一期一会と天使な女の子達
毎年、秋になると、高校の時の就職試験を思い出します。みんなは銀行とか生命保険会社とかを受けていましたが、私は事務系は向いてない気がしていたので、デパートを受けることに決めてました。当時はTVで、そのデパートのCMとかバンバン流れてましたから、まあココでもいいかなあー、と。
しかし、試験日当日、私は準備不足で失敗してしまいます!
普通は試験日までに会社の場所を確かめておくものなのですが、楽観的な私は確かめもせずに電車賃だけを持ってその日、家を出ました。
そのデパートの本店がある中野駅で電車を降りて、テクテク歩いてゆくと、やがてデパートの看板が見えて来ました。
私がお店を覗くと、まだ開店前でしたが女性店員さんがガラスのドア越しの私に気づいて、少しドアを開けてくれました。
「あの、コチラの就職試験を受けに来たのですが」と、従業員さんに尋ねると、
「就職試験はコチラの本店ではなく、本部の方になります。本部はもう少し先になります」
と教えてくださいました。そこから真っ直ぐの道を歩いてゆくと、やがて本部の建物らしきモノが見えましたが、工事中なのかバリケードみたいな塀が周りにグルッと張り巡らせられていて、何処から入っていいのかわからない!
試験時間は、間近に迫っていました。
でも、その時、救いの天使👼が私の眼の前に突然、降臨したのです!
どこか他校の制服を着た女の子2人が私に話しかけてきました。
「あなたもデパートの就職試験、受けるの?」
「ええ。でも、会社の入り口がわからなくて」
と、私が言うと、「ホントわかりにくいよね。一緒に探しましょうよ」と言ってくれました。
結局、人が一人か二人、通れるかどうかのバリケードの隙間が入り口だったみたいで、私たちはやっと会場に辿り着きました。
試験は簡単な数学だけでした。(ウロ覚え)。
幾つかの質問をされ、面接官の眼鏡の人は何やらメモをして私の採点をしているようでしたが、ふと✒️を置き、「ところで、さっき面接を終えた女の子たちはあなたの友達ですか?」と聞いてきました。えっ?と私が戸惑っていると、もう一人の若い面接官の方が微笑んで、
「さっき、会場へ一緒に入って来たでしょう?待っているみたいですよ、あなたのこと」と、
教えてくださいました。
えっ、待っている!
さっき知り合ったばかりの私を。
彼女たちは面接を受けて先に帰っていると思っていたのに廊下に出ると、天使な女の子たちがニコニコしていて、私を待っていました。
「試験、どうだった?」
「えー、私のこと待っていてくれたの!」
「そうだよ。一緒に駅まで帰ろう!」
秋晴れのもと、三人でトコトコ中野駅まで歩いて帰りました。中野🚉からは別々の電車です。
「私、今日、あなたたちに会えて、ホントに良かった。一人だったら会場がわからなくて、帰ってしまったかも!」
「ウッソ〜、それは、ないっしょ!」
と、三人で、アハハ😆と笑いました。
それから、試験の1週間後に無事、私は内定をもらいました。
また、あの子たちに入社式の時にでも会えるといいなあと思っていましたが、その半年後の4月に中野サンプラザで行われた入社式では、広すぎて彼女たちには会えず仕舞いでした。
でも、きっとあの広い会場のどこかにいたはずです。
私は三年ほどで、その会社を辞めてしまいましたが、あのデパートに入らなければ、いまの主人に出会うことはなかったでしょう。
彼女たちのお名前も忘れてしまいましたが、
(高校時代の日記には書いてあるかもしれない)
確か、池◯商業高校の女の子たちだったと思います。
天使👼な女の子たち、
あの時は、ホントにありがとう😊
一期一会だけれど、あなたたちとあの時に出会えたから、現在の私があります。
どうか、ふたりとも幸せでいてくださいね♪
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