そうだ!初対面の人に本をオススメしてみよう
東京、某日。
暇を持て余した私は朝から井の頭公園にいた。公園をゆっくりと1周し、ベンチに座って池を眺めること、1時間……。
持て余しすぎでは? 暇。
このままではいけないと思いつつSNSを見ていると。
『友人との約束が無くなりました! 暇になったので誰かオススメの個展などがあったら教えてください』
の、文字。
私は最初『それいいな~。便乗して個展行ってみようかな?』と、思っていたんですが、どうにもワタクシ、1人でそういうものに行くのが嫌なので(何か観たら感想を語らいたい派)何とかならないかな?と、考えながら自分でも個展やイベントを探していると、近くに大きな本屋さんを発見。
あ、本をオススメし合うのやってみたい。
唐突すぎる。しかし思い立ったら即行動。というわけで、お互いにフォローし合ってるだけで特に喋った事も無いその方にDM。初めに東京在住である事を確認し、いざ本題へ。
『初対面の人に勝手なイメージでオススメの本を選ぶという企画? しませんか!』
『!! 面白そうですね! ぜひ!』
二つ返事とはこの事か。即乗ってくれました。
30分程で来れるという事で、本屋の前で待ち合わせ。
来てくれたのは
ポッドキャストで『露天基地局』というラジオを発信している ( https://podcasts.google.com/feed/aHR0cHM6Ly9hbmNob3IuZm0vcy9lMzYwYzU1MC9wb2RjYXN0L3Jzcw?ep=14 )
こやまさん
( https://twitter.com/akmtsy_1?t=r9C__TJJj6Cs87QBFjePmA&s=09 )
( https://note.com/koyamats56 )
という方。大学生です。
お互いはじめましてをしつつ、まずは軽く自己紹介。
飲み物を飲みながら、ルールを固めます。
・まずはお互いの年齢、普段している事、趣味や思考を話す。
(何も話さず見た目だけで、というのも考えましたが、私がこやまさんのポッドキャストを聞いてしまっているのもあり、この方法で)
・相手に刺さりそうな本を3冊選ぶ。気に入った物があれば購入。
・制限時間は20分。
【私の伝えた情報】
・会社員・小説(特にさらっと読める物)を読む・ハンドメイドなど家で出来る事が趣味・VTuberにハマっていて、企画を提案したり動画制作を手伝ったりしている・家事をしながらFMラジオを聞く事が多い
【こやまさんの情報】
・大学生・ラジオが趣味・お笑い好き・映画を週2.3見る(最近の作品が好き、過去の名作も観ていたがホラーは観ない)・漫画は好き嫌いせず何でも読むようにしている・日本芸能(落語や能)なども好き
お互いに情報交換も済んだ所で、いざ本屋さんへ!
オススメ本探しスタート
入口に立ち、何階にどんな本が置かれているのか確認し、私は雑誌や文学やコミックがある2階、こやまさんは実用書や文庫のある3階へ。
2階ではすぐに目に入ったのが旅の本。一応目を通すものの、違うな~と思い次の棚へ。男性ファッション美容の雑誌もスルー。
次の棚は芸能人のエッセイなど。『あ!』と、そこで私はある1冊の本を思い出し、探すことに。すぐに見つけてカゴへ。(本の紹介は後ほど)
奥の方まで進むと日本語辞典の様な物が。花や色の名前が載ったもので、私が欲しいな、と思いつつ軽く見てるとこれは!と思う物を発見。カゴにin。
次はせっかくなので3階へ。上がるとすぐに日本芸能の文字が! しめしめと思いながら探すが、どれもピンとこない。落語の話が書いてあるのより噺家さんが喋ってるのを聞く方が好きそう(勝手な予想)だよな~と見ているとだんだんと映画のコーナーに。時間も無いし、ここは攻めてみるか!と、とある本をin。
待ち合わせの場所に向かいます。
品評会
さて、お互いが揃った所で、1冊づつ見せ合う事に。
まずは私の選んだ、こやまさんへオススメの本
そしてこやまさんの選んだ、私にオススメの本がこちら
向井と裏方は、お笑い好きでラジオ大好きなこやまさんに好感触!この本を知っていたそう。 私に至ってはこれはもうズルいのでは? と思うくらいのドンピシャハッピーセット。
向井さんはテレビと比べ、ラジオでは素の自分を出せているというエピソードまでこやまさんから引き出しました。
星の子は、中学三年生の林ちひろという女の子が病弱だったせいで家族が新興宗教にハマっていて…という話。
あらすじだけでは面白いかどうか判断がつきにくいため、今村夏子さんの情報もチラリと見ると、家族物を書いている方のよう。じゃあ慣れてらっしゃるだろうから文章は読みやすいかも? と読んでないのに推理。ボリュームはそんなに多くなく好み。
こやまさんは「わからなかったので表紙で決めました」との事。
ううむ。ここは私の勝ちだな!(勝負はしてない)
さて、続いて2冊目!
私の選んだ本がこちら。
こやまさんの選んだ本がこちら。
絶望名言はラジオのワンコーナーをまとめた物。文豪や偉人の遺した絶望から生まれた言葉を1冊にしています。
こやまさんは言葉が好きそうだな、と思ったので選びました。しかも敢えての絶望の名言集。面白さや前向きな言葉はよく知っているだろうけど、こっちはどうだ!?
「太宰治とかその辺りの作品も好きなんですよね」と、好感触。やった!
木曜日にはココアを、は短編が集まってさらに全体の物語が進んでいくという物。小さな出来事が繋がって、最後はひとりの命を救う。え!? 命を!? 気になる~。しかも私、オムニバス大好きなんですよ。ミステリーも好きで、こういう形式の小説大好き。え? 言ったっけ??
こちらの本は購入しました!
さて、最後の3冊目。互いに攻めました!と、宣言。果たして。
私のオススメはこちら。
こやまさんのオススメ本がこちら。
メイクアップ・エフェクツはハリウッドの特殊メイクの本です。めちゃめちゃデカいし重い。5000円ちょっとします。買わないならこういうのもアリでは!?と攻めました。
有名なハリウッド映画の特殊メイクアーティストから見た作品への想いなども書かれています。
中のデザインが映画のパンフレットみたいなので、こやまさんには馴染みがあるのでは? デカいし重いけど。
ペンギンもつらいよはペンギン学者によるペンギンの全て、みたいな本です。言ってなかったけど、私、めちゃめちゃ理系なので生物の本、大好きです。
さらっと楽しく熱くペンギンについて語られてますが、翻訳や解説をしてる方の後書きをちらっと見ると、撮影がまあ過酷だったようです。ペンギンですからねぇ……。
お互い、普段選ばない本と触れ合え、楽しかったです。これはいい。
調子に乗った私はもう1つ提案をしてみました。
「今度は自分の好きな本を相手にオススメするっていうのはどうですか?」
「ディベートですか? やりましょう」
二つ返事とは略(2回目)
次は珠玉の1冊を15分で持ってくるというルールに変更していざ本棚へ。
読んだ事のある本の方がいいかな~? どうしよう。
しかしここはやはり攻めの姿勢で! というわけで児童書コーナーへ。
欲しい本はもう決まってたんですが、これがなかなか見つからない。店員さんを探すも忙しそう。検索をかけてみると、なんと『大人の童話集』なるコーナーが! そりゃみつからないわけだ。
結局10分ほどオーバーして合流。申し訳ないです。
今度はディベートという事で、先攻後攻を決めて見せ合う事に。
先攻、こやまさんの本がこちら。
65歳を過ぎ夫と死別したうみ子という女性が、海(カイ)という若者に出会って映画制作に打ち込むという話。海とうみ子の恋愛ではない絆の部分や漫画の見せ方が絶妙なのも見どころとの事。このマンガがすごい!2022も受賞した作品で、まだ5巻ということで追いかけやすさも◎。
こやまさん、めちゃめちゃオススメのポイントが上手い!
中が見れない漫画というのはウィークポイントなのに、自身の読み込み度でカバー。素晴らしいです。
さて、後攻の私のオススメがこちら。
ちょっと厚めの絵本です。独特のイラストと手書きの文字が魅力。
内容は『ぼく』がもぐらときつねと馬に会って、それぞれの人生観を教えてもらう話。
中でも私は、ぼくと馬のした会話が好きです。
“いままであなたがいったなかでいちばんゆうかんなことばは?“
“たすけて“
こやまさんも「はー深い」と納得のご様子。
これ、私は気が付かなかったんですが、翻訳が川村元気さんなんですよね。超有名な映画プロデューサーです。日本語の文字は誰が書いてるんだろう? 川村元気さん? 多才だなぁ。と、ひとしきり盛り上がりました。
終わって
新しい本と出会え、尚且つ自分の好きな本も語れる最高の会となりました。
この後も色んな話で盛り上がれたので、初対面でもこういう会をしてみると楽しいですね!
こやまさん、ありがとうございました。