恩送り
随分前に お世話になった方に
偶然お会いした
場所も違うのに
見覚えのある言葉
気になって扉を開けた
最初はお互いに分からなかった
それだけの歳月が過ぎたということ
まだ小さい子を傍らに寝かせ
枇杷の葉や
玉ねぎの皮を煮出して
布を染め上げ
温かいお茶と
続くおしゃべり
穏やかなひととき
懐かしい記憶
あぁ あの時のと
顔がほころぶ
タイミングは違っても
共通の出会いがあり
その方ご自身からも
大きな影響を受けた
当時 自分のことだけで
頭が一杯だった私
今もたいして変わらないと
心の中で苦笑い
一方で 自らの経験を語り
他の方のお話も受け止め
周りも自分も気持ちが楽になるよう
良いと思ったことは率先して
皆で体験できる場も作る
その姿はとても眩しく感じた
月日を経て たしか試作だったことを
さらに探究された これまでの歩みや
作ることの楽しさ 喜びが
ケースに並ぶ作品と 丁寧な説明に
滲み出ていた
お別れして一晩が過ぎた今
引き合わせてくれたことに
感謝しつつ
私にできる何かを
たとえ今すぐでなくても
いつかきっとと
新たな思いが駆け巡る
再会できたことに感謝