔を合わせるやいなや号泣した。
そして紹介状の入った封筒を渡し、今回の検査で説明された内容をそのまま告げた。
産院での健診はちょうど4月下旬。
大学病院での診察予約もすぐに取れるわけでもなく紹介状を持参しての診察までgwを挟むことになった。
診察日までその日から毎日錯位について調べては泣き倒すgwになった。