3つのグランティ(結節)と霊的なハートについて

背骨に存在すると言われているスシュムナには、以下の3つの結節(グランティ)があると言われています。

・ブラフマ・グランティ → ムーラダーラ・チャクラ(背骨の一番下)に存在
・ヴィシュヌ・グランティ → アナハタ・チャクラ(胸のハート・チャクラ)に存在
・ルドラ・グランティ → アジナ・チャクラ(眉間の霊眼)に存在

「Kundalini Rising: Exploring the Energy of Awakening」という本の中で、Olga Louchakova-Schwartz氏は、「結び目(グランティ)は、クンダリーニ・エネルギーの流れや霊的覚醒のプロセスが特定の方法で滞留する傾向がある場所」と述べておられます。

また「エネルギーがこれらのゾーンの1つに滞留すると、そのゾーンに特有の物理的な病理が発生します。クンダリニーのプロセスが進むにつれて、この「滞り」は解消され、私たちは自分の本質の真理とより一致するようになり、症状は消えていきます。」とも述べられております。

また、ムーラダーラ・チャクラに存在するブラフマ・グランティの本質は、物質世界の知覚の根底にある精妙な領域を理解することだそうです。また、粗大な物質から霊魂まで、さまざまな物質性の程度を理解することでもあるそうです。

またブラフマ・グランティの障害物を取り除くことは、男性では前立腺がんの発症、女性では子宮の線維腫症やさまざまな病的状態の発症と関連することがあるとの事です。

また、クンダリニーエネルギーが アナハタ・チャクラのヴィシュヌ・グランティより下に宿っている間は、私たちは他者を「モノ」として認識し、関係しているそうですが、クンダリニーがヴィシュヌ・グランティの上に上昇すると、他者との関係が深まり、より複雑になり、他者を自分と同じ深さと強さの生命と意識に満ちたものとして認識することができるようになるそうです。

またヴィシュヌ・グランティが開くと糖尿病になることが多いそうです。

また、アジナ・チャクラにあるルドラ・グランティは、自己嫌悪の最も原始的でありふれた症状から、自分自身の存在を否定する複雑で洗練された形態まで、自己否定と心理的に結びついているそうです。

また、ルドラ・グランティでエネルギーが滞ると、めまいを起こすことがあるそうですが、プロセスが進み、自己嫌悪や自己否定が解消されると、めまいは解消されるそうです。

またタイトルに挙げさせていただいている「霊的なハート」についてですが、霊的なハートとは、ラマナ・マハルシが「クンダリニーがサハスラーラ・チャクラまで上昇した後、心臓の指2本分右側にある場所までクンダリニーのエネルギーが降りてくる」と述べている場所の事です。

ラマナ・マハルシ以外の方は、「指2本分右側」とまでは述べられていませんが。

ウパニシャッドやシュリ―マッド・バーガヴァタム、ヨーガ・ヴァシシュタ等の聖典にも「心臓」とか「ハート」といった言葉がたくさん出てきますが、そこが霊的なハートの事だと思われます。

霊的なハートに真我(アートマン)が存在すると言われています。

山田孝男先生の「瞑想のススメ」や、木村彗心氏が翻訳された「魂の科学」等を読んでいただけると、霊的なハートについて、詳しい解説が載っています。

上記で「クンダリニーがサハスラーラ・チャクラまで上昇した後、心臓の指2本分右側にある場所までクンダリニーのエネルギーが降りてくる」と述べさせていただきましたが、霊的なハートの場所に原因体(コーザル体)と言われるものがあって、そこに自我意識とサンスカーラ(前世を含めた過去の行為の残存印象・カルマ)が存在していて、原因体の内側に真我(アートマン)が存在すると言われています。

Olga Louchakova-Schwartz氏は、霊的なハートの事を、「胸部の自己の中心」と述べていますが、ヘシカズム(キリスト教神秘主義における身体ベースのシステム)、スーフィズム、ヒンズー教のシャクタ・ヴェーダーンタ、ラテンアメリカのシャーマニック文化や地中海のヘレニズム文化など、様々な宗教や伝統で、霊的なハートは知られているようです。

一般的には、クンダリニーが覚醒してクンダリニーのエネルギーが頭頂部まで上昇すると、そこでサマディの体験をして、それで修行が完成したと思われがちですが、アジナ・チャクラやサハスラーラ・チャクラの領域は「魂の科学」や「瞑想のススメ」等の本によると、まだ幽体(アストラル体)の領域で、サハスラーラ・チャクラからクンダリニーのエネルギーが心臓にある原因体まで降りてきて、そこで原因体にあるサンスカーラ(残存印象・カルマ)が破壊されないと、無種三昧には至らず、輪廻転生からは解放されないみたいです。

無種三昧の「種」というのが、サンスカーラ(残存印象)の事を意味していて、今までの人生で蓄えてきた残存印象が、欲望や生まれ変わりの原因となっている為、無種三昧を実現して、サンスカーラを完全に撲滅しない限り、輪廻転生からは解放されないみたいです。

Olga Louchakova-Schwartz氏は、「ハート・センター(霊的なハート)の複合体には5つの領域があり、それぞれが一連の心理的機能と霊的体験に関連している。しかし、双極性障害のような状態は、これらのセンターのうち3つの領域だけと関連している。」とも述べられています。

上記の3つの領域は、それぞれ心臓の左側・中心・右側の領域の事のようなのですが、Olga Louchakova-Schwartz氏は「非二元的な体験は、(ラマナ・マハルシが述べている)この右側のセンターではなく、胸の中心、つまり霊的なハート(スーフィズムではカルブ)として知られるセンターで生じ、このセンターは、小さな内部の微細な経絡によって右側のセンターとつながっています。」と述べられています。

またOlga Louchakova-Schwartz氏は、「右側のセンターの開発には、「私」の解体のすべての段階が含まれていました。」とも述べられています。

かなり話が長くなりましたが、現在私が翻訳中のクリヤ・ヨガの本にも3つのグランティ(結節)を解く為の技法や、霊的なハートに関する話がたくさん出てきます。

事前にその事について触れさせていただきたかった為、今回投稿させていただきました。


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