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初舞台とハイヤーセルフ

 昨日の土曜日は娘、るあ、の初舞台でした。
週2回ほど劇団の練習に通い始めて、もうすぐ10カ月になりますが、セリフのある役を貰えたのは今回が初めてです。
 るあは体調を崩しやすい子で入院も年に何回もして、そのため普通の女の子が経験するような青春らしい青春時代も経験出来ないまま大人になってしまいました。せっかく夢を叶えようとして入学した大学も途中で断念せざるを得ませんでした。しかし、負けず嫌いの、るあは、
「でも、このまま、何も挑戦しないで終わるのは、イヤなの。自分の居場所が無いと生きてる意味がわからない」と、前からやりたいと言っていた劇団を自分で見つけて入団しました。

 そして、劇団に入る時に自分の病気のことをちゃんとカミングアウトした娘でしたが、いつも突然、入院したりするので、劇団の代表さん(演出、監督)からは「君には大事な役は、任せられない」と言われてしまいました。
 それでも、「私にも、役をください」と代表さんに食い下がった、るあ。
 代表さんは暫く沈黙したあと、「絶対に役を下りない、という条件なら」と承諾しました。

 自分で役をやりたい、と申し出た娘ですが、いつ体調を崩して入院するかわからない彼女にとって、これは相当なプレッシャーです。体調が悪い時は2階の階段を上がるのでさえ、息が切れるような子です。るあは「今日、基礎練習(ストレッチや体幹など)をしたら倒れそうだなあ」と言いながら劇団に通い、家では大きな声を張り上げてセリフや発声の練習をしていました。
 舞台発表会の数日前に、「もう限界でしょ」と主治医から入院を勧められた彼女でしたが、「私がいま、役を下りたら、みんなに迷惑がかかるし、何より自分の居場所が無くなるから」と歯を食い縛って、なんとか土曜日の公演まで辿り着くことが出来ました。
 今まで数えきれないほど、劇団まで彼女を迎えに行きました。練習が終わるのは、いつも夜の9時過ぎで私は風さんのCDを聴きながら、片道20分の隣り町まで🚙で、大きな橋を渡りるあを迎えに行きます。長い河の向こう岸には、工場の連なるイルミネーションがダイヤモンド💎のようにキラキラ輝いて、とても綺麗。

 初めは風さんなんて聴かないと言っていた、るあ、ですが、「帰ろう」の歌詞で、

ください、くださいばっかで、
何もしてあげられなかったね、
生きている意味なんてわからないまま

という歌詞が好きみたいで、最近は風さんの歌に自分の声を重ねるようになりました。
 るあ、は最近、体調も悪く、劇団の公演当日まで、本当に出演出来るのか親子して不安でしたが、無事に○○芸術祭の発表会を終えることが出来ました。コメディの要素が入った劇なのですが、笑いもちゃんと取れました。
もっとも、観ていた私の方は涙が零れそうでした。今日まで、よく辿り着けたね、って。

 劇を終えた後、るあは仲間たちと記念写真を撮ったり出演料の商品券で屋台の焼きそばや、クリームソーダをみんなとシェアして食べたり、とっても楽しそうでした。
いまが青春だね!
 先生との約束で近いうちに、また入院になるけど彼女は壁をひとつ乗り越えたと思います。

 風さんが、「なんなんw」の歌の解説で、
ハイヤーセルフ(自分を超える、自分)を解説していますが、娘の中にも、ちゃんとハイヤー
セルフがあったんですね。嬉しいです。
ありがとう、風さん。
 劇から帰ると、るあ、の役だった鳥の羽🪶の一枚が家の中に落ちていました。
頑張ったね、るあ。
ゆっくり羽を休めてください。

るあ、の羽🪶



#初舞台
#藤井風
#何なんw
#ハイヤーセルフ




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