ポメラニャーン

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「地球外生命体マーク」第3話

【第3話】 東京タワーへ侵略開始(3984文字)○とある飲食店  二話の続きから。  とある飲食店にて、マークとシノエルと小湊は腰を下ろしていた。そして小湊は語り始める。地球の社会が崩壊したときのことを……。 「それは、一ヵ月前のこと……」  小湊は真剣な眼差しで、口を開いた。 【回想/一ヵ月前】 ○栄えた街(昼) 「ある日曜日に事件は起きた」  日曜日のお昼ごろ。栄えた街には、休日ということもあって人が多かった。  小湊は友人と共に、仲良く話しながら街を歩いて

    • 「地球外生命体マーク」第2話

      【第2話】 はじめまして、地球人(3972文字)○ある程度栄えた街(昼)  それなりに栄えて店や背の高い建物が並ぶ街。そこには、まともな人間が一人もいなかった。  たくさんの人間たちが、虚ろな目をしてゆっくりと歩いている。 『地球を侵略しに来たら、既に侵略されていた』 『こんなに面白いことは、ないっ!』 ○山の中  一話のラストにて襲ってきた地球人は、頭部を破壊されて倒れていた。大破した宇宙船の近くで、マークとシノエルは話し合っている。 「死んでも襲い掛かってくる生

      • 「地球外生命体マーク」第1話

        【あらすじ】(296文字) 地球は宇宙人から侵略される危機に瀕していた。  マークは、侵略を行う部隊で働く宇宙人。しかし彼は、侵略に乗り気ではなかった。  なぜなら奴隷として扱われており、無理やり働かされているからだ。奴隷から解放されるには、大金が必要で仕方なく労働している。  だが事件は前触れもなく起きた。  マークが侵略するために降り立った地球には、なんとゾンビが発生していたのだ。  しかし、彼はワクワクしてしまう。  ゾンビという生き物は、侵略兵器として優秀だと

        • 「ゴミヒーロー」第3話

          【第3話】 拡大母親責任(3977文字数)○公園(深夜)  二話からの続き。 「レイジ……その能力は……」  ゴミ怪人がレイジを不審そうに見つめる。レイジは、どこから取り出したか分からないプラスチック製の刀を握っていた。 「やっと、見つけた」  ゴミ怪人の背後から、女性の声がする。  発砲音が公園で響き渡ったのは、そんな声と同タイミングだった。 「なっ!」  ゴミ怪人の身体が、音に反応して震える。しかし、銃弾で撃たれたわけではない。  音源は上空に浮かんでいたド

          「ゴミヒーロー」第2話

          【第2話】 人間リサイクル(3977文字)○会議室  超高層タワーの内部に会議室があり、大人たちが集まっていた。彼らは真剣な眼差しで、スクリーンを見ている。そこには人工衛星で破壊された工場が映っていた。 「二週間前。山中川工業で全社員が殺害された件ですが」  とある女性が、状況を説明をしている。 「容疑者のゴミ怪人は、捜索中です。現場から離れていて――」 「まだ見つかっていないのか?」  大人の一人が、説明を遮る。 「ゴミ怪人は、ゴミを操ることができる。そして事件

          「ゴミヒーロー」第2話

          「足りないから、輝く」第3話

          【第3話】 虫のいいワタシ(3977文字)○通学路、学校付近の住宅街(朝)  住宅地には学校へ登校中の生徒がたくさん歩いており、騒がしい。  佐々木もその中の一人だった。人よりも早いスピードで、歩いて登校している。 「おはっ!」  元気な声が佐々木のことを呼んだ。背後から、小翠が駆け寄ってくる。 「……っす」  眠たげに目を擦りながら、挨拶を返す佐々木。 「昨日のライブ……ありがとね」 「やる気が漲ったっていうか……歌詞作りのモチベーションが上がったよ!」 「へえ

          「足りないから、輝く」第3話

          「ゴミヒーロー」第1話

          【あらすじ】(280文字) 世界はゴミだらけだった。  環境問題が悪化して、惑星は危機に瀕してしまう。  そんな時代に、ゴミの中から産まれた一人の化物――――ゴミ怪人。  彼は人間に虐げられながら、必死に生きている。  だからこそ、ゴミ怪人には夢があった。  ゴミだらけの世界全てを掃除して綺麗にすることだ。そうすれば、汚い自分のことも、いつか認めてくれるはずだと。  だが、ゴミ怪人が世界を掃除していくにつれ、とある事件に巻き込まれていく。それは、汚れた世界の真実と危機

          「ゴミヒーロー」第1話

          「足りないから、輝く」第2話

          【第2話】 43730㎡の夢(3964文字)【回想開始】 ○小学校の教室(昼)  机の上に小説を置いて、友達と外に遊びに行く小翠。 『子供のころ、周りに合わせて、自分の内側を隠した』 ○1話の回想 『けど、HIPHOPのトラックを作る佐々木ちゃんと出会い』  1話にて、佐々木にパソコンの画面の音楽制作ソフトを見せられたシーンの回想。 『歌詞を書くことで、初めて自分の中身を吐き出すことができた』  1話にて、涙まみれで「いま、楽しいです!」と宣言するシーンの回想

          「足りないから、輝く」第2話

          「足りないから、輝く」第1話

          【あらすじ】(272文字) 小翠若歌は本心を隠している。いつも友達に合わせて、流されるように生きていた。  そんなある日、クラスメイトの佐々木伎音がHIPHOPのトラックメイクをしていると知る。彼女との出会いをきっかけに、ラップの歌詞を書くことになった小翠。  本心を隠していた彼女は、歌詞を書くことで流されるように生きてきた自分と向き合うこととなる。  そして、佐々木と組んでHIPHOPの楽曲を制作していくことに……。  性格が真反対の女子高校生二人組が、アリーナで

          「足りないから、輝く」第1話

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第3話

          【第3話】 血と硝煙と映え(3978文字)○洋菓子店の店内(夜)  営業時間終了後。売り場で片付けをしていた撃見。一人で店の外の夜道を眺めて、感傷に浸っている。 「撃見くん……」  背後から何者かが近づき、撃見に声をかける。 「――――!」  声に過敏に反応して、一瞬で振り返る撃見。 「俺の背後を取るとは……貴様、何者だッ!」  撃見は腰を落として、警戒態勢に入る。 「ここのパティシエだよ」  声をかけた女性は、洋菓子店のパティシエだった。調理コートを着た4

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第3話

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第2話

          【第2話】 欲望のおあずけスイーツ(3936文字)○洋菓子店の店内(朝)  開店前の洋菓子店。佐藤が開店準備を始めようとしていると、駆け足で撃見が入店してくる。 「た…たいへんだぞっ!」  サングラスをかけて、顎髭を生やしたダンディな男――――撃見ツヨシは息を切らせて慌てた様子だった。手には雑誌を持っている。 「どうしました」  佐藤はびっくりして、不安そうに尋ねる。 「どうやら……」 「俺って“スイーツ男子”だったらしい」  持っていた雑誌を広げる撃見。『スイ

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第2話

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第1話

          【あらすじ】(297文字) ダンディな殺し屋“撃見ツヨシ”は、大好きな洋菓子店への転職に成功した。元殺し屋の撃見を殺すために洋菓子店へ来店する刺客と、密かに戦いながら働いていく。  しかし、ある事件をきっかけに、刺客たちの狙いが撃見ではなく店長の“佐藤甘子”だと発覚する。  どうやら、佐藤は死んだ両親から『世界を変えるレシピ』を受け継いでおり、誰かが裏社会で懸賞金をかけたらしい。  依頼内容は佐藤を殺すか、パティシエの道を諦めさせること。手段は殺しだけとは限らない。経営

          「洋菓子店は暗殺者と戦う」第1話

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第3話

          【第3話】 ファンよりも、可愛い(3718文字)○学校の教室(夕方)  帰りのホームルームが終わり、放課後になる。生徒たちは、荷物をまとめて徐々に帰宅をし始めていた。そんな中、甘宮と氷川は教室で仲良く会話している。 「新作のパンケーキ、今日からなんだよね。一緒に行こうよ」  甘宮はスマホの画面に映るパンケーキを見せながら氷川を誘った。 「ごめん。アタシ、今日も部活だから」  手を合わせて申し訳なさそうに断る氷川。 「そっか。じゃあ、一人で……」  甘宮の身体が静

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第3話

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第2話

          【第2話】 姉よりも、可愛い(3950文字)○女子大の敷地内、外(昼)  その大学では学園祭が開かれていた。たくさんの人が来場し、露店が並んでいる。 「アタシたちの学校の学園祭とは、雰囲気が違うね」 「ウチの学園祭って、地域にある複数の高校が合同でやるから。それと比べると、ね」  甘宮と氷川は女子大の学園祭に来ていた。二人は露店を眺めつつ歩いている。 『私たちは、女子大の学園祭に来ています!』 【回想開始/数日前】 ○高校の屋上  昼休みの屋上にて、甘宮と氷川が

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第2話

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第1話

          【あらすじ】(272文字) “甘宮亜希”は世界で一番可愛い容姿をした――男だった。  そんな甘宮はボーイッシュな才女“氷川奈冷”が、実は可愛いものを大好きな女の子だと知ってしまう。  秘密を知られた氷川は、甘宮にとある相談を持ち掛ける。周囲からカッコいいと言われる彼女が、本当は可愛らしい女の子になりたいという悩みだった。  甘宮は彼女の話を聞いて、決心する。  表情、化粧、洋服など様々な武器を使って、氷川奈冷を可愛らしい女の子に変えてみせると。  世界で一番可愛い男の

          「甘宮亜希は世界で1番可愛い!」第1話