魔法の言葉かけ3STEP
はじめに
夏休みもあとわずか…。というか、すでに登校を再開している学校もあるとか。
夏休み明けに私が最も重要視していることは、「今日、来てよかったな」と子どもたちに思ってもらえること。せっかく来たのに、対してお土産になる感情を持たせられなかったら、学校としての意味がないような気がします。
じゃあ、ひたすら楽しいイベントやお楽しみ会的なものでワイワイ遊べばいいのか?それも一部分は大事ですが、もっと大事なことがあります。それは、安心感ではないでしょうか?
どうやって安心感を感じさせる?
久しぶりに登校してきたら、「あぁ、戻ってきたんだな」と感じさせることが大事だと考え、これまでの夏休み明けはその点を意識してきました。特に、「いつもと変わらないね」という普遍的な感触を子どもたちに与えたいと考えています。その中で、いつもより丁寧に子どもたちと会話をすることが重要です。主に聞き手に徹することを心がけています。
聞き手として大事なのは『傾聴力』
Oxford Languagesでは、「耳を傾けて熱心に聞くこと」が傾聴と定義されています。実際に耳を傾けるような仕草や姿勢を示すことはもちろん、心を相手に傾けて聞くことが重要です。
私は、正直言って聞き上手ではありません。傾聴力が低い部類に入る人間です。それでも、相手の話を引き出し、ほんのりと安心感を感じさせることができたように感じた経験があります。それは、「魔法の言葉かけ3STEP」のおかげです。
魔法の言葉かけ3STEP
① 『どうしたの?』
・相手の様子をうかがいながら、話の主導権を相手に渡します。
・夏休み明けだと『どうだった?』とシンプルに尋ねることが多いですね。(『いいとも!!』のテレフォンショッキングのコーナーでは、タモリさんがよく最初に問いかけていた『最近どう?』と同じです。)
② 『どうしたいの?』
・相手から様子や感情を引き出せたら、次のステップです♪
・これからどうしたいのかを相手にアウトプットさせることで、自分の気持ちを整理させる効果が期待できます。
・相手が話し始めたら、相づちやおうむ返しが最も手っ取り早くできる反応です。アドバイスは基本的にしなくてOKです。←求められたらしても良いと思います。
③ 『私に何か手伝えることある?』
・ここまできたら、大成功と言えるでしょう。主導権が相手にあることを本能的に感じさせる効果がありますよね♪
私は、6歳の長男にこの3つの言葉かけを使って実験してみました。普段は『わかんない』で終わらせようとするのに、たくさん話してくれました。「パパに何か手伝えることある?」という問いには、「今は大丈夫。手伝ってほしい時には言うね。」と返してくれました。
おわりに
毎年9月10日から16日までは、自殺予防週間とされています。日頃の生徒指導や授業での声かけがベースになりますが、特に意識して教育相談に取り組んでいきたいと考えています。自殺者を減らそうとか、大きなことは言えませんが、目の前の次世代の担い手の良き相棒として、ほんの少しでも「あなたが隣を歩いてくれたからよかった」というような気持ちを感じてもらえたらいいなと思っています。
我が子も、預からせてもらっている子どもたちも、そこに関わる多くの人たちも――みんなのWell-beingに続く道程の相棒になれるように…。