J2第15節 大分トリニータvs愛媛FC レビュー【長沢と野村がいない時間はどう攻めるか?】
こんにちは、トリノミカタです。今節は非常に悔しい、勿体無い試合でした。後半20分ごろまではほぼ理想的な試合運びでしたが、選手交代をきっかけに次第に愛媛に主導権を握られ、あわや逆転というところまで持って行かれてしまいました。
この記事では、前半大分が主導権を握れた理由、後半大分が主導権を手放してしまった要因について、私なりに解説していきます。
前半大分がシームレス・フットボールを表現できた理由
今節の前半は今季の中でも、一番シームレス・フットボールを体現できたのではないでしょうか?全く相手にやりたいサッカーをさせず、前半の大分のボール支配率が62%と数字が示す通り、終始大分が優位に試合を進めました。それができた要因が以下の通りです。
・ハイプレスで愛媛の中盤にボールをつけさせずに、ロングボールを蹴らせたこと
・ロングボールを安藤&藤原が跳ね返し、愛媛に起点を作らせなかった
・セカンドボールを回収することができた
・長沢、野村がうまくボールを受けて、ポゼッションした
前半は一人一人が自分の役割を全うし、チームとして同じヴィジョンに向かって、戦うことができていました。全く隙がなく、素晴らしい戦いができていたと思います。長沢選手が得点できたことも良かったですね。
特筆したいのが、CBが競ったボールをただ跳ね返すのではなく、味方に狙って落とす回数が増えたことです。特に藤原選手は、近くの小酒井選手や野嶽選手に落とせた回数が多く、それによってこれまでよりも多くセカンドボールを回収することができました。
また、攻撃面では長沢選手が、前線から中盤に降りてボールを受けるタイミングが絶妙で、野村選手と長沢選手という2つの起点があることで、愛媛はなかなかボールの奪いどころが見つけることができませんでした。
なぜ後半大分は失速したのか?
そんな理想的な前半を過ごし、後半9分に野村選手のゴールでリードを2点差に広げた大分でしたが、選手交代を境にガタガタと崩れていくことになります。
後半25分に長沢選手OUTで伊佐選手IN。後半32分に野村選手・小酒井選手OUTで、保田選手・中川選手INという交代を行いました。
個人的にはこの交代が、失策とまでは言わないものの、追いつかれた大きな原因の1つだと思います。現在の大分のポゼッションスタイルは、長沢選手・野村選手、小酒井選手がキーマンとして成立しています。
大分のシームレス・フットボールは、縦に早いプレスからのショートカウンターと、ポゼッションを組み合わせたサッカーです。今回の交代では、その両輪のうちの1つであるポゼッションを担う3人を全員交代させました。
その時点では2点リードしていたこと、長沢選手がイエローカードをもらっていたこと、疲労具合などを考慮して、そのような交代になったのだと思います。しかし、直後に不運なPKでの失点があったこと、相手が松田選手とベンダンカン選手の2トップにして起点を増やしてきたことで、プレスの強度を高めて逃げ切る作戦は結果的に失敗しました。
今回の試合で出た課題は「長沢選手、野村選手がいない時間にどのようなサッカーをするか?」ということだと思います。2人がいれば、大分が目指すシームレス・フットボールは表現できます。しかし、2人がいないとポゼッションがうまく行かなくなり、機能不全に陥ります。
今後は長沢選手と野村選手がいない時は同じ戦い方ではなく、少し異なる戦い方で工夫するか、交代選手が同じような役割をしっかり担い、誰が出ても同じサッカーができるようにするかを考えなくてはなりません。
個人的には、野村選手と長沢選手は唯一無二の選手なので、2人がいない時間は異なる攻め方を見出した方がいいと思います。池田選手や鮎川選手が復帰すれば、また違った攻めができるかもしれません。重要なのは、どの時間も攻め方を意思統一することだと思います。90分を通したゲームプランの進化を楽しみにしたいです。
最後に
愛媛も終盤まで走り続け、諦めないとてもいいチームでした。特に後半の山口選手は凄かったですね。
ホームでなかなか勝てないことが何より残念です。子供のサポーターはアウェイには行きづらいと思うので、子供達のためにも、クラブの未来のためにもホームの勝利にこだわってほしいです。
次節はアウェイで2連勝中の水戸との対決です。チームが1週間でどのような準備をして何にチャレンジするのか楽しみにしましょう。
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宇津元そろそろ決めてくれーー!!
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